「簡単にできるなら、発酵食品の手作りにチャレンジしてみたいっ!」
そのように思われている方も多いのでは。
味噌や甘酒、醤油など発酵食品は、自宅でも簡単に作ることが可能です。
手作り発酵食品に関する本や、発酵食品のキットも販売されており、初心者の方にむけた発酵教室やセミナーの開催も多くあります。
「でも……作るときの温度管理は難しそうだし、そもそもどうやって保管するの!?腐ってしまうのでは!?」
と、不安に思われる方が多いのも事実。
わたしも同じだったのでよくわかります。でも、大丈夫です!
今回の記事では、3人子育て中の薬剤師ママが手作り味噌に挑戦し、発酵食品にハマったエピソードをご紹介します。
3歳・8歳・12歳の子どもも、ママと発酵食品を作ることに喜びを感じているようです。一緒に作ると、ドタバタ……はしますが、達成感や幸福感は大きく、また作りたくなりますよ。
薬膳アドバイザー・フードコーディネーターのお仕事もしておりますので、手作り発酵食品のよさや、失敗しないコツもしっかりお伝えしますね。
薬剤師だからといって、決して几帳面ではありません。大雑把なわたしでも、楽しく発酵ライフを楽しめています。ぜひ、みなさんも気軽に挑戦してみてください。
手作り味噌に大挑戦!3人の子どもと一緒にできるかな!?
食に関して並々ならぬ興味があるわたしは、発酵食品である味噌を手作りすることにずっと興味を持っていました。ネットで調べたり、図書館で本を借りたり.……
と、悶々と悩む日々。しかし、経験がなかったため以下のような不安がありました。
- 子どもたちと一緒で不衛生にならないか
- 温度管理ができるだろうか
- カビが生えたり、腐ったりしないだろうか
- 材料や道具はどこで買ったらいいのだろうか
- 発酵食品教室に行ったり、キットを使わなくて大丈夫だろうか
しかし、子どもたちの要望に答えるべく、不安に思うことを辞め、ついに味噌作りに挑戦することを決意しました。
不安がいっぱいのなか、実際に作ってみた結果……
実際に味噌作りが始まると、子どもたちは大喜び。
茹でた大量の大豆にびっくり!大豆から味噌ができるのにも驚いた様子です。茹でたてほかほかの大豆を味見して、そのおいしさを新発見!
混ぜたりこねたり丸たり……と頑張って、あっという間に仕込み味噌が完成しました。
挑戦して大成功!毎年作っています!
子どもたちと、待ちに待った手作り味噌の引き上げ式。
長かった1年間、樽の蓋を開ける瞬間はそれはそれは、ドキドキしましたよ。
樽の中を覗き込む三つの頭……こちらは何も見えないっ。
やっと見えた味噌は光り輝いてみえました。かびもなく、味噌の香りも色もしっかりとしていて大成功です。
手作り味噌は、そのまま食べるのはもちろん、お湯にさっと溶かすだけでも立派な味噌汁になり、その風味は格別です。
子どもたちも、自分で作った味噌に愛着を感じ、毎回食べるたびにおいしいおいしい、と喜んでいます。
作ってみると初心者でも簡単で、難しく考えすぎだった点もあったことがわかりました。
しっかりコツと押さえ、注意点を守れば、どんな発酵食品でもうまくできる自信も。それ以来、毎年手作り味噌を作ったり、そのほかの発酵食品の手作りにチャレンジしたりしています。
手作り発酵食品は簡単!失敗しない4つのコツとは
味噌をはじめ手作り発酵食品を成功させるコツをご紹介します。発酵食品作りには、好ましい微生物が居心地の良い環境を作ることが重要です。
子どもと一緒の手作りは楽しい反面、思ったとおりにいかない場合が多いですよね。そんな時でも、以下のコツさえ守れば失敗を避けられるはずです。
清潔に!
