発酵食品と酵素の力で、いつまでもキレイで健康にくらす!
専門家インタビュー
美醸ラボトップコラム一覧 > 発酵食品のメリット5選!驚くべき効果と効果的な摂取法もご紹介

発酵食品のメリット5選!驚くべき効果と効果的な摂取法もご紹介

執筆者 安田あかり | 更新日:2023.12.4
発酵食品のメリット

納豆やヨーグルト、味噌や醤油といった発酵食品は、身体に良いというのはなんとなくイメージはつくと思います。

ご自身の健康・美容のためにも、発酵食品のメリット・デメリットなどを知った上で、毎日の食生活に発酵食品を取り入れたいですよね。

今回は発酵食品を取り入れるメリット・デメリットのほか、効果的な食べ方や発酵のメカニズムなどをご紹介します。

発酵食品について詳しく学んで、発酵食品をいつもの食事にプラスしてみましょう。

発酵食品を取り入れるメリット5選

発酵食品を取り入れるメリット5選

発酵食品を食べると身体に良いというのは、なんとなくイメージはつきますよね。

実は発酵食品を食べることで得られるメリットは主に5つあります。

  • 免疫力が高まる
  • 便秘が改善される
  • 活性酸素を抑える
  • 生活習慣病予防につながる
  • ストレス軽減につながる

これらのメリットの大部分は、「発酵食品が腸内環境を整える」ことから得られるものです。

「発酵食品を食べる」→「発酵食品に含まれる菌が腸に届く」→「腸内環境が整えられる」といったプロセスがあります。

つまり、腸内環境が整うことで、さまざまな健康効果が得られるということです。

免疫力が高まる

発酵食品を食べて、腸内環境が整えられることで、免疫力が高まるメリットがあります。

人間の身体は、外部から侵入してきたウイルスや異物を排除する免疫細胞によって守られており、免疫細胞の約70%は腸の中に存在します。

つまり腸は、身体の中で最も大きな免疫機構を持っている器官であり、腸内環境が良い状態であれば、免疫力も良い状態と考えられます。

また、腸内にはさまざまな菌が存在し、免疫細胞を活性化させる有用菌も存在するので、有用菌を増やすことで、さらに免疫力がアップします。

便秘が改善される

発酵食品を取り入れることで、便秘改善につながるというメリットがあります。

人間の腸内には100兆個にも及ぶ腸内細菌が存在しています。

腸内細菌を分類すると、人間の身体に有益なはたらきをする「善玉菌」、悪い働きをする「悪玉菌」、どちらにも属さない「日和見菌」の3つが挙げられます。

理想的なバランスとしては善玉菌:悪玉菌:日和見菌=2:1:7で、腸内細菌のバランスが保たれることで、菌の活動が活発になります。

腸内環境が整えられると、腸のぜん動運動が活発化し、不要な物質が排出されやすくなり、便秘改善につながります。

活性酸素を抑える

発酵食品を取り入れると、発酵食品に含まれている物質が活性酸素を抑えるメリットがあります。

人間は呼吸することで酸素を身体に取り入れていますが、取り込んだ酸素の一部は、活性酸素に変化し、老化の原因になってしまいます。

活性酸素は老化の原因になるだけでなく、がんなどの病気につながる原因にもなります。

発酵食品には、抗酸化物質であるビタミンCやカロテン、ポリフェノールが多く含まれています。

これらの抗酸化物質が、体内の活性酸素を除去してくれます。

生活習慣病の予防につながる

発酵食品によっては、生活習慣病予防に役立つ機能を持っているものがあります。

味噌や醤油、納豆などの大豆発酵食品には、血管中の悪玉コレステロールを吸着・除去するはたらきや高血圧を予防する作用があります。

ストレス軽減につながる

発酵食品に含まれる成分がストレス軽減につながるというメリットもあります。

味噌や納豆、ぬか漬けやキムチといった発酵食品には、アミノ酸の1種であるGABA(ギャバ)という物質が含まれています。

GABAは脳において神経伝達物質としてはたらき、イライラを抑えて、リラックスさせる抗ストレス作用があるとされています。

発酵食品を取り入れるデメリット3選

発酵食品を取り入れるデメリット3選

発酵食品を食事に取り入れることで、さまざまなメリットがあります。

しかし、逆に以下の3つのようなデメリットもあります。

  • 塩分過多になる
  • 脂質の摂りすぎにつながる
  • 消化不良や下痢を引き起こす可能性がある

いずれも、発酵食品を食べ過ぎた場合に起こるものです。

いくら身体にはいいとはいえ、適量をとることが重要です。

塩分の過多になる

発酵食品を食べ過ぎてしまうと、塩分の過剰摂取になる場合があります。

発酵食品は製造過程において、塩分を加えるものが多いです。

そのため、食べ過ぎることで塩分過多になり、むくみや高血圧の原因になってしまいます。

脂質の摂り過ぎにつながる

ヨーグルトやチーズなど乳製品の発酵食品は、食べ過ぎてしまうとおのずと脂質過多になってしまいます。

乳製品は動物性の脂質を多く含むので、エネルギーも高いです。

ヨーグルトであれば、食べる量を1日100~200gを目安にしましょう。

カロリーオーバーにもつながりますので、食べ過ぎには注意です。

消化不良や下痢を引き起こすかも

発酵食品を食べすぎることで、体質による個人差はありますが、消化不良や下痢を引き起こす場合があります。

発酵食品は腸内環境を整えるはたらきがあります。

しかし、過剰に食べると腸内の善玉菌と悪玉菌のバランスが崩れ、消化不良や下痢を引き起こす原因になります。

オススメ記事

発酵食品でアレルギー体質を改善できる?腸内環境を整えて毎日を元気に!

発酵食品は、実はアレルギー体質改善のカギになるのです。アレルギー症状を軽減する方法の一つは腸内環境を整えること。発酵食品は腸内のバランスを整え、健康的な生活をサポートしてくれます。管理栄養士が教える効果的な食品や簡単レシピも参考にしてください。


