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味噌の栄養を徹底分析!美味しいだけではない驚くべき健康効果とは

執筆者 中山直紀 | 更新日:2023.12.2
味噌の栄養を徹底分析!美味しいだけではない驚くべき健康効果とは

味噌は、昔から日本人にとって欠かせない食品です。
しかし、一時は減塩ブームなどで嫌厭された時期もありました。

最近では、その栄養効果の高さが再び注目を集めています。

ところで、味噌にはどのような栄養が含まれているのでしょうか。
また、それらの栄養がどのような健康効果に繋がるのか気になるところです。

そこで、味噌の五大栄養素から細かな栄養の比較をご説明します。
そして、味噌がもたらしてくれる健康効果についてもご紹介しましょう。

味噌は食育の「五大栄養素」が豊富

味噌は食育の「五大栄養素」が豊富

私たちが生命活動を営むために必要な成分を五大栄養素と言います。
そして、5つの成分には、タンパク質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラルがあります。

次に味噌が、どの五大栄養素を含んでいるかを確認しておきましょう。
味噌に含まれている五大栄養素には次の成分が含まれています。

  • タンパク質
  • 脂質
  • 炭水化物
  • ビタミン
  • ミネラル

なんと、味噌は、五大栄養素の全てを含んでいることになります。

実は、これだけの栄養を含んでいる食品はそれほど多くはないのです。
毎日食べる食品で五大栄養素を取ることができるということは、とても効率的でしょう。

また、食品を3つのグループに分けた三色食品群というものがあります。
三色とは「赤」「緑」「黄」です。
それぞれのグループは、次の要素で分けられています。

三色食品群

赤:主にタンパク質やカルシウムを含む食品群で、体を作る元になる食品。
魚・肉・卵・大豆・大豆製品・牛乳・乳製品・海藻・小魚がこれにあたります。

緑:主にカロテンやビタミンCを含む食品群で、体の調子を整える食品。
緑黄色野菜・淡色野菜・キノコ類・果物がこれにあたります。

黄:主に炭水化物や脂質を含む食品群で、体のエネルギー源になる食品。
穀類・芋類・砂糖類・食用油・ナッツ類がこれにあたります。

三色食品群の中で味噌は、「赤」の食品群で骨や筋肉をつくる食品となります。
しかし、味噌は体を作る元になる食品という位置づけだけでは留まりません。

味噌に含まれている成分を詳しくみてみると、より多くの栄養素が含まれていることがわかるでしょう。

参照:栄養素と食事バランスガイドとの関係:農林水産省

味噌に含まれる栄養成分とは?

味噌に含まれる栄養成分とは?

それでは、さらに細かく味噌の栄養について説明していきます。
しかし、味噌は多くの種類がありますのでそれぞれで成分も異なってきます。

味噌に含まれる成分表

そこで、日本で流通の多い大豆原料の味噌を取り上げてみましょう。
そして、わかりやすい味噌の種類として赤味噌と白味噌で比較します。

赤味噌(100gあたりの栄養価)白味噌(100gあたりの栄養価)
エネルギー178kcal182kcal
タンパク質13.1g12.5g
脂質5.5g6.0g
炭水化物21.1g21.9g
灰分14.6g14.2g
ミネラル類(無機質)ナトリウム5100mg4900mg
カリウム440mg380mg
カルシウム130mg100mg
マグネシウム80mg75mg
リン200mg170mg
4.3mg4.0mg
亜鉛1.2mg1.1mg
0.35mg0.39mg
ビタミン類ビタミンE9.1mg9.6mg
ビタミンK11μg11μg
ビタミンB10.03mg0.03mg
ビタミンB20.1mg0.1mg
ビタミンB60.12mg0.11mg
ナイアシン1.5mg1.5mg
葉酸42μg68μg
パントテン酸0.23mg
ビオチン14.0μg12.0μg
食塩相当量13.0g12.4g

比べてみると、赤味噌の方がミネラル類が増える傾向がみられますね。
理由は、赤味噌と白味噌では、熟成期間が違うからです。

一般的に白味噌は、熟成期間が半年から1年ほど。
そして、赤味噌は1年から1年半ほどが熟成期間となります。
つまり発酵食品である味噌は、熟成期間が長くなるほど栄養価が高まることがおわかりいただけるでしょう。

