今話題になっている腸活。
健康に良いとはわかっているけれど、何をしたらいいのか、いまいちわからないという方もいるのではないのでしょうか。
今回は腸活の基礎知識と、看護師である筆者が選ぶ腸活におすすめの食品をご紹介いたします。
腸活は食生活から!発酵食品がおすすめ◎
ここでは腸活とはそもそも何なのかご紹介するとともに、代表的な発酵食品を取り上げてそれぞれの特徴やメリットを解説していきます。
腸活って何?
腸活とはバランスのよい食生活や適度な運動などによって、腸内環境を整えることです。
腸内に生息しているさまざまな菌が理想のバランスを保つことが腸活につながります。
腸活を行うことは健康や美容と密接に関係しているといわれています。
加えて、腸には体内の免疫細胞の6割〜7割が存在しているため、腸内環境を整えることは、免疫力を高めることにもつながるのです。
腸活には、身体に良い働きをする善玉菌を摂ること、そしてその善玉菌の働きを助けるものを食べることが効果的だと言われています。
今回は善玉菌を多く含んだ、腸活におすすめの食品をご紹介します。
ヨーグルト
ヨーグルトには善玉菌の代表格である乳酸菌・ビフィズス菌などの善玉菌が含まれています。
よって食べることで腸内フローラのバランスを整える効果があります。
乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌は腸内で3日ほどしか生きられないため、毎日の食事で摂り続けることが重要です。
ヨーグルトはコンビニ・スーパーなどで手軽に手に入り、種類・味も豊富で食べやすい発酵食品のひとつです。
また、飲むタイプのヨーグルトなどは忙しい毎日にもとり入れやすく、手軽に続けやすい食品です。
ヨーグルトは食物繊維やオリゴ糖を含む食品と一緒に摂ることで、腸活の効果をより発揮するといわれています。
具体的には、バナナやナッツ、きなこなどをプレーンヨーグルトなどにトッピングして食べるとより効果を発揮できるでしょう。
納豆
日本人の1日に必要な食物繊維摂取量に対し、日本人の平均食物繊維摂取量は5gほど足りていません。
毎日納豆を1パック(1パックあたり3.3g程度)食べれば、不足分の食物繊維を補えるので腸活にぴったりです。
そして腸活において理想的な食物繊維の割合と、納豆1パックに含まれる食物繊維の割合は全く同じと言われています。
納豆菌は耐熱性菌と呼ばれる高温に強い菌で、胃酸にも強いため、生きて小腸から大腸上部にまで届きます。
納豆に含まれる栄養成分のうち、特に腸活におすすめのものは、下記の2つです。
ナットウキナーゼ
納豆に含まれるナットウキナーゼという酵素は、タンパク質分解酵素です。
血の塊である血栓を溶かす効果があり、効果持続は7〜8時間程度です。
血栓は就寝時にできやすいといわれているため、就寝前に食べることがおすすめです。
納豆菌は熱に強いですが、ナットウキナーゼは熱に弱く、50度で活性が低下し70度では死滅するといわれています。
つまり、熱々のご飯の上に乗せて食べるのはあまりおすすめできません。
アルギニン
納豆に含まれるアルギニンというアミノ酸は、成長ホルモンの分泌を促進する効果があります。
一般的に体内から成長ホルモンが分泌されるのは、午後10時~午前2時の間が多いとされています。
夕飯に納豆を食べることで、より成長ホルモンが分泌されやすくなるのです。
成長ホルモンはアンチエイジング効果や免疫力アップが期待できると言われています。
ですが、デメリットがあります。心臓の薬であるワーファリンを飲んでいる方は納豆を食べてはいけません。
ワーファリンは「抗凝固剤」といわれる薬で、血をサラサラにして血栓をつくりにくくする効果があり、心房細動などの治療や予防に使われます。
納豆を食べると腸内でビタミンKが合成されるため、ワーファリンの効果を弱めてしまうのです。
これは心房細動の再発に繋がってしまいます。ワーファリンを服用している人は、絶対に納豆を食べてはいけません。
参考:協和発酵バイオの健康成分研究所「アルギニンのはたらきと効果-02.代謝や筋肉の衰えを防ぐ」
キムチ
発酵食品の代表格としても知られるキムチ。
キムチの乳酸菌は腸内の善玉菌のエサにもなるプレバイオティクスであるため、腸内の善玉菌を増やし、腸内フローラを整える効果があります。
それだけでなく、キムチはビタミンAやビタミンB2などビタミン類も豊富に含むので、免疫力向上にも効果があります。
またキムチを漬け込む際に使用されている唐辛子には、カプサイシンが含まれています。
カプサイシンには体を温める効果があるため、体温も血流もよくなり、新陳代謝をアップさせて美肌づくりをサポートしてくれるという嬉しい点もあります。
味噌
麹菌や乳酸菌がたっぷり含まれるお味噌。