記事を見る

発酵させることで起こる食品の変化3つ

発酵させることで起こる食品の変化③

発酵食品は食べると効果を感じられるのはもちろん、食品自体にも以下のような変化をもたらします。

  • 食品の保存性が上がる
  • 味わいや香りがアップする
  • 栄養価や栄養吸収率がアップする

次から詳しく説明していきます。

食品の保存性が上がる

食品を発酵させることで、腐敗せず食材の保存性が増します。

例えば、腐りやすい牛乳も発酵させることでチーズになり、長く保存ができます。

発酵をうながす微生物が存在することで、雑菌などの腐敗をうながす菌が増殖できません。

また、発酵によって微生物が生み出す乳酸や酢酸、アルコールなどが殺菌剤としてはたらきます。

味わいや香りがアップする

食品を発酵させることによって、味や香りが変化し、食べやすくなるというメリットもあります。

微生物によって食材が分解され、分解する過程でうま味のもとであるアミノ酸が生成されるためです。

また、香りも発酵によって二次的に生成されます。

例えば、みりんは麹菌によって製造されますが、みりんに甘味があるのは、原料に含まれるでんぷんが麹菌によって分解されるためです。

栄養価や栄養の吸収率がアップする

食品を発酵させることで、もともと含まれる栄養価がアップしたり、栄養の吸収が良くなったりします。

例えば大豆が原料である納豆は、ビタミンB₂が茹で大豆の約7倍、葉酸は約3倍にアップします。

栄養価がアップする理由としては、微生物が発酵する過程で二次的にビタミンを生成するためです。

また、納豆や味噌は、原料である大豆よりもイソフラボンが体内に吸収されやすくなることが分かっています。

発酵食品の効果的な食べ方

発酵食品の効果的な食べ方

発酵食品を食べることによるメリットを最大限にするためにも、食べ方にも注意したいところです。

発酵食品を効果的な食べ方を3つまとめました。

  • 毎日適量を継続して食べる
  • 複数の食品を組み合わせる
  • 食べ過ぎに注意する

毎日適量を継続して食べる

発酵食品は毎日継続して食べることで、健康的なメリットを実感できます。

「1回食べただけ」「食べてすぐ」では効果が得られるわけではありません。

長期的に毎日食べているうちに、効果を実感できるでしょう。

複数の発酵食品を組み合わせる

複数の発酵食品を組み合わせて食べることで、効果が高まります。

例えば「納豆とキムチ」「味噌とチーズ」などです。

お互いが持っていない菌や成分を補い合うことで、より整腸効果が高まります。

食べ過ぎに注意する

発酵食品を適量食べる分には問題はありませんが、食べ過ぎには注意しましょう。

味噌や醤油、漬物など、発酵食品によっては塩分が多い食品がありますので、食べ過ぎると塩分の摂り過ぎにつながります。

おすすめの発酵食品

おすすめの発酵食品

発酵食品が身体に良いということが分かった上で、ここではおすすめの発酵食品をご紹介します。

  • 納豆
  • 味噌
  • 塩麹

納豆

納豆はとくに調理も必要なく、そのまま食べられる便利な発酵食品です。

納豆に含まれる納豆菌は、熱やサンに強い性質があるので、生きたまま腸まで届き、腸内細菌の活動を活性化させます。

また、原料である大豆には、腸のぜん動運動を活発にする不溶性食物繊維や免疫細胞のはたらきを活性化させるサポニンが含まれています。

さらに納豆には血栓を溶かすはたらきがあるナットウキナーゼという酵素が含まれており、血液をサラサラにする効果もあります。

味噌

味噌は大豆を麹菌で発酵させた食品です。

味噌に含まれるメラノイジンという色素成分は強い抗酸化作用を持つので、細胞の老化を防いで、免疫細胞のはたらきを活性化させます。

味噌は味噌汁をはじめ、私たちの食生活にもなじみのある調味料なので、手軽に摂取できるところが利点です。

塩麹(しおこうじ)

