皆さんは、ふだん発酵食品をとっていますか?
「毎日ヨーグルトを食べるようにしている」という方もいると思います。ヨーグルトの健康に良い成分といえば、乳酸菌ですよね。
でも、乳酸菌はヨーグルトにしか入っていないと思ったら大間違い! 実は、日本の伝統食品、漬物にも乳酸菌は入っています。しかも、植物性乳酸菌といって、ヨーグルトの乳酸菌より健康効果が高いと注目されています。
今回は、そんな植物性乳酸菌を手軽にとれる、ぬか漬けについてご紹介したいと思います。
目次
なかなか本物の漬物は手に入らない
漬物=発酵食品だと思っている方がいますが、これは間違いで、漬物の中にも発酵食品でないものもあります。また、沢庵や野沢菜漬けのように、本来は発酵過程を経て作られるものも、スーパーで売られているものはほとんどがまがいものです。
実際にこれらの商品の原材料表示を見てみると、使用されている食品添加物の羅列に驚くはずです。これでは健康のために食べていても、腸内細菌にダメージを与える添加物をとってしまっては本末転倒です。
ぬか床があれば、簡単に自前の発酵食品が食べられる
健康に良い本物の漬物はなかなか手に入らない……。売っていないなら、自分で作ってしまおう! ということで、自宅で漬物を漬けてしまえば良いのです。
お店で売っているものはどんなふうに作られているかがわかりませんが、自分で作ったものであれば安心して食べることができますよね。
自分で漬物を漬けるのは大変そう! と思われるかもしれませんが、ぬか漬けであれば自宅でも簡単に作ることが可能なんです。
ぬか床は漬ける人によって味が違ってくる
実際に、ひと昔前までは、各家庭には必ずぬか床があり、それぞれの家で自前のぬか漬けを作ってきました。ぬか床は一度作れば手入れをして半永久的に使うことができ、地方には200年を超すようなぬか床もあるのだとか!
しかもすごいのが、ぬか漬けの味は各家庭で全然違うものになるんです。これはぬか床の材料の違いもありますが、漬ける人の体が持っている菌や、家に住み着いている菌が違うからだと言われています。
僕は以前ふらっと入った定食屋さんで出てきたぬか漬けがあまりに美味しくて感動し、店員さんに聞いてみたら、自前のぬか床で50年ものだと教えてくれました。これこそまさに大手のメーカーが大量生産では作れない絶品です。
本格派は、良い米ぬかを手に入れてイチから作ろう
さあ、だんだんあなたも自分だけのぬか床を育ててみたくなってきましたか?そんな素敵なマイぬか床生活を始める方法は2つあります。
1つ目は、自分でイチからぬか床を作る方法です。原材料は新鮮な米ぬかと塩と水。米ぬかはお米の殻にあたる部分なので、農薬の影響を受けやすい部位です。なるべく無農薬のお米の米ぬかを使って作りましょう。
無農薬の米ぬかは、無農薬のお米を販売しているお米屋さんであれば販売してくれます。インターネットで探せば通信販売をしているお店もすぐに見つかるので、手軽に手に入れられます。
手軽に始めたい人は、出来上がったぬか床を手に入れよう
「ちょっとイチから作るのはハードルが高い……」という方におすすめなのが2つ目の方法、すでに出来上がっているぬか床を買ってしまうというものです。
すでに良い具合に発酵したぬか床が売られているので、これを手に入れればその日から美味しいぬか漬けを漬けることができます。
ちなみに、僕も既成品のぬか床を使っています。
こちらは、成城石井で手に入れたのですが、ビニール袋に入って、上部がジッパーになっています。ぬか床が発酵しすぎないように冷蔵庫に保存しているのですが、この大きさであれば冷蔵庫でも場所を取りませんし、ひとり暮らしで漬ける野菜の量も少ないので、これぐらいの大きさが重宝します。
どうやって野菜を漬ける?
実際の漬け方ですが、きゅうり、なす、大根などの水分が多い野菜を切ってぬか床の中に混ぜ込むだけです。すると、だいたい1日もすれば出来上がります。
食べる際に、ぬかは洗い流すという人もいますが、僕は乳酸菌やぬかに含まれているビタミンなどの栄養素がもったいないので、軽く手で払う程度にしています。
手入れとしては、1日に1度混ぜます。こうすることによって、ぬか床表面の酸素を好む菌と底のほうの酸素を嫌う菌といった、乳酸菌以外の菌が増えすぎるのを防ぐ効果があります。
このかき混ぜるのが面倒臭いという人もいますが、ぬか床愛好家になると、むしろこの行為が好きになってきます。
自分が乳酸菌を育てているのが、ペットを飼っているような感覚になり、ぬか床を混ぜた後の手の香りがたまらないというぐらいになったら、あなたも立派なぬか床使いですよ!