スーパーで一年中手に入るきのこですが、きのこが一番おいしくなるのは秋。
旬を迎えたきのこは栄養価もより高く、旨味もたっぷりです。
この記事では、3人の子育て中の薬剤師・薬膳アドバイザーがきのこの栄養や効能、食べ方や保存方法について詳しくご説明いたします。
きのこは子どもにとっても必要な栄養が豊富に含まれているので、きのこが苦手なお子さまにもぜひ食べていただきたいです。
自分できのこ狩りに行ったり、きのこ栽培キットを使って自宅できのこを収穫してみるのもいいかもしれません。機会があったら試してみてくださいね。
そして、きのこは女性にとってうれしいことがたくさん!美容と筋力アップに役立つ優れものでもあります。
その理由についても詳しくご紹介するので、ぜひこの記事を参考にして、きのこをよりおいしく味わってください。
目次
きのこは秋が旬のスーパーフード
きのこ類は、低カロリーでヘルシーな食材として知られています。
その特徴を以下で詳しくみてみましょう。
低カロリーでヘルシーな食材
きのこは、低カロリーでありながら栄養価が高いため、ダイエットや健康的な食事に適しています。
たとえば、100gあたりのカロリーでみてみると、マッシュルームは15kcal、なめこは、21kcal、ぶなしめじは22kcalです。
また、きのこには、ビタミン、ミネラル、食物繊維、そしてたんぱく質など、さまざまな栄養素が含まれています。
さらに、筋肉の修復と成長に役立つアミノ酸のオルニチンも含まれていますよ。
きのこの水分含有率
きのこは約90%が水分で構成されています。
この高い水分含有率が、低カロリーの主な理由です。
水分を多く含むきのこは、満腹感を得るのに役立ち、食べすぎるのを防ぐことができるでしょう。
おすすめのきのこ3選
以下で、とくにおすすめのきのこ3種類をご紹介します。
- しいたけ
しいたけは、免疫力向上や脂質代謝の改善に効果があり、心臓を強くする働きもあります。
また、しいたけに含まれる成分「Dフラクション・Xフラクション」は免疫力を高め、がん治療にも応用されることがありますよ。
- えのきたけ
えのきたけは低カロリーで脂質をほとんど含まないため、ダイエットに適しています。
また、えのきたけに含まれる酵素はたんぱく質を分解し、お肉をやわらかくする効果も。
- まいたけ
まいたけは血糖値を下げる効果があります。
糖尿病予防や肥満予防に役立つでしょう。
まいたけにも「Dフラクション・Xフラクション」が含まれています。
きのこの驚くべき美容効果とは?
きのこは、美容に対する多くの効果が期待できます。以下に、その主な美容効果についてご説明します。
栄養素の豊富さ
きのこには、美容に役立つ栄養素が多く含まれています。
ビタミンB群
きのこには豊富なビタミンB群が含まれており、脂質の代謝を促進し、皮膚、髪、爪の再生を助けます。
さらに、ビタミンB群は肌の新陳代謝も促進。
とくに、ナイアシン(B3)は血行を良くし、ビタミンB6はたんぱく質の代謝を助けます。
また、葉酸(B9)は細胞の生成を助け、健康な成長の助けとなります。
グルタミン酸
きのこに含まれるグルタミン酸は老化を防ぐ助けになります。
ビタミンD
きのこに含まれるビタミンDは、脂肪燃焼を促進し、美肌と健やかな髪に役立つ「若返りのビタミン」として知られています。
抗酸化物質の効果
きのこには、ポリフェノールやアントシアニンなどの抗酸化物質が豊富に含まれています。
そのため、活性酸素による老化や肌トラブルを防ぐ助けになるでしょう。
コラーゲン生成の促進
きのこは、コラーゲンの生成促進効果が期待できるともいえます。
例えば、たんぱく質やコラーゲン生成を促進するビタミンB6、ビタミンB1、ビタミンCなどが役立ちます。
とくに、ハナビラタケには非常に強力なコラーゲン産生促進活性が報告されています。
コラーゲンは肌の弾力性とハリを維持するために重要です。
おすすめのきのこ
美容効果が期待できるおすすめきのことその効果についてご紹介します。
- えりんぎ
保湿効果があり、乾燥から肌を守り、美肌に効果的です。
- まいたけ
ビタミンB2、トレハロース、チロシナーゼ阻害物質などが含まれており、美白効果やストレスが原因で起こる肌荒れを予防・改善します。
- えのきたけ
血行促進&抗炎症作用で肌荒れ予防に効果的であり、キノコキトサン含有量がえりんぎに次いで多いです。
- ササクレヒトヨタケ
抗酸化力を持ち、抗老化効果、美白効果、シワ・肌荒れ改善効果まである成分で、美容効果が期待できます。
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ダイエットや筋力アップにも効果あり!?