塩麹は麹からできる調味料です。麹とは、米や麦、豆類を蒸したものに麹菌を添加して発酵させたものです。

塩麹に含まれる酵素が肉や魚をやわらかくし、うま味をアップさせるため、万能調味料として広く使われています。

また、塩分も通常の塩よりも少ないので、少ない塩分量でありながら、うま味やコクを出すことができ、料理にとても使いやすいです。

発酵のメカニズム

発酵とは微生物が有機物を分解して、別の物質に変化させることです。

微生物が持つ酵素が食品中のたんぱく質や炭水化物を分解して、アミノ酸やブドウ糖に変化させます。

その分解の過程で、微生物自身が必要なエネルギーや成分を取り込み、残った産物が人間にとって有益なはたらきをします。

発酵と腐敗の違い

発酵と腐敗はいずれも食品に微生物が増殖することによって起きる変化のことです。

大きな違いとしては、食べられるものか食べられないものか、または人間にとって有益なものか有害なものかの違いです。

発酵に欠かせない微生物の種類

発酵に欠かせない微生物の種類

発酵食品に欠かせない微生物は、主にカビ・酵母・細菌に分けられます。

さらに細かく分けると発酵食品に用いられる微生物は以下のようなものが挙げられます。

  • 乳酸菌
  • 納豆菌
  • 麹菌
  • 酢酸菌
  • 酵母菌

乳酸菌

乳酸菌は糖類を分解し、乳酸を生成する細菌の一種です。

乳酸が生成されると、pHが酸性に傾くため、酸性下で増殖できない食中毒菌は抑制されます。

主にヨーグルトやチーズ、漬物などが乳酸菌によって製造され、独特の酸味やうま味を生み出しています。

また、乳酸菌は腸内の善玉菌の代表格であり、腸内環境を整え、便秘改善や免疫力を高めるはたらきをしています。

納豆菌

納豆菌は細菌の一種で、納豆の製造には欠かせない菌です。

納豆菌は乾燥や熱、酸にとても強く、胃酸にも負けないことから、生きたまま腸まで届き、善玉菌を活性化させ、腸内環境を整えてくれます。

麹菌

麹菌はカビの一種で麹を作るための菌です。日本をはじめとした湿度の高い東南アジアや東アジアにしか生息していません。

麹菌はたんぱく質・でんぷん・脂質を分解する酵素を生成するので、食材をやわらかくしたり、うま味を引き出したりします。

麹菌によって、味噌・醤油・みりん・酢など、日本ならではの調味料などが製造されています。

酢酸菌

酢酸菌はアルコールを酢酸に変える細菌で、酢の製造には欠かせない菌です。

お酢特有のツンとした酸味と香りは、酢酸菌が作る酢酸由来のものです。

酢酸菌が作る酢酸は防腐や殺菌のはたらきがあり、雑菌などを増殖させない環境を作ります。

酢酸菌の体内でのはたらきとして、腸内にある免疫機構にはたらきかけ、花粉症などのアレルギー症状を抑えます。

酵母菌

酵母菌は糖をアルコールと炭酸ガスに分解する微生物で、植物や野菜の表面、空気中などに存在します。

アルコール発酵をおこなうので、古くからお酒の製造に使われてきました。

また、パン作りにも酵母(イースト)が使われ、酵母が発酵の際に生成する炭酸ガスがパン生地を膨らませます。

手作りの発酵食品が注目されている

手作りの発酵食品が注目されている

スーパーで買うものだった発酵食品は、最近では「自作するもの」という流れになってきました。

コロナ禍以降は健康への意識が高まり、免疫力を上げる発酵食品が再び注目が集まったことと、家での時間が増えたことが背景だと言われています。

