発酵食品と酵素の力で、いつまでもキレイで健康にくらす!
専門家インタビュー
美醸ラボトップコラム一覧 > 塩麹の賞味期限と保存のポイント!手作りと市販品の違いも解説

塩麹の賞味期限と保存のポイント!手作りと市販品の違いも解説

執筆者 加藤文香(かとうあやか) | 更新日:2023.12.2
塩麹の賞味期限と保存のポイント!手作りと市販品の違いも解説

料理に加えると、肉や魚をふっくらと柔らかくしてくれ、素材の旨味や甘みを引き出してくれる塩麹。体に優しく、奥深い味わいになることから常備しておきたい調味料ですよね。

しかし、「塩麹の賞味期限が切れてしまったけど使えるかな」「塩麹の保存方法がよく分からない」とお困りではありませんか?

この記事では、塩麹の賞味期限や保存方法を管理栄養士が解説します。自宅で塩麹を手作りする方法についてもお伝えしているため、ぜひ参考にしてみてください。

市販の塩麹の一般的な賞味期限は?

市販の塩麹の一般的な賞味期限は?

市販で売られている塩麹の賞味期限は、商品により多少異なりますが、未開封か開封後なのかによって異なります。

また、保存方法は常温保存か冷蔵保存なのかによっても状態が違うため、購入した際はあらかじめ賞味期限や保存方法を確認しておきましょう。

未開封の塩麹の賞味期限は、常温保存で約3〜6ヶ月のものが多いようです。開封した塩麹の賞味期限は、冷蔵保存で約1〜2ヶ月が目安となっています。開封後、常温に長く置いていると発酵が進んだり、雑菌が繁殖したりする恐れがあるため、冷蔵庫で保存しなるべく早く使い切りましょう。

塩麹の賞味期限が切れているもので、下記のような状態であれば腐敗している可能性があります。普段使う塩麹と比べ、香りや味、見た目に違和感を感じるときは使用を避けましょう。

  • 腐ったような香り
  • 酸味が強い
  • 表面にカビっぽいものが浮いている

オススメ記事

食べて健康に!旨味あふれる塩麹を使った漬物の作り方

塩麹を使った漬物の作り方を薬剤師・薬膳アドバイザーの筆者がご紹介します。塩麹が野菜の旨みを引き出して、ごはんが進む美味しいレシピですよ。また、基本的な分量と合わせて、漬物にぴったりな野菜もおすすめします。プラス一品、健康的な発酵食品をお探しのあなたにぴったりです。


食べて健康に!旨味あふれる塩麹を使った漬物の作り方

記事を見る

手作り塩麹 vs 市販塩麹どちらがいい?

手作り塩麹 vs 市販塩麹どちらがいい?

塩麹を使用する場合、手作りと市販品ではどちらがいいのか疑問に感じている方もいるのではないでしょうか。

手作りと市販品ではそれぞれメリット、デメリットがあります。

二つの種類の基本的な違い

手作りの塩麹は、麹、塩、水のみで作ることができます。シンプルな材料で作ることができ、余計なものが入っていません。

保存料や甘味料、着色料である添加物を加えず作れるため、添加物の使用を控えめにしたい方にとっては安心して摂ることができるでしょう。しかし、塩麹を作る作業が発生するデメリットがあります。

一方で、市販の塩麹は、手作り塩麹と同様の材料である麹、塩、水で作られますが、保存ができるよう添加物が使用されているものが多くあります。添加物の量は多くありませんが、添加物の使用を控えたい方にとっては気になる点かもしれません。