味噌の驚くべき効果

味噌の成分を確認しました。
しかし、それぞれの栄養がどのような効果をもたらしてくれるのでしょう。

味噌に含まれている成分で、代表的な成分の効果は次の通りです。

タンパク質

タンパク質は、アミノ酸を作るために必要な成分になります。
アミノ酸がしっかり作られることで、代謝が良くなり免疫力が上がったり体重が落ちやすくなったりします。

カリウム

必要以上の塩分を排出してくれる働きがあります。
むくみの解消や、血圧の上昇を抑えてくれます。

ビタミンB群

疲労回復や肌を綺麗にする効果が期待できます。
ビタミンB群が不足すると、代謝が悪くなってしまいます。
また、倦怠感や肌荒れも起こりやすくなります。

カルシウム

カルシウムは骨を作るために必要なミネラルです。
また、骨だけでなく筋肉や血液にも影響を及ぼします。
さらに、精神安定を安定させる効果も期待できるミネラルになります。

マグネシウム

マグネシウムは、骨を作るために必要なミネラルです。
また、代謝や精神安定にも関係している大切な成分になります。
体温や、血圧の調整にも役立っています。

参考:ミネラル | e-ヘルスネット(厚生労働省)

このように、味噌には体に必要な成分が豊富に含まれているようです。
では次に、大豆食品の栄養の比較から味噌の栄養を確認していきます。

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同じ大豆食品と栄養を比較

同じ大豆食品と栄養を比較

大豆を使った食品は、味噌を始め多く出ています。
それぞれ、私たちの食生活でよく食卓に出てくるかもしれません。

そこで、栄養を比較してみたいと思います。
中には、栄養価が高くなっているものもあるので使い方の参考にしてください。

大豆食品の成分表

大豆食品は、私たちの食卓でよく見かけるものが多いです。
そこで、大豆食品別でどれくらい栄養素が変わるかを見てみましょう。

味噌(赤)納豆豆腐(絹)大豆水煮
エネルギー178kcal185kcal56kcal124kcal
タンパク質13.1g16.6g5.3g12.9g
脂質5.5g10.0g3.5g6.7g
カリウム440mg700mg150mg250mg
カルシウム130mg59mg75mg100mg
マグネシウム80mg88mg50mg55mg
4.3mg2.6mg1.2mg1.8mg
ビタミンE9.1mg9.9mg3.4mg12.6mg
ビタミンB10.03mg0.14mg0.11mg0.01mg

成分を比較してみると、同じ大豆から作られたものでも違いが出ています。
これは、製造工程の違いによるところが大きいのでしょう。

また、大豆製品は日頃の食事でも取り入れやすいです。
そのため、バランスの取れた栄養補給がしやすいというメリットがあります。

今回、表の中でご紹介した大豆製品以外にも次のようなものがあります。

  • 醤油
  • きなこ
  • 豆乳
  • 油揚げ
  • おから
  • 湯葉
  • 高野豆腐

このように、多くの大豆製品がありますので日頃の食事に取り入れやすいでしょう。
そして、大豆の持っている豊富な栄養を積極的に取ることで体の調子を整える助けとしてください。

発酵することで栄養価がアップ

大豆食品は、発酵することで栄養がアップすることがわかっています。
例えば、納豆は大豆の時と比べると、ビタミンB2が10倍以上になります。
さらに、大豆の時にはほとんど含まれていないビタミンKも納豆には多く含まれるようになります。

また、味噌や納豆ではイソフラボンが吸収されやすく変換される点も見逃せません。
このように、大豆食品は発酵をすることで栄養価が高くなることがわかります。

参考:食品成分データベース

味噌が持つ効果とは?

味噌が持つ効果とは?

ここまでで、味噌の栄養についてご理解いただけたかと思います。
味噌は、思っているよりも豊富な栄養が含まれているのです。

そのため、多くの健康効果を得ることが期待できます。
そこで、味噌を食べることで期待できる効果をご紹介します。

整腸作用

味噌は、発酵食品で乳酸菌が豊富に含まれています。
そして、植物性乳酸菌は動物性乳酸菌に比べると生きたまま腸に届く確率が高いと言われています。
さらに、食物繊維も豊富ですので腸内細菌が活性化しやすくなります。
そのため、腸内環境が整い整腸作用が期待できるでしょう。

アンチエイジング効果

味噌は、抗酸化作用があります。
理由は、ビタミンEや大豆サポニン、大豆イソフラボンが含まれているからです。
これらの成分が体内の活性酸素の除去に活躍してくれます。
活性酸素を減らすことはアンチエイジングに繋がるでしょう。

