「臭い!」「嫌い」というアンチの声もなんのその。パクチーを使った商品が続々登場し、昨年末にはぐるなび総研による「今年の一皿」Ⓡに選ばれ、一躍国民的スターになったのが(大げさ?)、パクチー!
日本ではあまり馴染みがなかったが、1990年代のエスニックブームで食材としてのパクチーが広く知られるようになり、再び現在人気再燃中というわけだ。
そんな大注目株のパクチーだから、このところ、仕事で使う機会が急増。栄養成分や香り成分、その効果について調べることも増えたので、今回はパクチーのパワーについて紹介しよう。

うちのベランダにはパクチーが育っています! ちょこっとつまんでトッピングに便利です
パクチーの栄養成分はまだ食品成分表に掲載されていないので、食品メーカーに取材したところ、下記の成分がしっかり含まれていることが判明!
①カリウム
②β-カロテン
③ビタミンC
④鉄分
⑤ビタミンB1、B2
カリウムは、ご存じのとおり体内の余分な水分を排出させ、むくみや冷えを改善する働きがある。カリウムは熱に弱いので、意外と不足しがち。フレッシュなパクチーで摂れば効果的だ。

パクチーは根っこを切り離して水に浸し、シャキッとさせてから刻んでタッパーに入れて保存を。上下に湿らせたペーパーを敷いておくと長持ちします。
βカロテン、ビタミンCは美肌作りに欠かせない成分。パクチー100g(1束)にβ-カロテンはカボチャやほうれん草と同程度、ビタミンCもレモンと同程度含まれ、最近の研究結果では、トマトの7倍もの抗酸化力があることも判明! 血液サラサラ、アンチエイジングにもぜひ活用を。
鉄分は吸収率が悪く、男女を問わず不足しがちな栄養成分。パクチー100g(1束)には納豆2パック分もの鉄分が含まれており。おまけに吸収率を高めるビタミンCも一緒に摂れるという優れもの! 貧血気味、疲れやすい、顔色が悪いという人におすすめだ。
ビタミンB1、B2は代謝アップに必須。パクチーに含まれる量はそれほど多くないが、こまめに摂るにはぴったり。麺類や肉料理のトッピングにぜひ!
気になる香り成分のパワーについては、まだまだ研究が進んでいる段階だが、ヒ素の毒性を軽減、排泄作用があることが判明。東南アジアでは、ヒ素による健康被害が問題になっているが、パクチーをたくさん食べるベトナムではその被害が少なく、それを元に研究を進めた結果なので、人体への効果も間違いないと考えられている。香り成分は葉より茎、さらに根の表面部分に多く含まれているので、茎も根も料理に活用しよう。

根っこが一番香り成分が多い! ニンニク感覚で刻んで料理に使えます
ちなみに、コリアンダーシード(パクチーの種でスパイスの一種)は、甘く爽やかな香りで、アロマセラピーでは、気分を高揚させたり記憶力を高める働きが期待される。さらに、肌の保湿成分であるヒアルロン酸の分解を抑制する働きもあるので、美肌効果も期待大。興味のある人はアロマオイルを要チェックだ。
パクチーがカラダによい効果を持っているのは正真正銘事実! 嫌いじゃないなら、トッピングから主役まで、色々な料理で楽しんでみては?

大好物はタイ料理の春雨サラダ、ヤムウンセン。刻んだパクチーをどっさりのせると美味しい!
もうひとつ、ご報告。制作を担当したパクチーの本が完成しました! 栄養のことからお手軽料理、パクチーのお酒やフードカタログまでをドンと紹介した一冊まるごとパクチー本 (エイムック 3666)。こちらも興味のある方は、ぜひ見てみて下さい!