「腸活して健康できれいになりたいけれど、なにからはじめたらいいかわからない」
「とにかく手軽さが一番。ぬか漬けは簡単は腸活に役立つかしら?」
そのように腸活が気になっている方も多いのでは。
この記事は、3人子育て中の薬剤師、薬膳アドバイザーが腸活におすすめのぬか漬けについてご紹介します。腸活は健康や美容のメリットがたっぷりです。ぬか漬けは、子どもをはじめ誰にでも食べやすく、その種類のバリエーションも豊か。手軽に食べられるので腸活にとてもおすすめです。自分で作る場合も、簡単に自家製ぬか漬けができますよ。子どもと一緒に漬けてみるのもいいですね。
目次
ぬか漬けは腸活にぴったり!
腸活におすすめな食品として、「ぬか漬け」が注目を集めています。以下で腸活とぬか漬けについてご説明しますね。
腸活とは
腸活とは、腸内環境をより良い状態にするために、食事に気をつけたり必要な運動をしたりする活動です。
「腸内環境が良い」とは、腸内にいる細菌の量のバランスが保たれていることを指します。
わたしたちの腸内には、善玉菌と悪玉菌が存在し、バランスが乱れるとさまざまな不調が引き起こされる可能性があります。
そのため、腸内環境を整えることで善玉菌を増やし、悪玉菌の増加を防ぎましょう。
腸内環境が整うと便秘の解消が期待できるだけでなく、新陳代謝促進や栄養吸収率が高まります。善玉菌が増えることで免疫力が向上し、さらに美容や健康にも良い影響を与えるのです。
ぬか漬けとは
ぬか漬けは日本の伝統的な発酵食品で、野菜を「ぬか床」に漬け込んで作る漬け物です。
善玉菌が豊富に含まれており、腸内環境を整える「腸活」にぴったりの食品とされています。
ぬか漬けの主な善玉菌の種類は、乳酸菌、酪酸菌、酵母菌です。それぞれに腸内環境を整える効果がありますよ。
乳酸菌は腸内で活動し、善玉菌のバランスを整え、酪酸菌は乳酸菌と協力して腸内環境を整える役割を果たします。乳酸菌が生成した乳酸を酪酸菌が分解することで、腸内の酸性度が適切に保たれ、善玉菌の活動をサポートします。
酵母菌は腸内で発酵を促進し、腸内環境を整える効果が期待されます。
ぬか漬けが腸活におすすめな理由
腸活には、ぬか漬けがおすすめです。以下に、ぬか漬けの腸活に役立つメリットをご紹介します。
善玉菌が豊富
ぬか漬けには乳酸菌、酪酸菌、酵母菌などの善玉菌が豊富に含まれています。
これらの菌が腸内環境を整え、便秘の解消を促進。さらに、善玉菌が悪玉菌の繁殖を抑えるので、免疫力向上や美肌効果も期待できます。
栄養価が高くダイエット効果も
ぬか漬けにすることで、野菜の栄養素の量が増えるものがあります。
きゅうりの場合でみてみると、カリウムは約3倍、ビタミンB1は約8.7倍も増加しています。
カリウムは余分なナトリウムを体から排泄する働きがあります。また、ビタミンB群は糖質の代謝に欠かせない栄養素です。糖質をエネルギーに変換するのを助けてくれるので、ダイエットにも役立ちます。さらに、ビタミンC、ビタミンK、ナイアシンなどの栄養素も増加。同じ野菜を食べる場合も、ぬか漬けにした方が栄養価が高く、腸活におすすめな食材です。
また、野菜で作られたぬか漬けは低カロリーな場合が多く、食物繊維も豊富。食物繊維は善玉菌のエサとなり、腸内環境を健やかに保ちます。満腹感を得られつつ健康的なダイエットにつながるでしょう。
【きゅうりと大根の栄養素の変化】
100gあたり | カリウム | ビタミンB1 | ビタミンB2 | ビタミンB6 |
---|---|---|---|---|
きゅうり (生) | 200mg | 0.03mg | 0.03mg | 0.05mg |
きゅうり (ぬか漬け) | 610mg | 0.26mg | 0.05mg | 0.20mg |
大根 (生) | 230mg | 0.02mg | 0.01mg | 0.04mg |
大根 (ぬか漬け) | 480mg | 0.33mg | 0.04mg | 0.22mg |
※参考:文部科学省「食品成分データベース」
手軽に食べられる
ぬか漬けは毎日の食事やおつまみとしても取り入れやすく、スーパーでさまざまな種類を購入できます。
自分で作る場合も、意外にも手軽で簡単です。スーパーでぬか床やぬか漬けの素を手軽に購入できますよ。冷蔵庫に保存しておけば、毎日手軽に食べることができますね。
さらに、自家製の場合は、自分好みの野菜を選んで漬けることができるので、楽しく腸活に活用することができるでしょう。
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ぬか漬けの作り方
自宅でできるぬか漬けの作り方をご紹介します。
常温でなく、冷蔵庫で保管する方法なので扱いやすいですよ。はじめにぬか床を作り、本漬けにすすみましょう。
ぬか床の作成
材料(作りやすい分量)
- 米ぬか
- 1kg
- 粗塩
- 130g(米ぬかの重さの13%)
- 水
- 1000cc(米ぬかと同じ重さ)
- 赤唐辛子(種を除く)
- 1~2本
- 昆布
- 5cm角 4枚
- 野菜くず
- (1回分が約100g)×3~4回分
ぬか床の作り方
- 鍋に水を入れて火にかけ、沸騰したら粗塩を加え、木べらで混ぜて煮て溶かす。火を止めて冷ましておく。