美肌効果

味噌によって、腸内環境が整いやすくなると体の老廃物の排出がうまくできるようになります。
体内が綺麗になることで栄養が行き届きやすくなるでしょう。
そのため、お肌のターンオーバーが正常化していきます。
つまり、本来持っている肌の力を取り戻せることにつながります。
また味噌には、シミやそばかすを防ぐ効果があります。

安眠効果

味噌には、トリプトファンという成分が含まれています。
この成分は、幸せホルモンと呼ばれているセロトニンの分泌を促します。

そして、セロトニンは精神安定や安眠効果を高めてくれる効果が期待できます。
つまり、味噌は安眠効果やメンタルヘルス効果も期待できるでしょう。

生活習慣病の予防

味噌には、悪玉コレステロールの吸収を抑える効果があります。
また、血糖値を抑制する効果もあると言われています。

理由は、レシチンやサポニンという成分が含まれているからです。
そのため、血栓、糖尿病、脳梗塞、動脈硬化などの生活習慣病の予防に繋がるでしょう。

味噌のよくある誤解と、食べる際の注意点

味噌のよくある誤解と、食べる際の注意点

味噌の、栄養と健康効果についてご紹介してきました。
ここまでみると味噌は、健康や美容にとても良いことがわかります。

しかし、味噌は毎日使う可能性が高い食品です。
選び方を間違えてしまうとかえって健康に負担をかけてしまうこともあるので注意してください。

味噌の塩分はそこまで高くない

一時は、減塩ブームで味噌が嫌煙されたこともありました。
しかし、味噌汁1杯の塩分量はおよそ1.2gと言われています。

成人女性の1日の推奨塩分量は6.5g未満とされています。
毎食、1杯の味噌汁を飲むことは問題ない塩分量といえます。
むしろ、味噌や具材から得ることのできる栄養効果の方が高いと言えるでしょう。

もし塩分が気になるようであれば、カリウムを多く含む食材を一緒にとると良いです。
カリウムを多く含む食材には、ほうれん草・里芋・わかめ・かぼちゃ・ジャガイモ・ごぼう・にんじんなどがあります。

参考:ナトリウム|e-ヘルスネット

添加物の入っていない味噌を選ぶ

健康効果が高いと言われる味噌ですが、購入するときには注意が必要です。
実は、本来の味噌の原材料は、「大豆」「塩」「麹」ととてもシンプルです。

しかし、パッケージの表示を見るとかなり多くの材料が表記されているものもあります。
これらは、ほとんど添加物となります。

添加物は、体にとっては負担になることが多いので注意してください。
せっかく栄養価の高い味噌を買うのであるなら、原材料をしっかりチェックすることが必要でしょう。

白味噌の方が糖質が多い

味噌汁を食べるときに、赤味噌の方が甘く感じる方も多いかもしれません。
しかし、糖質で見ると赤味噌は、大さじ1あたり3.1gになります。
そして、白味噌は、大さじ1あたり5.7gとかなり多くなります。
また糖質が気になるという方は、赤味噌を選ぶようにすると良いでしょう。

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味噌は、毎日食べられる万能食品

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今回は、味噌の栄養と健康効果についてご説明しました。
味噌は、五大栄養素の全てが含まれている優れた食品であることがおわかりいただけたと思います。

また、健康や美容にとっても多方面に効果が期待できます。
昔の人は、味噌を食べることで、体の調子が良くなることを体感的にわかっていたのかもしれません。

味噌は、食生活でも登場する機会が多い食品です。
購入時は、原材料をしっかりとチェックして本当に体のためになるものを選ぶようにしたいものです。

味噌の魅力を楽しみながら、健康と美しさを手に入れてください。

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執筆者
中山直紀

東洋文化の薬膳と心理カウンセリングの知識を結集し、バランスの取れた健康を提案する専門家です。イタリアンレストランのオーナーシェフとしての経験から得た創造力と繊細な味わいを、WEBライティングの世界に活かしています。私の好きなことは、健康で充実した人生を送るための情報をお届けすることにあります。あなたの心身の健康を薬膳や心理学の視点からサポートし、自己成長や幸福感の向上を促します。魅力的で分かりやすい文章で、読者の心に響くコラムをお届けしたいと思っています。一緒に理想のライフスタイルを築きましょう。

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監修

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圓尾和紀(まるお・かずき)

管理栄養士。静岡県立大学で修士号を取得後、管理栄養士として総合病院に勤務。現在は独立し、日本の伝統食とファスティングの良さを伝える活動に携わる。メディア出演多数、著書 『一日の終わりに地味だけど「ほっとする」食べ方』(2017年)。

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