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酵素を飲むと痩せるのは嘘?せっかくの効果を台無しにしないためには

執筆者 安田あかり | 更新日:2023.9.25

「酵素を飲むと痩せるって本当?」
「酵素ダイエットを成功させてきれいになりたい」
「内側からの美しさを手に入れたい」
「ダイエットをしてきれいになりたい」
そんな願いを持つ女性にとって、ダイエットするからには時間や労力、お金を無駄にしたくないですよね。
そして健康的に体の内側から出る美しさを手に入れたいものです。
そこで注目されているのが、「酵素」を取り入れたダイエットです。
酵素自体にダイエット効果はありませんが、体で起きる反応をスムーズにする役割があるため、健康・美容への良い影響が期待できます。
今回は、酵素を取り入れる効果やダイエットへの取り入れ方などをご紹介します。

そもそも酵素って?

そもそも酵素って?

酵素は私たちが生きていくうえで欠かせないものです。
私たちの体の中では、食べ物の消化や分解・吸収に関わる化学反応が、絶えず行われています。
その化学反応が起こるためには、酵素による作用が必要なのです。
人間の体内には約5,000種類もの酵素が存在していると言われており、例えば、消化に関わる酵素の1つアミラーゼは、ご飯に含まれるでんぷんに作用・分解し、ブドウ糖を生成します。

酵素とは?

酵素とは、「熱に弱い」「特定の環境でのみ作用する」という特徴を持つたんぱく質です。
たんぱく質で構成されている酵素は、加熱してしまうとたんぱく質の構造が変化し、本来のはたらきが損なわれてしまいます。
また、特定の環境でしか作用せず、35〜40℃という温度環境とpH7.35〜7.45の中性の環境で活動的になるということも特徴的です。

酵素は3種類に分けられる

酵素は主に3種類に分けられます。

酵素の種類はたらき
体内酵素消化酵素食べたものの消化を助ける
代謝酵素栄養素をエネルギーとして代謝する
食物酵素食物酵素食べ物に含まれる酵素で、消化を促進する

消化酵素と代謝酵素は、体内酵素と言われており、私たちの体にもともと備わっている酵素で、日々作られています。
食物酵素は、野菜や果物などに含まれている酵素で、消化に関わります。

酵素は年齢とともに減少する

体内酵素は、日々私たちの体内で合成され、あらゆる化学反応に作用をしていますが、加齢によって作られる酵素の数は徐々に減少します。
酵素が減少してしまうと、消化のスピードが遅くなったり、栄養素を上手くエネルギー変換できないようになったりしてしまい、結果として代謝が落ち、痩せにくくなってしまいます。
酵素は体内で起こるあらゆる化学反応に関与しているため、体内で作られる酵素の量が少なくなると体の調子も悪くなってしまう可能性があります。

酵素を摂ると痩せるの?

酵素自体に痩せる効果はありません。
酵素を食物やドリンクで摂ることによって消化を良くする、腸内環境を整えるといった健康面・美容面での影響は期待できますが、酵素を摂るだけで痩せるというのは不可能です。
ダイエットは「食事による摂取エネルギーを適正まで減らし、運動によって消費エネルギーを増やす」ということが基本ですので、基本を押さえた上で「酵素を補助的に活用する」という意識でいると良いでしょう。

体内酵素を節約することがポイント!

「酵素を摂ると良い」と言われている理由は「体内酵素を節約できる」ということにあります。
食事から摂る酵素は食物酵素といいますが、食事から取り入れた食物酵素は自身が持つ作用によって、食物の事前消化を行います。
体にもともと存在する体内酵素を浪費せずに消化がすすむため、その後の消化・分解反応もスムーズに行うことが可能です。
食物酵素もたんぱく質でできているため、消化が進む過程でたんぱく質として分解・吸収されます。
「酵素ドリンクには酵素がたくさん含まれている」と言われますが、一般的に酵素ドリンクに含まれているものは、食物酵素であり、消化酵素や代謝酵素といった体内酵素とは全く別物です。
「酵素ドリンクに含まれる食物酵素が体内酵素と同じようにはたらく」と思われがちですが、それはありません。

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酵素の効果とその理由

酵素の効果とその理由

酵素を摂ることによってどんな効果が私たちの体にもたらされるのでしょうか。
主に酵素の効果は以下3つが挙げられます。

  • 生命活動を維持する
  • 腸内環境を整える
  • 新陳代謝を高める

ここでは酵素と私たちの関係について詳しく解説をしていきます。

酵素の効果①生命活動を維持する

消化や代謝といった生命活動を維持するためにも、酵素のはたらきが必要不可欠です。
酵素は生命活動に必要な体内での化学反応の仲介役です。
ただ、人間の体内で1日に作られる酵素の量には限りがあるのにも関わらず、暴飲暴食や過度な飲酒、喫煙などのダメージから回復するときにも多くの酵素が使われます。
酵素が大量に使われると、そのほかの場所で働くはずの酵素が減ってしまいます。
そのため、酵素が含まれる食品を摂ることで、体内にある酵素を補うということも必要です。

酵素の効果②腸内環境を整える

酵素は腸内環境を整える効果も持っています。
体内に溜まっている老廃物や毒素を排出する機能の反応にも、酵素は関与しているため、酵素のはたらきを活用することが、腸内環境を整えることに役立ちます。
具体的には、便秘の改善によって肌荒れが軽減されるといったことが挙げられます。

酵素の効果③新陳代謝を高める

新陳代謝を高めることも酵素の効果の1つです。
新陳代謝とは古い細胞が新しい細胞に入れ替わる過程のことを指し、新陳代謝を繰り返していくことで、体の機能や健康の維持をします。
体内では代謝酵素の働きによって新陳代謝がスムーズに行われ、老廃物や疲労物質などの排出をサポートをします。
酵素がはたらかず、新陳代謝が上手く行われていないと肌荒れを起こしたり、疲れやすくなるなど悪い影響があるため、注意です。

