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塩麹の基本の作り方|保存期間・完成の見極めポイント・使う道具まで

執筆者 中山直紀 | 更新日:2023.10.24

一時のブームからすっかり定着した塩麹。
文字通り「塩」と「麹」を合わせた発酵食品です。

市販の種類も増えてきましたが、やっぱり体にいいものを自分で作ってみたいと思う方もいるでしょう。

もちろん、塩麹も手作りすることができます。
しかし、麹は菌ですので扱いがデリケートな部分もあります。

ポイントを抑えて作ることで安全で美味しい塩麹が簡単にできます。
今回は、そんな魅力的な塩麹を安全に作るための秘訣を解説していきましょう。

手作り塩麹の麹・水・塩の分量

木の匙と塩

塩麹を手作りされている方は、意外と多いと思います。
理由は、材料がとってもシンプルで作り方も簡単だからです。

簡単な上に、美容や健康の効果も期待できるとなれば人気になるのも頷けますよね。
まずは、塩麹の材料を確認しておきましょう。

基本分量
材料分量
米麹(乾燥)100g
35g
100〜120g

注:以下「基本分量」を元に倍量などを計算しています。

基本的な分量ですので、容器の大きさによって変えていただいても大丈夫です。
ポイントは、麹の35%の塩と覚えておくと分量を合わせやすいでしょう。

塩麹の基本的な作り方

料理をする男性と女性

塩麹は、発酵食品です。
そのため、作る過程で発酵期間を設ける必要があります。

季節によって発酵期間が変わりますので注意してください。

塩麹の作り方

基本的な作り方は、次の手順で行ってください。

容器は密閉できる耐熱性のものがおすすめです。
保存用の密閉容器の他に、混ぜるときにボールや木べらがあると便利です。
それでは、塩麹の作り方を確認していきましょう。

  1. 材料、容器・機材を用意する
  2. 容器・機材を消毒し、しっかりと乾かす
  3. ボールに、麹と塩を入れよくかき混ぜる
  4. 水を加えて再びよく混ぜる
  5. 保存容器に移し完成

以上が作り方となります。

塩麹作りの注意点

作成時の注意点としては次の点に気をつけてください。

  • 麹と塩を混ぜるときには、満遍なく混ざるようにしてください。
    この時の混ぜ方が偏っていると、均等に発酵しないことがあります。
  • 水を足したときに、ヒタヒタになるくらいまで水を入れてください。
    水が不足していても発酵が均等にしない場合があるので注意が必要です。
  • 塩を使いますので、機材など錆に強いものを使うようにしましょう。
    使用する前に煮沸消毒やアルコール消毒などしてから使うようにしてください。