家電メーカーが「ヨーグルトメーカー」を販売したことにより、ヨーグルトを自作する家庭が増えました。

また、ぬか漬けもぬか床を作る過程が手間ですが、無印良品がパックタイプの「発酵ぬかどこ」を販売し、「気軽にぬか漬けが漬けられる」ということで人気の商品になりました。

まとめ

この記事では、発酵食品のメリットやデメリット、効果的な食べ方などをご紹介しました。

発酵食品を毎日の食事に少しプラスするのは、難しくはないことですし、得られる健康的なメリットはとても魅力があるものばかりです。

ただ、身体に良いからといって発酵食品の食べ過ぎると別の問題がありますので、適量を上手に取り入れて、健康に役立てていきましょう。

オススメ記事

腸の健康をぬか漬けで守ろう!効果的な腸活のコツ

ぬか漬けは腸活をするなら必ず食べてほしい一品。薬剤師の著者が、腸活に最適なぬか漬けについてご説明します。今日からお手軽に食生活に取り入れられますよ。食べるべきぴったりなタイミングと、摂取量も合わせてご紹介します。


記事を見る

発酵食品のメリット

この記事が気に入ったらシェア!しよう

googleplusシェアする

FacebookやTwitterで更新情報を手に入れよう!

いいねする フォローする
執筆者
安田あかり

管理栄養士資格を取得後、有料老人ホームや大学に勤務。 有料老人ホームでは、献立作成や食材発注業務を経験。 その後、管理栄養士学科のある大学の助手として、管理栄養士を目指す学生へのサポートに尽力しておりました。 また、スキルアップのため、フードコーディネーター2級の資格も取得。 現在はWebライターとして「根拠のある内容を分かりやすく伝える」を意識し、ためになる情報をお伝えします。

この執筆者の記事を読む この執筆者の記事を読む

美醸ラボとは美醸ラボとは

30~50代の女性を対象に、キレイと健康の情報を提供するサイトです。 「ダイエット」「アンチエイジング」「更年期障害」の3つを柱として、専門家からのアドバイスや役立つ情報を紹介します。  とくに「発酵食品」と「酵素」に注目します。味噌、醤油、麹など伝統的な日本食に美と健康のヒントを発見するとともに、「酵素」のパワーを積極的に取り入れることを提案します。 30~50代の女性を対象に、キレイと健康の情報を提供するサイトです。 「ダイエット」「アンチエイジング」「更年期障害」の3つを柱として、専門家からのアドバイスや役立つ情報を紹介します。  とくに「発酵食品」と「酵素」に注目します。味噌、醤油、麹など伝統的な日本食に美と健康のヒントを発見するとともに、「酵素」のパワーを積極的に取り入れることを提案します。 発酵食品とは発酵食品とは 酵素とは酵素とは 更年期障害とは更年期障害とは

おすすめタグおすすめタグ

タグ一覧はこちら

人気記事ランキング人気記事ランキング

執筆者一覧執筆者一覧 キャラクター一覧キャラクター一覧 twitterでフォローするtwitterでフォローする

監修

監修

圓尾和紀(まるお・かずき)

管理栄養士。静岡県立大学で修士号を取得後、管理栄養士として総合病院に勤務。現在は独立し、日本の伝統食とファスティングの良さを伝える活動に携わる。メディア出演多数、著書 『一日の終わりに地味だけど「ほっとする」食べ方』(2017年)。

(c) AiTRIGGER Inc.