国際抗酸化学会でも世界一と称された抗酸化食品でもあり、スーパーフードと呼ばれています。
乳酸菌は善玉菌の餌にもなるプレバイオティクスであり、それ自体が腸内バランスに効果的です。
また麹菌は麹菌から作り出される産生物が善玉菌に良い影響を与えるとされているため、腸内フローラを整えるにはもってこいです。
また、味噌(米味噌)は本来、茹でた大豆と米麹と塩だけでできた発酵食品です。
畑の肉といわれる大豆のタンパク質、その他ビタミンB群・ビタミンK・ビタミンEなどの豊富なビタミンや、マグネシウム・カリウム・亜鉛・カルシウムなどのミネラル、葉酸や食物繊維、オリゴ糖、ポリフェノールなど、美容と健康に欠かせない栄養素が豊富に含まれています。
味噌に含まれる成分のうち、特に腸活・健康におすすめのものは以下の2つです。
必須アミノ酸
味噌を生成する過程で、麹菌によって生命を維持するために必要な必須アミノ酸全てが生み出されているのです。
体内では作れない必須アミノ酸がすべて摂取できるというのは、かなり健康面での効果が高いと言えます。
イソフラボン
豆を食べた際に摂取できるイソフラボンが、腸内細菌により変換されて生み出される代謝産物にエクオールというものがあります。
これは一般的に女性ホルモンと呼ばれる「エストロゲン」と構造が非常に似ており、体内に吸収されると血液に運ばれ、エストロゲンのように全身に作用してくれます。
エストロゲンが分泌されなくなる50~60代の女性で、エクオールをつくれる人とつくれない人を比較したところ、エクオールをつくれる人の内臓脂肪と体脂肪は圧倒的に少ないという研究結果もあります。
このエクオールを作れる人の特徴に腸内環境が良いことが挙げられます。腸内環境を改善することで、エクオールをつくれる体につながります。
ご紹介した食品は夕食で食べることをおすすめします。
大腸の活動は、身体がリラックスしている時に活発になると言われています。
そのため就寝中などの体が休んでいる時が、食品によって得られた効果が最も発揮される時間だからです。
オススメ記事
酵素とは何かをわかりやすくご説明します。酵素が不足すると本当に健康に影響がでるのか、働きや効果、特徴をゼロから解説。食物酵素を摂取して、腸内環境を整えて新陳代謝を促進しましょう。おすすめは酵素玄米や発酵食品など積極的に取り入れることです。

発酵食品を食べるとどんな効果があるの?
ここでは、発酵食品を食べることで得られる効果を具体的にご紹介します。
腸活に良いだけでなく、女性に嬉しいたくさんの効果があるのです。
便秘解消効果
腸内フローラを理想のバランスに整えることで腸の運動(腸蠕動)が活発になり、便秘や下痢などのお腹の不調を整えることにつながるといわれています。
ダイエット効果
腸内フローラを理想のバランスに整えることで腸の運動(腸蠕動)が活発になり、便秘や下痢などのお腹の不調を整えることにつながるといわれています。
発酵食品に含まれる酵素や有効成分には代謝を高める効果があります。
また、善玉菌が増えることで、腸内環境が整い、酵素の働きがスムーズになります。
これにより、基礎代謝が上がりやすくなり、ダイエットに役立ちます。
加えて、善玉菌が増えることで食欲がコントロールしやすくなるので食べ過ぎや間食を予防し、自然とカロリー制限しやすい体質に近づけてくれます。
また便秘解消によりお腹のハリが抑えられる効果も期待できます。
免疫力向上効果
腸内には多くの免疫細胞が集まっています。
私たちの体には、外から⼊ってきた病原菌などを排除するシステムが備わっています。
通常、感染源となるウイルスや病原菌などは⼝や⿐から体内へ侵⼊するため、腸までの消化管は常に感染源曝露の脅威にさらされています。
この外敵から体を守るために、腸には免疫細胞の約70%が集まっており「腸管免疫」と呼ばれています。
腸管免疫は腸内フローラと重要な関わりを持っていることが最近の研究でわかっています。
そのため、腸内フローラを整えることは免疫細胞の活性化につながると考えられています。
善玉菌が増えて働きが活発になることで、免疫力向上やアレルギー症状の緩和につながるとされています。
美肌効果
悪玉菌が作る有害物質は、ニキビや吹き出物などお肌のトラブルの原因にもなります。
お腹の調子が整うと、体に悪影響を与える有害物質や老廃物などがお通じとして排出されます。
こうしたお肌のトラブルの原因を減らすことは、肌荒れの改善につながるのです。
発酵食品の種類とは?最強ランキング
こちらでは、毎日の食事に取り入れやすい最強の発酵食品ランキングを紹介します。
お手軽さ、食べやすさ、価格を採点基準として順位をつけています。
第1位 ヨーグルト
食べやすさ:☆☆☆☆☆
値段:☆☆☆☆
食事への取り入れやすさ、手間:☆☆☆☆☆
味の種類も豊富であり、単価も安いヨーグルトが第1位!