酵素のおすすめな取り入れ方

酵素のおすすめな取り入れ方

酵素のおすすめな取り入れ方として以下3つをご紹介します。

  • 生野菜やフルーツを食べる
  • 発酵食品を食べる
  • 酵素ドリンクを活用する

生野菜やフルーツを食べる

酵素はたんぱく質でできており、たんぱく質は構造上、熱に弱いです。
新鮮な生野菜やフルーツには酵素が豊富に含まれているため、サラダなどで美味しく食べて取り入れることをおすすめします。

発酵食品を食べる

みそ・納豆・漬物・チーズなどの発酵食品には酵素が豊富に含まれています。
発酵食品とは、食材が乳酸菌や麹菌などの微生物によって分解・発酵された食品のことです。
発酵食品はたんぱく質や糖がある程度消化された状態であるため、人の体内では少しの消化酵素で消化可能といわれており、体内にある酵素を節約できます。
体内にある酵素を節約できれば、酵素がほかの場面で使われるため、消化・代謝がスムーズに行われます。

酵素ドリンクを活用する

酵素ドリンクには現在多数の種類が販売されていますが、酵素をたっぷり含んだドリンクですので、代謝アップや水分摂取につながります。
ダイエットをしたいという方なら、摂取カロリーを抑えて、かつ、酵素も摂りたいですよね。
1日3食のうち、1食だけ酵素ドリンクに置き換えをするという方法もあります。
ダイエットに酵素ドリンクを取り入れる際は、食事のコントロールと運動を基本とし、酵素ドリンクは補助的に活用をしましょう。

酵素ダイエットでのNG!これをすると効果がなくなる?

酵素ダイエットでのNG!これをすると効果がなくなる?

「酵素をダイエットに取り入れても効果が分からない」ということもあるかもしれません。
その際は以下の4つをチェックしてみましょう。

  • 酵素を摂るだけで痩せると思っている
  • 長期間継続をしていない
  • 酵素ドリンクの飲みすぎ
  • 生野菜や果物を食べ過ぎて体を冷やしてしまう

酵素を摂るだけで痩せると思っている

酵素を摂るだけで、食生活を変えない、運動もしないという意識ではダイエットは難しいでしょう。
酵素はあくまでも、消化や代謝を高めるはたらきを助けるためのものです。
そのため、酵素を摂るのと合わせて、食事を見直したり、運動を取り入れたりすることで効果を感じられるでしょう。
酵素を取り入れ、運動をすることで、酵素の摂取で高まった代謝がさらに良くなり、ダイエット効果が見込めます。

長期間継続をしていない

酵素を取り入れているにも関わらず、効果を実感できない場合、短期間のみの実践をしている場合が多いです。
酵素は摂取してすぐに効果は得られず、1〜3ヶ月ほどは様子を見る必要があります。
そのため、痩せたと効果を実感できていなくても、酵素の摂取を続けることで、徐々に肌質が良くなったり、便秘が解消されたりといった体質改善が実感できるかもしれません。
酵素は少しずつ痩せやすい体作りをするというものですので、短期で効果を求めたり、途中で諦めたりしないようにしましょう。

酵素ドリンクの飲みすぎ

酵素を生活に取り入れるとなった場合、市販の酵素ドリンクを使うこともあるでしょう。
酵素ドリンクは各メーカーが色んな商品を販売していますが、注意していただきたいのは酵素ドリンクに含まれている「糖分」です。
酵素ドリンクの中には糖分がたっぷり入っているものもあり、飲みすぎに注意する必要があります。
酵素ドリンクが甘くておいしいからといって飲みすぎてしまい、糖分を摂取しすぎてしまうというケースがあります。
糖分を摂取しすぎると、摂取エネルギー過多となり、脂肪が体内に蓄積されていきます。
酵素ドリンクを飲みすぎないということと同時に、糖分が入っていない酵素ドリンクを選ぶということも大事です。

生野菜や果物を食べ過ぎて体を冷やしてしまう

生野菜や果物を食べ過ぎて、体を冷やしてしまうということも注意です。
野菜や果物には食物酵素が含まれていますが、酵素はたんぱく質でできているため、加熱をすると酵素が失活してしまいます。
そのため、野菜や果物はできるだけ加熱せずに生で食べる必要があります。
しかし、酵素が含まれているからといって、生野菜や果物を食べ過ぎてしまうと体を冷やしてしまう可能性があります。
生野菜も果物も水分を多く含んでおり、体を冷やす食べ物の代表です。
体が冷えてしまうと、肌がくすんだり、ハリがなくなったり、代謝が悪くなってしまったりする場合があります。
体を冷やさない程度に適度に生野菜や果物を取り入れましょう。

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酵素自体にダイエット効果はありませんが、酵素は痩せやすい体づくりに役に立つことが分かりました。
ちまたでは「酵素ダイエット」といった言葉がありますが、ダイエットは食事と運動を基本としたカロリーコントロールが重要ですので、酵素は補助的に活用をしましょう。

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執筆者
安田あかり

管理栄養士資格を取得後、有料老人ホームや大学に勤務。 有料老人ホームでは、献立作成や食材発注業務を経験。 その後、管理栄養士学科のある大学の助手として、管理栄養士を目指す学生へのサポートに尽力しておりました。 また、スキルアップのため、フードコーディネーター2級の資格も取得。 現在はWebライターとして「根拠のある内容を分かりやすく伝える」を意識し、ためになる情報をお伝えします。

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