きのこは、健康的な食事やダイエット、筋肉アップに非常に有益な食材です。以下に、その主な効果をご説明します。
オルニチンと脂肪燃焼
きのこに含まれるオルニチンは、脂肪の燃焼を促進することで知られています。
オルニチンを体内に取り入れると、成長ホルモンが増加。
この成長ホルモンは、血液を通して体中の細胞に、とくに脂肪のなかにある脂肪細胞に運ばれます。
成長ホルモンが脂肪に作用すると、中性脂肪が遊離脂肪酸に変化。
これによって、脂肪が脂肪細胞から出て、血液に放出されます。
その後、遊離脂肪酸は血液を通してミトコンドリアと呼ばれる場所に運ばれます。
ミトコンドリアでは、遊離脂肪酸がエネルギーに変わるために燃焼されるのです。
つまり、脂肪がエネルギーに変わって、体内で燃えることができます。
さらに、オルニチンを摂ることで、運動後に成長ホルモンの分泌が増えます。
この成長ホルモンは筋肉の生成を促進し、筋肉を増やすのに役立ちます。
つまり、オルニチンは脂肪を燃やすだけでなく、筋肉を増やすのにも貢献するのです。
低カロリーで栄養価豊富
ダイエットを考える際、きのこは非常に有用な食材です。
きのこは、低カロリーでありながら栄養価が非常に豊かであることが魅力でしょう。
きのこは低カロリーであるため、ダイエット中のカロリー摂取を制限する際に使いやすい食材です。
低カロリーなのでたくさん食べても安心で、満足感が得られ、空腹感を和らげます。
また、きのこには多くの栄養素が含まれています。
きのこに含まれるビタミンB群、ミネラル、食物繊維、たんぱく質などは、ダイエット中に不足しがちな栄養素を補給するのに役立つでしょう。
ビタミンB群はエネルギー代謝を促進し、ミネラルはからだの機能に必要です。
食物繊維は腸内環境を改善し、満腹感を持続させることができるでしょう。
おすすめのきのこ
ダイエットや筋力アップにも効果のあるおすすめのきのこをご紹介します。
- ぶなしめじ・ブナピー
オルニチンが豊富に含まれており、筋力アップや疲労回復を促進します。
- えりんぎ
食物繊維が豊富で、腸内環境を整え、健康な消化をサポートします。
- まいたけ
糖質や脂質の代謝を整え、脂肪の蓄積を抑制しやすくする効果があります。
お手軽レシピ(筋力アップ&美容効果あり)
簡単にできる筋力アップと美容効果が期待できるきのこを使ったレシピをご紹介します。
きのこの栄養満点!まいたけと鶏むね肉のスパイシースープカレー
材料(2人分)
- まいたけ
- 適量
- 鶏むね肉
- 200g
- 玉ねぎ
- 1個(みじん切り)
- にんにく
- 2片(みじん切り)
- トマト
- 2個(みじん切り)
- スパイスカレー粉
- お好みで
- ココナッツミルク
- 200ml
- サラダ油
- 大さじ1
- 塩とこしょう
- お好みで
作り方
- 鍋にサラダ油を熱し、にんにくと玉ねぎを炒めます。
- 鶏むね肉を加え、軽く焼き色がつくまで炒めます。
- トマトとスパイスカレー粉を加え、香りが立つまで炒め続けます。
- まいたけを加え、炒めます。
- ココナッツミルクを加え、中火で煮ます。必要に応じて水を足して調整します。
- 塩とこしょうでお好みの味に調味し、できあがりです。
ポイント
- 鶏むね肉
鶏むね肉は高品質のたんぱく質源であり、筋肉の成長と修復に不可欠なアミノ酸が豊富です。
- まいたけ