バナナや甘酒のような発酵香がしてきたら完成です。
5日〜1週間を目安に使い切るようにしましょう。

おうちの料理器具を使った塩麹の作り方

キッチン

塩麹が簡単に作れることがお分かりいただけたと思います。
しかし、塩麹は発酵食品ですので発酵期間があります。

10日前後の発酵期間は、正直長いと感じるでしょう。
また、密閉容器を用意したり準備が大変という方もいるかもしれません。

そこで、時短で塩麹を作れる方法や、密閉容器の代わりにペットボトルを使った作り方の注意点を説明します。

炊飯器を使った塩麹の作り方

炊飯器を使うことで塩麹をかなり短い時間で作ることができます。
炊飯器は、ほとんどのご家庭にあると思いますのでチャレンジしやすいでしょう。

ただし、発酵させている間は炊飯器が使えなくなりますので、調理の段取りなどの確認をしてから作るようにしてください。

使用する炊飯器の大きさ:3〜5合炊き
発酵時間の目安:5時間
メニュー設定:保温
3合炊きの場合:基本分量の2倍
5合炊きの場合:基本分量の5倍

変更点は、水を40℃くらいのぬるま湯にすることがポイントです。

この時、蓋を少し開けて隙間を作っておくとうまく発酵が進みます。
マスキングテープなどで止めておくと良いでしょう。

米麹が、ふっくらして甘い香りがしていたら完成。
常温で作ったものよりもとろみが少ない印象かもしれませんが問題ありません。

また、蓋の代わりにキッチンペーパーなどをかけておくとゴミや虫の混入を防ぐことができます。

ヨーグルトメーカーを使った塩麹の作り方

ヨーグルトメーカーを使った方法もあります。
ヨーグルトメーカーをお持ちの方は、取り入れてみても良いでしょう。

炊飯器のように、食事の準備への影響もないので好きな時間に仕込むことができます。

設定温度と時間:58℃10時間が目安

ヨーグルトメーカーの容量は1ℓが多いので材料の分量は、基本分量の3〜5倍にしてください。

10時間の発酵時間の間に3〜5回ほどかき混ぜましょう。
完成したら消毒済みの容器に移して保存してください。

ペットボトルを使った塩麹の作り方

塩麹をペットボトルで作るという方法もあります。

作り方

作り方は、先にお伝えした常温での作り方の容器をペットボトルに変えるだけ。
500mlサイズのペットボトルであれば分量も同じで良いです。

発酵の際にガスが出るので、使用する際は炭酸飲料用のペットボトルを使用してください。

注意点

ペットボトルで塩麹を作るのは、衛生面で注意が必要になります。
また、口をつけて飲まれたペットボトルの使用は、やめるようにしてください。

口腔内の菌が、ペットボトルに残っていて塩麹の発酵に影響を与えることがあるからです。
そのため、ストローで飲んだと言う場合も使用は、控えた方が良いでしょう。

そして、ペットボトルは素材的に煮沸消毒ができません。
形状も口が狭い作りですので中までしっかり洗うことが難しいです。

その上で、衛生的に大丈夫であればペットボトルでの塩麹作りをするようにしてください。

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塩麹の保存方法と保存期間

透明な瓶

時間をかけて作った塩麹ですが、保存方法や保存期間を確認しておきましょう。
塩麹は、麹菌の力によって発酵が進みます。

そのため、この麹菌の力をコントロールすることで塩麹の風味や効果を長持ちさせることが可能になります。
麹菌の活動温度は、25℃あたりから始まります。

そして、35〜40℃付近で繁殖が活発になります。
ちなみに、70℃を超えると完全に失活します。

この活動の特徴を踏まえると塩麹の発酵を抑えることでちょうど良い塩麹の状態を保つことができます。
そこで、保存方法としては冷蔵保存が適しています
保存期間は、3ヶ月以内に使い切ることが理想的でしょう。

冷蔵保存でも発酵は少しずつ進みますので味もどんどんマイルドになります。

また、塩麹を小分けにして冷凍保存もおすすめです。
冷凍しても麹菌は死にませんので、解凍すれば完成時のフレッシュな状態を味わうことができるでしょう。

塩麹のデメリットと注意点

内緒

ここまで塩麹の魅力についてご紹介してきました。
しかし、発酵食品である塩麹もデメリットや注意する点があります。

デメリットや注意点を知ることでより安全に満足のいく効果を得ることができるでしょう。
それでは、塩麹のデメリットと注意点を説明します。

塩麹のデメリット

塩麹のデメリットですが、正直ほとんどないといっても良いです。
塩麹は、塩の代わりの調味料や、風味づけのアクセントとして活用される方が多いでしょう。

強いてデメリットを挙げるとするならば、焦げ付きやすいという点。
理由は、塩麹に糖分が含まれるからです。

そのため、焼き上げるときなどに糖分が焦げ付きの原因になることがあります。
いつもと同じように焼いてみたけど焦げてしまうことが起きるかもしれません。

もし、気になるという方は焼く前に食材の表面を拭くなどすると焦げ付きの防止になります。

塩麹の注意点

塩麹を扱うときの注意点は次の2点です。

1. 発酵しているか腐敗しているかの見極め

まず、発酵しているか腐敗しているかの見極めです。
もし、雑菌や保存温度などのよくない条件が重なると腐敗して人体に影響を与えてしまう場合もあります。

そのため、腐敗しているかの見極めは非常に重要になります。
次のような時には使用を中止した方が良いかもしれません。

  1. 表面にふわふわした異物がある
  2. カビのようなものが生えてきた
  3. 腐ったような匂いがする

このような状態が見つかった場合には、使用をやめた方が安全です。

2. 体質に発酵食品があっているかの確認

次に、体質に発酵食品が合わないという場合も注意が必要でしょう。
代表的な体質に、SIBO(シーボ)があります。

最近、診断によって増えているとのことですが、SIBOとは「小腸内細菌増殖症」と呼ばれる症状です。

腸内細菌が爆発的に増えてしまう体質。
そのため、発酵食品によって腸内の細菌のバランスが崩れてしまうのです。
もし、SIBOである、もしくはその疑いがありそうな方は一度病院などに相談してから使うようにしてください。

参考:「腸活」や「菌活」をする前に知っておきたい!“SIBO(シーボ、小腸内細菌異常増殖)”とは

塩麹のよくあるQ&A

片手を上げる女性

Q:手で混ぜた方が良いの?