- 鍋にぬかを入れて弱火にかけ、ぬかのにおいが香ばしくなり、薄いきつね色になるまで炒って、冷ましておく。
- 冷ました塩水を3回に分けて加え、手で混ぜる。
※塩を完全に水に溶かしてからぬかと混ぜることで、全体がまんべんなく混ざります。 - ぬか床に野菜くず(捨て漬け用)を入れ表面を手で平らにして空気を抜き、冷暗所に保存する。捨て漬けの間は常温に置き、1日2回程度かき混ぜる。
本漬の方法
漬け方
- 捨て漬け野菜を取り出し、水で洗って水気をふき取る。
- 野菜の表面を粗塩でこすり、漬ける野菜をぬか床に埋め込む。ぬか床は冷蔵庫か野菜室に保存する。
- 本漬けの漬け時間は冷蔵庫で20~48時間。
※1日1回か2回かき混ぜると発酵が進みます。 - 本漬けが終わったら野菜を取り出し、水で洗って食べやすいサイズにカットする。
ぬか床の手入れ
毎日の手入れは必要なく、1週間に1日は常温に置くと発酵を促進できます。
野菜による漬ける時間の目安
野菜によって漬ける時間が異なります。以下がその例です。
- 茄子:常温で1日、冷蔵庫で2〜3日。
- 人参:常温で2日、冷蔵庫で2〜3日。
- キャベツ:常温で2日、冷蔵庫で3日。
- 大根:常温で1日半、冷蔵庫で2〜3日。
- ごぼう:常温で2日、冷蔵庫で3日。事前に堅めに茹でる必要がある。
- かぶ:常温で1日、冷蔵庫で2〜3日。
- スイカの皮:常温で半日、冷蔵庫で1日。
- みょうが:常温で1日、冷蔵庫で1〜2日。浅漬けの場合は半日程度。
- パプリカ:常温で半日〜1日、冷蔵庫で1〜2日。
- アスパラガス:常温で1日、冷蔵庫で2日。
野菜を漬ける時間は、野菜の大きさや切り方、好みによって変わります。野菜を加熱したり、切り込みを入れると早く漬かる傾向があります。
何度か試してみて、自分の好みに合った漬け具合を見つけましょう。
ぬか漬けで腸活をしてみた【ある1日の例】
腸活におすすめの1日の食事と過ごし方をご紹介します。
バランスの取れた食事と運動、リラックスした時間を取り入れることで、健康な腸内環境を促進できますよ。
腸活生活のとある1日
朝
朝起きたら、まずはコップ一杯の白湯。
その後、5分間程度の軽いストレッチを行い、からだをほぐしました。
朝食はバランスを意識した食事に。
- 雑穀ごはん
- きゅうりのぬか漬けを1切れ
- 大根とわかめの味噌汁
- 納豆
- ヨーグルトとキウイフルーツのグリーンスムージー
食後に気持ちを整えるために静かに5分間深呼吸を行いました。
昼
昼食は野菜たっぷりでタンパク質をしっかり摂れるメニュー。
- ナスのぬか漬け入りドレッシングのカラフルサラダ
- 鶏むね肉とキムチのチーズダッカルビ
- おから入りニラチヂミ
- 人参のぬか漬けを1切れ
食後に10分程度の軽い散歩を行い、リフレッシュしました。
おやつ
おやつは腸に優しいものを選びます。この日は、オリゴ糖とブルーベリー入りプレーンヨーグルト。
そのほかにおすすめは
- 軽く焼いた全粒粉クラッカーにはちみつとミックスナッツ
- しょうが入りの甘酒
- フレッシュな果物入りのビネガードリンク
- 発酵あんこのきなこ入りお汁粉
など。おやつを食べた後に、気分を切り替えるために5分間の瞑想を行い、心を落ち着かせました。
夕方
夕食はなるべく早めの時間に、軽めのバランスを考慮した食事を摂りました。
- 味噌だれの鮭ときのこのホイル包み焼き
- さつまいもとかぼちゃの甘酒煮
- 玄米ご飯
- 大根のぬか漬け 2枚
食後はだらだらせずに軽い運動をかねて食事の後片付けを。
ときには短い時間散歩したり、消化を助ける運動をします。
就寝前
寝る前にゆったりとお風呂に入り、リラックスしました。お風呂の中でも、腸もみマッサージをして腸活に励みました。
お風呂後は、からだが温まっているので、ストレッチやヨガを行い、体をほぐします。
読書や瞑想などで心を落ち着かせてから就寝しました。
毎日の食事や運動、リラックスタイムを大切にすることで、腸活がより効果的になります。
また、一日を通して適度に水分を摂るように心掛けましょう。腸内環境を整えるためにも、水分は欠かせない要素といえます。
ぬか漬けを食べる量ですが、ぬか漬けに含まれる塩分量は比較的多いです。
たとえば大根のぬか漬け100gには約3.8gの塩分が含まれており、きゅうりのぬか漬け100gには約5.3gの塩分が含まれています。そのため健康を考慮したうえでの1日の適量は、20g程度(2〜3切れ)が目安です。おいしくてついつい食べすぎてしまいますが、量が多くなりすぎないように注意しましょう。
ぬか漬けで腸内環境を整えよう!
腸活にはさまざまな方法があります。その中でもぬか漬けは、腸内環境を整える腸活をするうえで優れた食品です。ぬか漬けに含まれる乳酸菌や食物繊維が腸をきれいにし、健康や美容にいい影響をもたらします。
塩分の摂りすぎには注意しながら、毎日の食事に取り入れてみてはいかがでしょうか。
そして、ぬか漬けを始めとした健康習慣を取り入れることで、健やかでキレイな腸内環境で元気な毎日を送りましょう。
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