発酵食品の手作りには、清潔さが非常に重要。手をしっかり洗い、作業スペースや調理器具もきれいに保ちましょう。
発酵食品を手作りする場合、悪い微生物(雑菌)が繁殖する可能性もあります。発酵に好ましくない微生物はできるだけ少なくしてあげることが大切です。
適切な温度と時間
微生物による発酵に最も適した温度は、一般的に25℃〜40℃です。
常温発酵させる場合、温度が高ければ発酵時間が短くなり、低ければ発酵時間が長くなります。季節や保管場所など環境によって、発酵時間にバラつきがでます。
そのため、発酵の進み具合を自分で見極めることが大切です。
- 匂いや味
- 気泡の出具合や膨らみ方
- 色や粘度
などを参考に、発酵の進み具合や変化を観察しましょう。腐敗した場合、食べられないほど味も悪く、悪臭がします。
きっちり測る
材料の計量をきちんと行いましょう。とくに、発酵食品を作る際には塩の量は大切です。塩には大きく2つの役割があります。
- 雑菌の繁殖を抑える
- 乳酸菌など発酵に役立つ微生物の増殖を促す
そのため、発酵させる食材の重量と塩分濃度を正確に測ることが非常に重要です。
新鮮な食材で
食材は新鮮なものを使いましょう。食材に雑菌が多いと発酵に有効な菌が増えにくくなります。
消毒は有効な菌も滅菌してしまうので、できるだけ新鮮な食材で作ることが大切です。
オススメ記事
発酵食品は食べ過ぎ注意!知っておきたいデメリットと効果的な食べ方とは
健康に良い発酵食品も、食べ過ぎると悪影響になってしまいます。発酵食品を普段から取り入れている管理栄養士がデメリットを解説し、適切な量と食べ方をお伝えします。さらに、食卓にちょこっとプラスできる簡単健康レシピもご紹介します。

発酵食品の作り方と簡単アレンジレシピ紹介
簡単な発酵食品の作り方とアレンジレシピをご紹介します。コツを押さえて、気軽に作ってみてください。
手作り味噌
材料(2kg分)
- 乾燥大豆
- 375g
- 糀(米麹)
- 1kg
- 塩
- 250g
準備物
- 保存容器(煮沸消毒又はアルコール消毒をする)
作り方
- 鍋にたっぷりの水と軽く洗った大豆を入れ、一晩(10時間以上)浸す。
- 水をよく切ってから大豆を鍋に戻し、たっぷりの水で3〜4時間弱火でゆっくりと煮る。指で簡単につぶせるくらいまでの柔らかさにする。
- ビニール袋などに塩と米麹を入れ、よく混ぜ合わせる。
- 煮終わった大豆と煮汁を分け、大豆を鍋に戻し、マッシャーなどでペースト状になるまでつぶす。煮汁は取っておく。
- 粗熱が取れたら、 3 を入れ、まとまりやすい固さになるよう煮汁を適宜加え混ぜ合わせる。
- 5 を子どものこぶし大程度の大きさに丸め、空気を抜くように、保存容器の底に叩きつけ、全体的に押しつけながら平らに詰めていく。
- 詰め終わったら、表面にふり塩(分量外)をしてからラップをして仕込み完了。冷暗所で半年から1年寝かせる。
冷やし味噌汁
材料(2人分)
- 茄子
- 1本
- おくら
- 3本
- えのき
- 1/4パック(25g)
- だし汁
- 300㏄
- 味噌
- 大さじ2
- トマト
- 適量
作り方
- 茄子は大きめの乱切り、おくらは斜めに半分にし、えのきは2cm幅に切る。
- だし汁に1を加えて2分程度加熱し、火を止め味噌を溶く。
- 粗熱が取れたら冷蔵庫で冷やす。
- おわんに3を入れ、1.5cm角に切ったトマトをのせる。
味噌玉で自家製インスタント味噌汁
材料(2人分)
- 味噌
- 100g
- かつお節
- 2.5g
作り方
- 味噌とかつお節をよく混ぜる。
