ぬか漬けは、発酵食品の中でも色々な食材を楽しめます。
おうち時間の増加も助けとなり、自分でぬか床を作り自作のぬか漬けを楽しんでいる方もいるでしょう。
しかし、ぬか漬けに入れてはいけないものを漬けてしまい、ぬか床の調子が悪くなることがあります。
また、ぬか床の調子が悪いけど、どう対応したら良いかわからないという方もいるかもしれません。
そこで、今回はぬか漬けに入れてはいけないものやトラブルへの対処法を説明します。
さらに、ぬか漬けに入れると美味しくなるものも合わせてご紹介しますので参考にしてください。
目次
ぬか漬けに使う食材の選び方
まずは、ぬか漬けに合う食材の選び方についてを確認しておきましょう。
実は、ぬか漬けは、基本的にはほとんどの食材を漬けることができます。
ぬか漬けに合う食材の特徴として次のようなことが挙げられます。
- 匂いが強くない
- 水分が適度にある
- 硬すぎない
つまり、このような特徴の食材ならばぬか漬けとして漬けることができるということになりますね。
例えば、きゅうり、なす、大根、人参などは定番の食材でしょう。
また、食材の下処理をすることでそのままでは使えない食材もぬか漬けにすることができます。
下処理の仕方は後ほどお伝えします。
その前にぬか漬けに入れてはいけない食材について確認しておきましょう。
場合によっては、ぬか床に悪影響を及ぼしてしまうこともあります。
入れてはいけないものの特徴を覚えておくことで上手にぬか床を保管できるようになるでしょう。
ぬか床に悪影響を及ぼす入れてはいけないもの
多くの食材がぬか漬けにすることができるとお伝えしました。
しかし、ぬか漬けに入れてはいけないものもあります。
場合によっては、ぬか床に悪影響を及ぼしてしまう食材もあるので気をつけてください。
そして、ぬか床に悪影響を与える入れてはいけないものは、次のようなものがあります。
- 匂いの強い食材:玉ねぎ・ニンニク・しょうが・ニラなど
- 水分の多すぎる食材:トマト・フルーツなど
- 生の肉や魚
匂いの強い食材は、ぬか床に匂いがうつる可能性があります。
また、水分の多い食材はぬか床の水分バランスが崩れてしまい状態が悪化するかもしれません。
生の肉や魚には、雑菌や寄生虫などがいる場合があります。
もし、漬ける時にはぬか床を小分けして別に漬けるようにしましょう。
そして、使い終わったぬか床は元に戻さず処分するようにしてください。
ぬか漬けに良く使われる食材
ぬか漬けに入れてはいけないものの特徴が、おわかりいただけたかと思います。
では、ぬか漬けに良く使われている安心食材についてもご紹介しておきましょう。
ぬか漬けに良く使われる食材には次のようなものがあります。
種類 | 食材 |
---|---|
根菜 | 人参、大根、ごぼう、長芋、里芋、カブ |
葉物 | 小松菜、大根の葉、白菜、キャベツ、セロリ |
実 | きゅうり、なす、みょうが、筍 |
さらに、最近ではちょっとチャレンジ精神を出して次のような食材をつける方も増えています。
- アボカド
- チーズ
- ズッキーニ
- パプリカ
- アスパラ
- 茹で卵
おしゃれな食材もぬか漬けにすることで健康にも良い食べ物に早変わりします。
ぬか漬けに使う食材の下処理
次は、ぬか漬けがより美味しくなるようなポイントについてご紹介していきます。
まずは、ぬか漬けに入れる食材の下処理についてです。
ちょっとした一手間で、ぬか漬けが美味しく仕上がるようになるでしょう。
では、ぬか漬けを美味しくする下処理の仕方を説明します。
そして、下処理の方法には次のような方法と効果があります。
下処理方法 | 効果 | 向いている食材 |
---|---|---|
塩揉み | アクや余分な水分を出す | ごぼう、人参、なす、小松菜など |
皮を剥く | 柔らかく仕上げる | ごぼう、アスパラ、里芋 |
茹でる | アク抜き・柔らかく仕上げる | アスパラ、ごぼう、筍、ブロッコリーなど |
水分を拭き取る | 余分な水分を減らす | 塩揉みした野菜、肉、魚 |
繊維質の強い食材は、一度火をとした方が漬かりやすくなります。
また、水分を拭き取る下処理は全般的にしておくと良いかもしれません。
ぬか床に入れると美味しくなるもの
次に、ぬか漬けがさらに美味しくなるように、ぬか床のレベルを上げてみましょう。
実は、ぬか床に一緒に入れておくと味が良くなる食材があります。
次のような食材をぬか床に一緒に入れておくと味が良くなります。
- 昆布
- 干し椎茸
- 鷹の爪
- 柑橘類の皮
- 山椒の実
- 生姜のスライス
このような食材をぬか床に足してあげることで味や保存性がアップします。
ただし、加える時には一つの食材ずつ加えるようにしましょう。
