「いつまでも若々しく美しくありたい」というのはすべての女性の共通の願いではないでしょうか。見た目の若々しさを決める上で大きな要素となるのが肌です。年齢とともに衰える肌を綺麗に保つためには、外からのケアも大事ですが、体の内側からのケアも忘れてはいけません。
私の知人の女性で、元美容部員の現在40代の方がいますが、肌がとても綺麗です。そんな彼女も化粧品ではなく、食べものにお金を使うようにしていると話しています。「肌は内臓の鏡」と言われる通り、特に腸内環境の状態が鍵となります。そこで今回は、アンチエイジングと食事の関係を紐解いていきたいと思います。
目次
肌を生まれ変わらせる栄養素は腸から吸収される
そもそも、なぜ肌と腸内環境は関係しているのでしょうか。肌の細胞というのはターンオーバーと言って、日々入れ替わりをしています。その肌の細胞が新しくなる上で必要なものが栄養素です。
そして、栄養素を吸収している場所が腸です。つまり、腸の中が汚れてしまうと機能が衰えてしまい、うまく栄養が吸収できなくなってしまい、結果として肌がうまく生まれ変われなくなるのです。
悪玉菌が作った毒素が美肌の邪魔をする
腸の中には100兆個とも言われる腸内細菌が住んでいます(重さだけで、なんと1〜2kgにも達します!)。腸内細菌は善玉菌と悪玉菌がおり、この悪玉菌が多くなると、インドールやスカトール、硫化水素といった有害物質を作り出してしまいます。
そして、これらの有害物質は腸から吸収され、血流に乗って全身に運ばれます。これがニキビや肌荒れの原因になると言われているのです。
腸の状態は便などで判断
腸内環境を知る手立ては、日々の排便です。排便は文字通り、体からの便り。便秘の状態にあると腸内環境も良くない状態にあることが多いです。また、便が臭うのは、腸の中で有害物質がたくさん作られていることの表れです。
加えて、腸は免疫機能も担っているため、すぐに風邪を引いて体調を崩すという人も、腸の機能が弱っている可能性が考えられます。
腸の健康を担う栄養素「食物繊維」
では、腸の調子を整える食事とはどういうものでしょうか。まず挙げられるのが食物繊維です。食物繊維は水溶性と不溶性に分かれます。
水溶性の食物繊維は、腸の中で発酵すると善玉菌の活動を後押ししてくれ、不溶性の食物繊維は水分を吸収して便のかさを増やし、排便を促してくれます。
日本の食事摂取基準では、女性は1日に18g以上の食物繊維を摂取することが目標になっていますが、平成26年の国民健康栄養調査によると、実際は12g程度しかとれておらず、全然足りていないのが現状です。
食物繊維を含む食べものとは
食物繊維を多く含む食品は、野菜や果物、海藻、きのこ類です。一方、肉や魚、卵、乳製品にはほとんど含まれていません。日本人が昔から食べてきた和食は食物繊維を多くとれる食事でしたが、欧米化した食事で摂取量が減っている面があります。
また、糖質を制限する人が増えてお米を食べなくなっていることも問題です。お米にも食物繊維が含まれているからです。玄米には白米の約5倍の食物繊維が含まれるなど、未精製の穀物には食物繊維が多いです。
玄米が食べにくい場合は、分搗き米や雑穀米などにするのも良いでしょう。ちなみに私は白米ではなく、三分搗き米を食べています。同じ量のごはんを食べていても、栄養素が何倍もとれるなんて、お得ですよね。
腸の善玉菌が喜ぶ発酵食品
食物繊維と合わせてとりたいのが発酵食品です。発酵食品に含まれる乳酸菌やその他の菌は、腸の中で善玉菌のエサとなったり、悪玉菌の活動を抑える働きがあります。
発酵食品といえば、ヨーグルトを思い浮かべる方も多いと思いますが、ヨーグルトに含まれる動物性の乳酸菌よりも、ぬか漬けなどの発酵して作った漬物や味噌などに含まれる植物性の乳酸菌の方が、胃液や腸液にも負けず、機能が高いことがわかっています。
日本は世界一とも言えるほど発酵食品が発達した国です。この気候が生んだ恵みを活用すれば、日々手軽にアンチエイジングに繋がる食事ができます。
自宅にぬか床があれば、野菜を切って入れるだけで自家製のぬか漬けが作れます。市販のものは添加物が入っているものも多いので、自分で作ることができれば安心ですよね。ぬか漬けを食卓に並べる習慣がつけば、食物繊維の摂取量増加にもなって一石二鳥ですよ。
外からのケアだけで作る美容ではなく、食べものによって体の内側からケアし、アンチエイジングに取り組めば、同時に女性の体の健康づくりにもなります。ぜひ、体の中を磨いていきましょう。