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酵素を食品から摂取する効果的な方法とは?おすすめ発酵食品レシピも紹介

執筆者 加藤文香(かとうあやか) | 更新日:2023.12.5

健康や美容に役立つといわれている酵素。
「酵素はどのような食品に含まれているのか」「どのような食べ方をすれば効率よく摂れるのか」
と疑問に感じている人は多いのではないでしょうか。

この記事では、健康のために普段から腸活に取り組んでいる管理栄養士が、酵素が多く含まれている食品について解説していきます。

酵素を効率的に摂る方法や今日からでも実践できる効果的な食べ方、簡単レシピをご紹介していきます。

酵素とは?

酵素とは

酵素の言葉は知っていても、よく分からないと感じている方はいらっしゃると思いますので、初めに酵素とは何か、酵素の種類、はたらきについてお伝えしていきます。

酵素の概要

酵素とは、人の体の中で起こる消化・吸収・代謝などのさまざまな反応に関与するもので、主にたんぱく質により構成されています。

身体の中にはおよそ5000種類の酵素が存在しています。

また、酵素は食べたものを胃腸で消化吸収したり、細胞の生まれ変わりに密接に関わっているため、体にとって必要不可欠といえる存在です。

酵素の種類と働き

酵素の種類は、人の体内でつくられる「体内酵素」と体外から摂取する「体外酵素」の2つに大別されます。

さらに、体内酵素は「消化酵素」と「代謝酵素」に分類されているのです。

一方で体外酵素とは、人の体には存在しないもので主に食品に含まれ、その食品を摂ることで体内酵素を助けるはたらきがあります。体外酵素は、「食物酵素」とも呼ばれています。

ここでは、体内酵素の「消化酵素」と「代謝酵素」についてと体外酵素の「食物酵素」について詳しく解説していきます。

消化酵素

体内酵素である消化酵素とは、消化器官内から分泌される酵素で、食べたものを吸収しやすい状態にしてくれる作用があります。
食べ物を分解し、最終的に栄養素を小腸から吸収できる形にしてくれるはたらきをしています。

消化酵素にはさまざまありますが、代表的なものは下記の3つです。

  • アミラーゼ ➡ 炭水化物(でんぷん)をブドウ糖に分解する
  • プロテアーゼ ➡ たんぱく質をアミノ酸に分解する
  • リパーゼ ➡ 脂質を脂肪酸やグリセロールに分解する

酵素にはそれぞれ決まった役割があり、ある特定の反応しか作用せず、これを酵素の「特異性」と呼びます。

例えば、アミラーゼは炭水化物を分解しますが、たんぱく質や脂質を分解することはできません。
このように酵素には決まった役割を担っている特徴があります。

参考:公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット-酵素の働きと健康効果-

代謝酵素

もう1つの体内酵素である代謝酵素は、消化酵素以外のものを指し体の中の代謝に関係する酵素で、古い細胞を新しい細胞に変えるなどの作用があります。

新陳代謝や免疫力の向上、解毒、血液循環を促すなど、人が生きていくために必要なはたらきをしています。

食物酵素

上記では、体内酵素である消化酵素と代謝酵素を解説しましたが、ここでは体外酵素の食物酵素についてご紹介していきます。

食物酵素とは、人の体には存在しない酵素で食べ物に含まれる酵素です。
主に発酵食品や生の野菜、果物に含まれ、それらの食品を摂ることで体内にある酵素の働きを助けるはたらきがあります。

食物酵素は、自己消化力があり、通常人の体が行うべき消化を代わりに行ってくれるため、消化にかかる負担を軽減してくれるといわれています。

ただし、人の体が行う分解・消化を食物酵素がすべて行ってくれる訳ではなく、あくまでも補助的に作用することを覚えておきましょう。

酵素を多く含む食品一覧

酵素多く含む食品サラダ

体内にある酵素の働きを助けてくれる食物酵素ですが、食物酵素を多く含む食品は何か気になっている方は多いのではないでしょうか。
ここからは、食物酵素を豊富に含む食品についてご紹介します。

発酵食品

発酵食品は、微生物のはたらきによって、食品が変化するときに多くの酵素を生み出します。
そのため、発酵食品を日々摂取することで体内酵素のはたらきを助けてくれるといわれています。