しかしながら、市販の塩麹には添加物が入っているからこそ、保存期間が長く保てるのはメリットとなりますし、調理の手間も省くことができます。

手作りと市販の塩麹ではメリット、デメリットが異なるため、自身が使いやすいほうを選びましょう。

手作り塩麹の作り方

ここでは、手作り塩麹の作り方をご紹介します。手作り塩麹は「米麹・塩・水」を混ぜ合わせ、発酵させるだけで作ることができます。

材料

米麹(生麹)
200g
塩(材料の約13%)
60g
200ml

調理器具

  • ボウル
  • スプーン
  • 計量カップ
  • 測り
  • 蓋つきの保存容器

作り方

  1. ボウルに米麹と塩を入れ、よく混ぜ合わせる。まんべんなく混ぜ合わせ、麹の固まりがある場合はスプーンでほぐす。
  2. ①のボウルに水を加えよく混ぜる。塩の粒がなくなるまで混ぜ合わせる。
  3. 保存容器に移し、直射日光の当たらない場所に置き常温で発酵させる。発酵中にガスが発生することがあるため、蓋は完全に閉めず少しゆるめておく。気温により完成する期間が異なり、夏場は5日〜7日、冬場は10〜14日程度。
  4. 1日1回スプーンで全体をよくかき混ぜる。麹が水を吸うため、水位が下がっていたら10〜20ml程度水を足す。麹が水に浸かるくらいを保持する。
  5. 米麹の粒がつぶれ小さく軟らかくなり、甘酒のような甘い香りがしてきたら完成。

塩の量は調整してもいい?

塩分濃度は材料全体の13%程度にするのがおすすめです。10%を下回ると腐敗しやすくなります。

保存容器の選び方

作った塩麹を保存する場合は、空気に触れない蓋つきの耐熱性のガラス瓶がおすすめです。塩麹を作る際、事前に煮沸や熱湯消毒をすませておくと雑菌の繁殖を抑えられるため、耐熱のあるガラスの容器が適しています。

金属製の容器やホーロー鍋を使用すると、容器がさびる恐れがあるので注意してください。

手作り塩麹の保存方法と食べられる期間の目安

手作り塩麹の保存方法と食べられる期間の目安

手作りした塩麹は冷蔵か冷凍による保存が可能です。常温での保存は腐敗の原因になるため、注意しましょう。

【冷蔵保存】

出来上がった塩麹は、蓋をして冷蔵庫で約半年間保存が可能です。使用する場合は清潔なスプーンを使用しましょう。

【冷凍保存】

手作りの塩麹は冷凍して保存することもできます。塩麹をたくさん作ってしまった、またはすぐに使用しない場合は冷凍保存して使いたいときに使用することができます。

熟成を止めたい、出来たての甘く爽やかな風味を維持したい場合は、冷凍庫で保存する方法もおすすめです。

塩麹は完全に凍ることはないため、ジップ付きの冷凍用保存袋に入れ、空気を抜いて保存し、使いたい分量を取り出して使います。保存期間は約1年保存可能ですが、早めに使い切りましょう。

賞味期限が近い塩麹の活用法

体に優しく、お料理の味を引き出してくれる塩麹は、気づくと使いきれず賞味期限間近になることもあるでしょう。塩麹の賞味期限が近くお困りの方に向けて、塩麹を上手に活用するレシピをご紹介します。

期限が近い塩麹の効果的な利用法と大量消費レシピ

塩麹は塩味だけではなく、発酵によって生み出された旨味やほのかな甘みがあるため、普段の料理にちょっと加えるだけで奥深い味わいになります。

普段作っている炒め物に加えたり、スープに入れて煮込んだりするだけで本格的な味付けになります。今回は塩麹をたくさん消費できる野菜の漬物と鶏肉レシピをご紹介します。

生野菜の塩麹漬け

生野菜の塩麹漬け

切った野菜に塩麹を加え、揉みこみ、つけておくだけで簡単にできる漬物です。家にある常備菜や余った野菜などを使用してできるため、手軽に作ることができますよ。塩漬けの漬物とはまた違った味わいがあります。不足しがちな野菜を美味しく摂ることができるひと品です。

調理時間の目安:10分(漬け込み時間はのぞく)

材料

キャベツ
100g
きゅうり
100g(1本)
にんじん
40g (1/4本)
大根
50g
セロリ
40g
塩麹
大さじ4

作り方

  1. キャベツは食べやすい大きさにカットし、きゅうりとにんじんは縦半分に切り、斜めの薄切りにする。大根はいちょう切りにする。セロリは食べやすい長さに切り、繊維に沿って1cm幅に切る。
  2. 切った野菜を保存袋に入れ、塩麹を加え揉みこむ。冷蔵庫で3時間〜1日おき、水気を切ったら器に盛り完成。

塩麹の鶏から揚げ

塩麹の鶏から揚げ

鶏肉を塩麹に漬けて揚げたジューシーな唐揚げです。塩麹に含まれる酵素の力がお肉のたんぱく質を分解するため、肉質がしっとりと柔らかくなります。冷めても柔らかくおいしいため、お弁当にもおすすめです。

