もうすぐお彼岸ですね。「暑さ寒さも彼岸まで」という言葉があるように、この時期を過ぎると、寒さもゆるみ過ごしやすい気候になります。春まであと少し!
お彼岸といえば「ぼたもち」や「おはぎ」を思い浮かべます。この時期になると母があんこを煮て、沢山の「おはぎ」を作ってくれたものです。
ところで、春のお彼岸は「ぼたもち」「おはぎ」どちらの呼び名が正しいのかわかりますか? 今日は正しい呼び方とどんな栄養があるか、その作り方も合わせて見ていきましょう。
「ぼたもち」と「おはぎの」のどちらが正しいの?
「ぼたもち」と「おはぎ」、どちらももち米とうるち米を混ぜて作った餅に、小豆で作ったあんをつけたものです。春の牡丹の花を小豆あんに見立てたことから「ぼたもち」、秋の萩の花を小豆あんに見立てたことから「おはぎ」と呼びます。
つまり、時期によって同じ食べ物の呼び方が変わるということですね! 今は春なので「ぼたもち」が正解です。
ほかにお彼岸にお供えするものは?
お彼岸には、「ぼたもち」のほかに精進料理をお供えします。
精進料理とは、肉、魚、卵を使わず、野菜や海藻などの植物性の食材だけで作った料理のことです。日本の精進料理には、納豆や味噌などの日本に古くからある食材が多く登場しますね。だしをとる際も、かつお節など動物性食材を避け、だし昆布や椎茸などの植物性食材からとった精進だしを用います。
和食の繊細な味が際立つ精進料理は、現代の家庭料理にもしっかりと引き継がれています。例えば、ちらし寿司やがんもどき、白和えに、精進揚げ、けんちん汁など沢山あります。次の世代へ精進料理の味を伝えていくためにも、お彼岸のお供えにて作ってみるものいいでしょう。
精進料理に発酵食品を加えれば栄養価がUP!
日本の発酵食品には、豆などの植物性の食材で作られたものが数多くあるので、精進料理を作る食材にもぴったりです! 菜食中心では補いづらい栄養素もしっかりとおさえられ、食材をもっと美味しくします。
発酵食品である甘酒や塩麹は、発酵の際にたんぱく質をアミノ酸に分解しうまみ成分を生成します。食べたものの代謝を促すビタミンB群もとても豊富に含まれていますので、太りたくない方にもおすすめです。
塩麹に漬けた食材が少量で美味しいと感じるのはうまみが増加しているためでもあります。少量で塩味をしっかり感じられるので減塩効果もありますね。
ついつい食べ過ぎてしまうお彼岸のぼたもちも、小豆あんの甘味を甘酒でつけることでビタミンB群がより多くとれ、栄養価が増します。また小豆自体もビタミンB群を豊富に含む食材です。食物繊維が豊富で腸内環境を整えてくれます。さらにサポニンが脂肪やコレステロールを取り除き、血液をサラサラにする働きもします。
でも、小豆の栄養を最大限いただくためには、煮方に注意しましょう。茹でこぼすとサポニンも一緒に流れてしまいます。サポニンがたっぷり溶け込んだ煮汁はもったいないので捨てないほうがいいですね。煮汁はさっぱりしていて飲みやすいので、小豆茶として飲むのがおすすめですよ。
これだけ栄養たっぷりのぼたもちなら、食べ過ぎてしまっても、ちょっと得した気分になりますね。
発酵食品で旨みUP&栄養価UPの精進料理レシピ
甘酒で作った餡にもち米ではなく酵素玄米を使って「ぼたもち」、動物性食品を使わない「精進揚げ」をご紹介します。「精進揚げ」も色々な味の塩麹で食べれば、栄養だけではなく、味覚でも楽しめますよ。
◆ぼたもち
(A)
・玄米 2合
・小豆 大さじ2
・塩 小さじ1/2
(B)
・あん 8個分
・小豆 100g
・甘酒(原液のもの) 200g
・きび糖 小さじ2
・塩 一つまみ
【作り方】
1:酵素玄米を作ります。玄米と小豆を一晩浸水させておく。水加減は玄米2合分+100㏄加え、玄米モードで炊飯する。(寝かせて3日目の酵素玄米を使用)
2:小豆を一晩水に浸水させておく。
3:鍋に小豆を加え、ひたひたになるくらいまで水を加え1時間煮る。途中で水分がなくなったら足す。柔らかくなったら、つぶしながらかき混ぜ水分を飛ばしていく。
4:甘酒ときび糖、塩を加え水分を蒸発させる。
5:酵素玄米(30g前後)にあんこをのせ丸める。
◆なのはなの精進揚げ
菜の花 1/2束(50g)
小麦粉 60g
合清酒 100cc
※お酒を使うことでカラッと仕上がります。料理酒で代用が可能です。
揚げ油 適量
<おすすめ塩麹のタレ>
A.七味塩麹(精進揚げの横の塩麹)
塩麹 小さじ1/2
七味 適量
B. しょうが塩麹(写真左)
塩麹 小さじ1/2
おろししょうが 適量
C. 茶塩麹(写真中央)
塩麹 小さじ1/2
煎茶粉末 小さじ1/8
D. 人参塩麹(写真右)
塩麹 小さじ1/2
人参すりおろし 適量
【作り方】
1:菜の花をさっと洗い、キッチンペーパーで水気をしっかりふき取る。
2:菜の花は半分の長さに切る。
3:小麦粉と合清酒を菜箸で合わせ、菜の花に絡ませる。
4:160℃に熱した油で40秒ほど揚げる。
5:お好みの塩麹をつくる。
いかがでしたか?
「ぼたもち」と「精進揚げ」で日本食を見直してみるのもいいですね。春はすぐそこまでやってきています。薄着になる前に、発酵食品を食事に取り入れ、代謝を高めて夏にそなえていきましょう。