日本にはさまざまな発酵食品が存在しますが、その中でも下記の食品には食物酵素が多く含まれています。
味噌や納豆、ぬか漬けには脂肪を分解する酵素リパーゼが含まれています。

食物酵素を多く含む発酵食品

  • 味噌
  • 納豆
  • ぬか漬け
  • キムチ

野菜

生の野菜には酵素が豊富に含まれています。
たとえば、大根には多くの酵素が含まれていて、三大栄養素である炭水化物やたんぱく質、脂質を分解するアミラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼが含まれています。

食物酵素を多く含む野菜

  • 大根
  • かぶ
  • 玉ねぎ
  • 山芋
  • ほうれん草
  • トマト
  • キャベツ
  • ブロッコリースプラウト

果物

果物にも酵素が多く含まれています。特にキウイフルーツ、パパイヤ、パイナップルなどにはたんぱく質を分解するプロテアーゼが豊富です。

お肉は加熱すると固くなってしまいますが、下処理の際にたんぱく質分解酵素であるプロテアーゼが含まれた果物を合わせると、お肉が柔らかくなるのはこの理由からです。

食物酵素を多く含む野菜

  • キウイフルーツ
  • バナナ
  • パイナップル
  • パパイヤ
  • りんご
  • いちご
  • イチジク

酵素の作用を活かすための注意点

せっかく酵素を取り入れるなら、より効果的に取り入れたいですよね。
酵素を摂取するときに注意したい点をご紹介します。

酵素は加熱に注意

健康をサポートしてくれる酵素ですが、熱に弱いという特徴があります。

酵素は主にたんぱく質により構成されているため、熱が加えられた環境では酵素の機能が発揮しなくなってしまうのです。

多くの酵素は人の体の中ではたらくために、35〜40℃の温度で活動的になりますが、温度が高いと本来のはたらきが損なわれてしまいます。

そのため、酵素を効果的に摂取するには、生で食べるか低温で調理しましょう。

また、市販の野菜ジュースや缶詰、ジャムなどは加熱処理がされていて、酵素のはたらきが止まっている場合があるため、手作りのスムージーなどにして摂ることをおすすめします。

参考:公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット-酵素の働きと健康効果-

よく噛んで食べる

よく噛んで食べることは大事だということを聞いたことがあるかもしれません。
ゆっくりよく噛んで食べると食べ過ぎを防止し、ダイエットにも繋がりやすいなどの効果がありますが、消化が良くなることが分かっています。

人の唾液には消化酵素のアミラーゼが含まれていて炭水化物(でんぷん)をブドウ糖に分解し、消化を助けてくれるのです。
食事の際はしっかりとよく噛んで食べましょう。

また、あまり噛まないで食べると消化器官に負担がかかり、消化不良を起こす恐れがあります。
加齢によって人の消化酵素は減っていくため、よく噛むことは健康や美容にとって重要といえるでしょう。

酵素を食品から取り入れるメリット

酵素を食品から取り入れるメリット

食べ物から酵素を摂ることで、加齢により衰えてくる消化や代謝の低下改善が期待されています。

体内に存在している消化酵素や代謝酵素は、消化や新陳代謝など体の中で起こる多くの反応に関わり、生きていく上で重要なはたらきをしています。

しかし、年齢を重ねるごとに酵素の量は減少していくことが分かっています。
体が老化すると、体内でつくられる酵素の量が少なくなってしまうからです。

加齢により酵素をつくりだす力も衰えてしまいますので、体の調子が悪くなってしまう可能性があります。
体の状態が若い頃と違うのは、消化や代謝の関係も一因として挙げられます。

老化で起こる代表的な状態は下記になります。

  • 油っこいものを食べると胃もたれを起こす
  • 食べる量は変わらないのに昔より太りやすい
  • 肌荒れを起こしやすい

食べ物から酵素を摂ることで体内酵素の働きの節約になり、消化を助けてくれる効果があると考えられています。
ただし、体内酵素のはたらきを全て代わりに行うという訳ではありませんのでご注意ください。