まいたけは、美容に役立つビタミンB、ビタミンD、ミネラル(特にカリウムとセレン)、食物繊維が豊富に含まれています。
- 玉ねぎとにんにく
玉ねぎとにんにくには抗酸化物質や炎症を抑制する成分が含まれており、健康な皮膚や免疫の維持に役立ち、美容に役立ちます。
- トマト
トマトにはリコピンという成分が含まれており、肌の健康をサポートします。また、ビタミンCも含まれており、コラーゲンの生成を促進します。
- スパイスカレー粉
スパイスカレー粉には抗酸化物質や抗炎症物質が含まれています。
- ココナッツミルク
ココナッツミルクには脂肪になりにくい脂質が含まれており、肌や髪の健康を助けます。
おすすめの調理法、保存法
以下に、きのこのおすすめの調理法と保存法をご紹介します。
調理法
- 炒める
しめじやえりんぎなどのきのこは、炒めることで旨味が引き立ちます。
バターやオリーブオイルと一緒に炒めると、さらに香りが楽しめますよ。
- 煮る
まいたけやしいたけなどのきのこは、煮ることで柔らかくなります。
スープや煮物におすすめです。旨味が出て風味豊かになります。
- 生食
マッシュルームは生食が可能です。
旬の野菜と一緒にサラダにして食べるのがおすすめですよ。
保存法
冷蔵保存
きのこはスーパーで透明袋などのパッケージに入れて販売される際、仮眠状態になっています。
調理するまではパッケージから出さずに冷蔵保存がおすすめです。
開封後はきのこをキッチンペーパーで包み、ラップで包むか、チャック付きの保存袋に入れて保存しましょう。
こうすることで過度な湿気を避け、適度に保湿がされます。
保存期間は一般的に購入してから1週間程度です。開封後は3日以内に食べるといいでしょう。
気温の影響を受けやすいため、湿気の多い時期や夏は傷みが早いため注意が必要です。
冷凍保存
きのこを冷凍すると、細胞が壊れるため、うまみがドリップとして出てきてしまいます。
そのため、冷凍きのこは解凍せずに料理に使用しましょう。
冷凍前には、石づきなどを取り除き、使いやすい大きさにほぐすことが大切です。
ほぐしたきのこは密閉容器やチャック付き保存袋などに入れて冷凍保存します。
冷凍きのこの保存期間は約2週間程度で、それ以上になると風味が落ちる可能性があるため、早めに食べ切るようにしましょう。
調理保存
きのこは調理してから保存する方法もあります。
塩や酢で和える、オリーブオイル漬けにするなどの方法がおすすめです。
火を通すことで雑菌が減少したり、水分を減らしたりすることで雑菌の増殖を防ぎ、保存に適した状態を作ります。
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旬のきのこでキレイを手に入れよう!
きのこは、低カロリーでありながら栄養価が高く、美容効果と筋力アップ効果を同時に期待できるすばらしい食材です。
きのこに含まれるビタミンD、B群、ミネラル、食物繊維、アミノ酸などの栄養素は、肌の健康を促進し、美肌作りをサポートします。
また、きのこに含まれるオルニチンは筋力アップに効果的で、筋肉の合成と回復を促進します。
きのこはスーパーで気軽に買えるので、毎日の食卓にすぐにでも取り入れることができますね。
きのこを使ったレシピを試して、美容と健康を手に入れましょう。
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