調理の必要もなく手軽に食べられることも大きなメリットですよね。
第2位 チーズ
食べやすさ:☆☆☆☆☆
値段:☆☆
食事への取り入れやすさ、手間:☆☆☆☆☆
料理のアレンジとしても取り入れられるチーズが第2位!
アレンジとしても、プロセスチーズをそのまま食べてもおいしいですよね。他と比較して高価なものも多いため2位となっています。
第3位 味噌
食べやすさ:☆☆☆☆☆
値段:☆☆☆☆
食事への取り入れやすさ、手間:☆☆☆
日本の発酵食品の代表格、味噌が第3位!
お値段も食べやすさも高評価で、スーパーフードであり健康への効果も高い食品なのですが、ほぼ必ず調理の必要があるため第3位となっています。
第4位 納豆
食べやすさ:☆☆
値段:☆☆☆☆☆
食事への取り入れやすさ、手間:☆☆☆☆☆
お値段も安く、パスタなどのアレンジもある納豆が第4位!
お値段も安く、調理の必要もないことが魅力ですが、好き嫌いが分かれること、心臓のお薬であるワーファリンを飲んでいる方は絶対に食べてはいけないなど、食べられる人が限られるため第4位となっています。
第5位 キムチ
食べやすさ:☆☆☆
値段:☆☆☆
食事への取り入れやすさ、手間:☆☆☆
第5位はキムチ!最近は乳酸菌入りのキムチなども売っていますよね。
アレンジでお料理に加えて取り入れても美味しく、ダイエット効果も期待できますが、沢山食べると塩分過多になってしまうこと、お子さんなど辛いものが苦手な方には取り入れにくいことから5位となっています。
第6位 ぬか漬け
食べやすさ:☆☆☆☆
値段:☆☆☆
食事への取り入れやすさ、手間:☆☆
第6位はぬか漬け!食事の1品としてさまざまな野菜を摂れることが魅力です。
ぬか床の手入れ・管理などを毎日行わなければならないこと、沢山食べると塩分過多となってしまうことから第6位となっています。
発酵食品のおすすめ簡単レシピ
今回は、発酵食品を使ったお手軽簡単レシピを紹介します。
火を使わず、乗せるだけ、混ぜるだけのものですので、日々のお食事に取り入れやすくなっています。
ぜひ試してみてくださいね。
かんたん乗せるだけ!キムチ納豆
調理時間の目安:約2分
材料(1人分)
- 納豆
- 1パック
- キムチ
- お好みの量
- 小口ネギ
- ひとつまみ
作り方
- 納豆1パックに付属のタレを入れて混ぜます
- キムチをのせ、ネギを振りかけて出来上がり
ご飯はもちろん、冷奴の上に乗せても美味しいです!
混ぜるだけ!ヨーグルトで簡単マヨネーズ風
調理時間の目安:約2分
材料
- プレーンヨーグルト(無糖)
- 大さじ3
- 卵黄
- 1個分
- 米酢
- 大さじ1
- 塩胡椒
- 少々
作り方
- 全ての材料を混ぜ合わせるだけ
砂糖を少々入れると味がマイルドになります。
タンパク質含有量の高いヨーグルト、水切りヨーグルトなどを使ってもおいしくできます。
発酵食品を食べて免疫力をあげよう!
美味しいだけでなく、腸活にも良い発酵食品。
ぜひ日々の食事に取り入れて、健康な身体への一歩を踏み出してください!
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