酵素がたっぷりな発酵食品レシピ

酵素を効率的に摂れる簡単な発酵食品のレシピをご紹介します。

鶏むね肉の味噌だれバンバンジー

鶏むね肉の味噌だれバンバンジー

発酵食品の味噌を使用した鶏むね肉の味噌だれバンバンジー。
味噌は加熱しないため、酵素を効率的に摂れる一品です。

鶏むね肉は塩麹と一緒に調理することでしっとり柔らかな仕上がりになり、濃厚な味噌だれとの相性も抜群です。
調理工程が少ないので簡単につくれるレシピですよ。

調理時間の目安:約40分(※鶏むね肉の放置時間込み)

材料(2人分)

鶏むね肉
200g
塩麹
大さじ1
オリーブオイル
大さじ1
トマト
1個
きゅうり
1本
味噌
大さじ1
しょうゆ
小さじ2
みりん
大さじ1/2
砂糖
大さじ1/2
大さじ1/2
ごま油
小さじ2
白すりごま
大さじ1

作り方

  1. 鶏むね肉は、皮を取り火が通りやすいよう除き、観音開きにし薄くする。
  2. フォークで全体に穴を開けて保存袋に入れ、塩麴とオリーブオイルを加えて、袋の上から手で揉みこむ。
  3. 保存袋の空気を抜きながら封じ、沸騰したお湯の中に入れて2分程加熱する。火を止めてフタをして30分ほど置いておく。鶏むね肉の粗熱が取れたら繊維にそって細くさく。
  4. きゅうりは千切りにし、トマトはへたを取り除き、薄く輪切りにする。
  5. ボウルにたれの材料を入れ、混ぜ合わせる。器にきゅうり、トマトを敷き鶏むね肉を盛った後にたれをかける。

【調理のポイント・注意点】

  • 保存袋は熱湯に対応できるものを用意
  • ぐつぐつとしっかり沸騰させたお湯に鶏肉を入れる

甘酒でつくるバナナスムージー

甘酒でつくるバナナスムージー

発酵食品である甘酒を使用したスムージー。甘酒はブドウ糖やビタミン、ミネラルなどの栄養が豊富でアルコールが含まれていないため、子供や妊婦の方も安心して飲むことができます。
酵素が豊富なバナナと組み合わせているため、消化をサポートしてくれる効果が期待できます。甘くコクがある仕上がりのため、朝食やおやつにぴったりです。

調理時間の目安:約10分

材料(2人分)

バナナ
1本
甘酒
100ml
牛乳
240ml

作り方

  1. バナナは輪切りにする。
  2. ミキサー(またはブレンダーの容器)に甘酒、牛乳、バナナを入れる。
  3. ミキサーでなめらかになるまで混ぜて、グラスに注ぐ。

酵素をとって健康や美容の維持に役立てよう

まとめ

今回は、酵素を食品から摂取する効果的な方法について解説し、酵素が豊富な食品一覧、酵素を摂るメリットをご紹介しました。

残念ながら体の中にある酵素は年齢とともに減っていくため、体の不調や太りやすくなったなどと感じることがあるかもしれません。

食生活や生活習慣を整えることは健康にとって大切であるため、酵素が含まれる食品を摂ることで効果が期待されます。

この記事を参考に、是非酵素を効率的に摂る方法を試してみてくださいね。

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執筆者
加藤文香(かとうあやか)

大学卒業後は管理栄養士として大手委託会社、総合病院、臨床開発関連企業、ヘルスケアサポート企業等に勤務し、給食業務から栄養管理業務まで幅広く経験。現在は食事や栄養などのコラム執筆を中心に活動。 食生活全般を見直し、発酵食品や自然食品に変えたことで、長年治療してきたアトピー性皮膚炎の湿疹が消え、肌がきれいになる。それ以外にも産後ダイエットを5ヶ月で成功させた体験から「食事で体は変わる」ことを発信している。

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監修

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圓尾和紀(まるお・かずき)

管理栄養士。静岡県立大学で修士号を取得後、管理栄養士として総合病院に勤務。現在は独立し、日本の伝統食とファスティングの良さを伝える活動に携わる。メディア出演多数、著書 『一日の終わりに地味だけど「ほっとする」食べ方』(2017年)。

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