A:よく発酵期間は手で混ぜた方が良いという話を聞きます。
しかし、雑菌の混入の可能性も高くなりますので素手で混ぜることはおすすめしません。
消毒をした器材で混ぜても発酵は進みますので安心してください。

Q:生と乾燥のどちらの米麹が良い?

A:どちらが優れているということはありません。
強いて言えば、生麹の方が風味が良いかなというくらい。
乾燥麹は、保存がしやすく入手先も多くあるので求めやすい利点があります。

Q:塩麹の使い方は?

A:塩麹の使い道は、次のような使い方があります。

  • 素材を柔らかくするため仕込みで塗り込む
  • 塩の代わりに調味料として使う
  • アクセントとしてドリンクなどに入れる
  • 風味づけ

など、使い方はアイデア次第で無限にあります。
色々トライしてみると新しい発見があるかもしれません。

Q:塩分は減らしてもいいの?

A:出来れば分量通りに作ることが理想です。
塩分が13%を切ると腐敗が起こりやすくなりますので注意してください。
もし、塩分が気になるようなら使用時に量の調整をしたほうが安全かと思います。

Q:発酵期間中は毎日混ぜないといけないの?

A:発酵期間中は、毎日1回混ぜるようにしましょう。
麹菌は、毎日発酵が進んでいきます。
均一に発酵を進めるためにも1日1回の攪拌を行うようにしましょう。

塩麹のアレンジレシピ

料理の材料

では、いよいよ塩麹を料理に使ってみましょう。
塩麹を活用したレシピをご紹介します。

簡単にできるものですのでぜひ参考にしてみてください。

豚肉ともやしの塩麹味噌炒め

豚肉ともやしの塩麹味噌炒め

材料

豚肉(コマ)
100g
もやし
100g
塩麹
大さじ1
味噌
小さじ1
砂糖
小さじ2
貝割れ大根(添え物)
プチトマト(添え物)

作り方

  1. 塩麹を豚肉に揉み込み、15分ほど置く
  2. フライパンに油をしき、豚肉を中火で炒める
  3. 豚肉の色が半分くらい変わってきたらもやしを入れる
  4. 湯気が出てきたら残りの調味料を入れる
  5. もやしから水が出ていなかったら30ccほど足して炒める
  6. もやしがしんなりしたら完成

塩麹チーズマヨドレ

塩麹チーズマヨドレ

材料

マヨネーズ
50g
塩麹
10g
しそドレッシング(ノンオイル)
10g
粉チーズ
小さじ1

作り方

  1. マヨネーズをボールに用意する
  2. そのほかの材料を投入して混ぜ完成

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塩麹を上手に利用して健康になろう

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今回は、塩麹の作り方について解説をしました。
塩麹は、健康や美容にとっても効果が期待できると注目されている発酵食品です。

また、材料もシンプルで作りやすいことから手作りに挑戦する方も増えています。

また、炊飯器やヨーグルトメーカーを使うことで短い時間で作ることもできます。
食材を柔らかくしてくれたり、味をよくしてくれる塩麹は使い勝手も良いです。

発酵食品は、まめに取り続けることがポイントです。
塩麹は、塩の代わりにするなど毎日使いやすい食品になるでしょう。

無理なく、健康で綺麗になる可能性が高くなる発酵食品を取り入れることができるかもしれません。
塩麹を、手作りで上手に取り入れることの助けとなれば幸いです。

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執筆者
中山直紀

東洋文化の薬膳と心理カウンセリングの知識を結集し、バランスの取れた健康を提案する専門家です。イタリアンレストランのオーナーシェフとしての経験から得た創造力と繊細な味わいを、WEBライティングの世界に活かしています。私の好きなことは、健康で充実した人生を送るための情報をお届けすることにあります。あなたの心身の健康を薬膳や心理学の視点からサポートし、自己成長や幸福感の向上を促します。魅力的で分かりやすい文章で、読者の心に響くコラムをお届けしたいと思っています。一緒に理想のライフスタイルを築きましょう。

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監修

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圓尾和紀(まるお・かずき)

管理栄養士。静岡県立大学で修士号を取得後、管理栄養士として総合病院に勤務。現在は独立し、日本の伝統食とファスティングの良さを伝える活動に携わる。メディア出演多数、著書 『一日の終わりに地味だけど「ほっとする」食べ方』(2017年)。

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