- 8等分してラップに包み、玉状に丸める。
- 食べるときにお好みの濃度になるよう、お湯で割る。
水キムチ
材料
- 天然塩(野菜用)
- 小さじ2
- 米のとぎ汁
- 400ml
- お好みの野菜
- 500g
- しょうが(スライス)
- 5枚
- にんにく
- 小1かけ
- 天然塩(つけ汁用)
- 小さじ2弱
- てんさい糖
- 小さじ1
- 唐辛子(種をぬいたもの)
- 1本
作り方
- 米のとぎ汁を一度沸騰させ、てんさい糖、天然塩(つけ汁用)を入れ、冷ましておく。
- お好みの野菜は食べやすい大きさに切る。天然塩をまぶし、30分程おいて水分を出す。
- 2の野菜から出た汁を捨て、手でしぼり、キッチンペーパーなどで水分を拭き取る。
- 保存容器に、1、3、唐辛子、しょうが、包丁の背でつぶしたにんにくを入れる。
- 夏なら半日~1日、冬なら2、3日程常温でおく。発酵し、つけ汁に細かい気泡がでてきたら冷蔵庫で保管する。5日ほどで食べごろになる。
水キムチドレッシング
材料
- 水キムチ
- 150g
- 水キムチのつけ汁
- 100ml
- てんさい糖
- 小さじ1
- EXVオリーブオイル
- 大さじ1
- ※オイルは、ゴマ油、なたね油などお好みで
作り方
- 水キムチと漬け汁をミキサーにかける。
- てんさい糖、オリーブオイルを加えなめらかになるまで撹拌する。
- 蓋がしっかりと閉まる保存容器に入れる。冷蔵庫で4日程保存可能。
ザワークラウト
材料
- キャベツ
- 500g
- 天然塩
- 10g
- 唐辛子
- 2本
準備物
- 密閉できる保存容器(煮沸消毒又はアルコール消毒をする)
作り方
- キャベツを洗いよく水気を切り、クッキングペーパーなどで拭いてから千切りにする
- 大きめのボウルに1と塩を加えよく揉みこみ、キャベツの量が1/2程度になるまで置く。
- 3を鷹の爪と一緒に瓶に入れ、ラップで蓋をして、その上にコップや小さな器などでおもしをする。
- しっかりと密閉して1週間ほど発酵させる。
甘酒
材料
- 米麹
- 2カップ
- ごはん
- 2カップ
- お湯(60℃〜70℃位)
- 4カップ
準備物
- 密閉できる保存容器(煮沸消毒又はアルコール消毒をする)
作り方
- 炊飯器に材料を加え合わせたら、保温モードにする。
- 途中何度か、かき混ぜながら9時間前後保温する。
豆乳ヨーグルト
材料
- 玄米
- 大さじ1
- 豆乳
- 大さじ1程度
作り方
- 玄米を3回程度水ですすいで水を切り、容器に入れ、かぶるぐらいの豆乳を入れて混ぜる。
- アルミホイルなどでフタをし、室温に置いておく。時々、固まっていないかを確認する。(1日半程度)
- 固まったらすでに容器に入っている量と同量の豆乳を入れて混ぜる。フタをして室温に置く。
- 同様に、容器に入っている量と同量の豆乳をさらに継ぎ足して混ぜる。フタをして室温に置いておき、固まったら出来上がり。
まずは、気軽に発酵食品を作ってみよう!
発酵食品の手作りは、コツさえ押さえれば簡単です。なにより、手作りの発酵食品には、家族みんなで出来上がりを待つ楽しみがあります。成功しても、失敗しても、素敵な体験になるに違いありません。
気負いせず作って、ぜひ手作りのおいしさを堪能してくださいね。
オススメ記事
ぬか漬けは腸活をするなら必ず食べてほしい一品。薬剤師の著者が、腸活に最適なぬか漬けについてご説明します。今日からお手軽に食生活に取り入れられますよ。食べるべきぴったりなタイミングと、摂取量も合わせてご紹介します。