なぜなら、一度に複数の食材を加えるとぬか床のバランスを取ることが難しくなってしまうからです。
食材を足したら、1週間ほど様子や味を見てください。
そして、次を加えるようにすると失敗が少なくなるかもしれません。
ぬか漬け作りのトラブル例
ぬか漬けは、入れてはいけないものに気をつけていてもトラブルが発生してしまうことがあります。
そこで、ぬか漬けで起こりやすいトラブルとその対策について説明していきます。
ぬか床が水っぽくなる
- 原因
- ぬか漬けに使った食材の水分がぬか床に溜まってしまった。
- 対策
- ぬか床の隅に少し窪みを作ります。
- 水分が溜まってくるのでペーパーなどで拭き取る
- 塩を足して混ぜる
表面に白い幕のようなものができる
- 原因
- 乳酸菌が増えて産膜酵母というものが白い幕に見えている。
- 対策
- 乳酸菌が増えている証拠ですのでぬか床に混ぜ込んでしまって大丈夫。
ぬか床の匂いが異臭のように感じる
- 原因
- 産膜酵母が増えすぎたり乳酸菌のバランスが崩れることで起こる。
- 対策
- ぬか床をかき混ぜることで改善できることが多い。
- 匂いが治るまでは、食材を漬けることは控える。
- 塩を足すことで改善することもある。
ぬか床にカビが生えた
- 原因
- ぬか床の水分、塩分と乳酸菌のバランスが崩れている。室温の高い場所で放置しすぎ。
- 対策
- 表面に生えているカビが少ない場合は部分的に取り去る。
- ぬかと塩を足す。
- 捨て野菜を入れる。
- 捨て野菜を取り替えながら、ぬか床を定期的に数日間かき混ぜる。
- 注意
- カビが多い場合は、ぬか床を作り直した方が安全です!
酸味が強くなった
- 原因
- 乳酸菌が増えすぎた。
- 室温の高い場所で保管していた。
- たくさんの野菜をつけすぎてしまった。
- ぬか床をかき混ぜる回数が少ない。
- ぬか床の塩分が少ない。
- 対策
- ぬか床を休ませる(3日ほど)。
- 乳酸菌の繁殖を抑えるために冷蔵か涼しい場所(24℃以下)で保存する。
- 定期的にかき混ぜる。
- ぬかと塩を足す。
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ぬか漬けの上手な保存方法
ぬか漬けに入れてはいけないものとトラブルへの対策もわかりました。
さらに、ぬか床を美味しくしてくれる食材もご紹介したのでこれで美味しいぬか漬けを作ることができるでしょう。
しかし、できれば効率的に上手な保存ができればぬか漬けの手間も減らすことができるかもしれません。
そこで、ぬか漬けの上手な保存方法をご紹介しようと思います。
ぬか床のおすすめの保管場所
ぬか床は、基本的に25℃以下での保存が望ましいです。
理由としては、乳酸菌の繁殖力が温度に関係しているからです。
そこで、おすすめの保存場所が「冷蔵庫」での保管です。
冷蔵庫で保存することで、乳酸菌の繁殖がかなり遅くなります。
そのため、ぬか床の手入れで大変だと感じる「毎日かき混ぜる」行為が1週間で1回程度で良くなります。
また、繁殖を抑えることでぬか特有の匂いも軽減できます。
使わないぬか床の上手な保管方法
ぬか床が多くて余っている方もいるかもしれません。
しかし、使わないからといって、ぬか床を放置しておくとトラブルの原因に繋がってしまいます。
そこで、使わないぬか床の保存方法もご紹介しておきましょう。
余っていたり、使わない時のぬか床の保存場所は「冷凍保存」がおすすめです。
先ほどもお伝えした通り、ぬか床の乳酸菌の活動は保存温度に影響します。
そのため、乳酸菌の活動を止める簡単な方法が冷凍保存。
止めるというと語弊がありますが、ほとんど活動停止状態といっても良いでしょう。
また、冷凍で保存できる期間は3ヶ月ほどを目安にしてください。
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安心してぬか漬けを楽しもう
今回は、ぬか漬けで入れてはいけないものを説明しました。
そして、ぬか漬けに起こりやすいトラブルとその対策についてもご紹介しました。
ぬか漬けへの特性を理解することで食材選びもやりやすくなったのではないでしょうか。
また、ぬか床の状態をより良くしてくれる食材もご紹介しました。
これで、さらにレベルアップしたぬか漬けを作ることができるかもしれません。
ぬか漬けは、応用範囲の広い漬物です。
ぬか漬けの特徴や気をつけることを抑えることで安全で美味しい漬物を作ることができます。
さらに、腸内環境を整えてくれる乳酸菌の力も助けとなり健康になれるでしょう。
ぬか床育てと入れる食材選びでオリジナルのぬか漬けを作ってみても良いかもしれません。
今回の情報で、ぬか漬けがより身近になっていただければ嬉しく思います。