調理時間の目安:20分

材料2人分

鶏もも肉
300g
★漬け汁
 
塩麹
大さじ1と1/2
醤油
大さじ1
料理酒
大さじ1
しょうがすりおろし
小さじ1
片栗粉
大さじ3
適量
付け合わせの野菜
適量

作り方

  1. 鶏肉は一口大に切る。保存袋に鶏肉と★の漬け汁と加えて揉みこみ30分〜ひと晩漬け込むと味が染み、柔らかくなる。
  2. 鶏肉の漬け汁を切り、片栗粉を全体にまぶす。
  3. 鍋に油を入れ180℃に熱しておく。鶏肉を入れきつね色になるまで4〜5分程揚げる。

調理のポイント

鶏肉は、塩麹を加えていると焦げやすいため、調理の際焦げないように気をつけてください。

オススメ記事

塩麹で美容と健康を手に入れる!効果的な使い方と注意点を解説

日本で昔から愛されている発酵食品、塩麹の効果を知っていますか?健康や美容にもぴったりで、ご紹介するレシピや効果的な取り入れ方をすれば普段の生活から理想の食生活を送れますよ。管理栄養士の筆者がおすすめする簡単のレシピで、今日から発酵生活を始めましょう。


記事を見る

塩麹の賞味期限や保存のポイントをおさえよう。

塩麹の賞味期限や保存のポイントをおさえよう。

この記事では、塩麹の賞味期限や保存のポイントについて解説しました。

市販の塩麹は、商品により賞味期限が多少異なります。未開封や開封後により保存期間や保存方法が異なることから、購入した際にチェックしておくとよいでしょう。

また、手作りの塩麹は冷蔵か冷凍による保存が可能ですが、常温保存は適さないため、注意してください。

塩麹は、正しく保存を行うことにより料理を美味しくしてくれる万能調味料であるため、賞味期限や保存方法を覚えておきましょう。

塩麹の賞味期限と保存のポイント!手作りと市販品の違いも解説

この記事が気に入ったらシェア!しよう

googleplusシェアする

FacebookやTwitterで更新情報を手に入れよう!

いいねする フォローする
執筆者
加藤文香(かとうあやか)

大学卒業後は管理栄養士として大手委託会社、総合病院、臨床開発関連企業、ヘルスケアサポート企業等に勤務し、給食業務から栄養管理業務まで幅広く経験。現在は食事や栄養などのコラム執筆を中心に活動。 食生活全般を見直し、発酵食品や自然食品に変えたことで、長年治療してきたアトピー性皮膚炎の湿疹が消え、肌がきれいになる。それ以外にも産後ダイエットを5ヶ月で成功させた体験から「食事で体は変わる」ことを発信している。

この執筆者の記事を読む この執筆者の記事を読む

美醸ラボとは美醸ラボとは

30~50代の女性を対象に、キレイと健康の情報を提供するサイトです。 「ダイエット」「アンチエイジング」「更年期障害」の3つを柱として、専門家からのアドバイスや役立つ情報を紹介します。  とくに「発酵食品」と「酵素」に注目します。味噌、醤油、麹など伝統的な日本食に美と健康のヒントを発見するとともに、「酵素」のパワーを積極的に取り入れることを提案します。 30~50代の女性を対象に、キレイと健康の情報を提供するサイトです。 「ダイエット」「アンチエイジング」「更年期障害」の3つを柱として、専門家からのアドバイスや役立つ情報を紹介します。  とくに「発酵食品」と「酵素」に注目します。味噌、醤油、麹など伝統的な日本食に美と健康のヒントを発見するとともに、「酵素」のパワーを積極的に取り入れることを提案します。 発酵食品とは発酵食品とは 酵素とは酵素とは 更年期障害とは更年期障害とは

おすすめタグおすすめタグ

タグ一覧はこちら

人気記事ランキング人気記事ランキング

執筆者一覧執筆者一覧 キャラクター一覧キャラクター一覧 twitterでフォローするtwitterでフォローする

監修

監修

圓尾和紀(まるお・かずき)

管理栄養士。静岡県立大学で修士号を取得後、管理栄養士として総合病院に勤務。現在は独立し、日本の伝統食とファスティングの良さを伝える活動に携わる。メディア出演多数、著書 『一日の終わりに地味だけど「ほっとする」食べ方』(2017年)。

(c) AiTRIGGER Inc.