大豆食品というと、納豆に豆腐、油揚げや豆乳などがパッと浮かんできますが、今回イチオシしたいのが”おから”です。豆腐を作ったあとの残り物であるおからは、そのほとんどが廃棄や飼料として使われていますが、その栄養が今注目を浴びています。
今回はそんなおからの力と、おからを使った美味しいレシピを3つご紹介したいと思います。
きらず、卯の花など別名の多いおから
おからは、豆腐を作る時に大豆を煮てからつぶして豆乳を絞ったあとの残りものです。関西では「雪花菜(きらず)」とも言われますが、これは豆腐と違って切らずとも食べられるからということから来ているようです。
特に昔の落語家さんなどは「おから」という言い方は、客席が「空(から)」につながるということで嫌い、「きらず」と言いかえて「きらずを大炒り(大入り)にせい」と縁起をかついだとか。関東でも「卯の花」という花の名前になぞらえた美しい呼び名が残っていますよね。
大豆の栄養を引き継いだおから
そんなおからには大豆の栄養がたっぷりと含まれています。脂質の一種であるレシチンは脳の中の神経伝達物質の材料になることから”脳の栄養素”と呼ばれていますし、サポニンという成分にはコレステロール値を抑制し、血管を健康に保って動脈硬化などの生活習慣病を予防する働きがあります。
そして大豆で女性に嬉しい成分としては定番の大豆イソフラボンももちろん入っていますので、加齢とともに減少してくる女性ホルモンの働きを補い、更年期症状の緩和にも期待ができるんです。
おからを選ぶ時のポイントは?
おからはスーパーの豆腐売り場や豆腐屋さんで手に入れることができます。生ものであまり日持ちがしないので、早く使い切るか、余ったら冷凍保存も可能です。
選ぶ時の基準ですが、「どんな豆腐を作っている過程でできたおからなのか」がポイント。国産大豆使用で、かつ添加物の消泡剤が不使用なら言うことないです。消泡剤は豆腐ではなく、おからのほうに移行すると言われているからです。
もちろん、消泡剤が使用されていたとしても国の基準では問題ないことになりますが、消費者の気持ちに配慮して記載してくれている心意気が僕は嬉しいですね。
おからを使った料理レシピ
さて、それではそんなおからを使った料理レシピをご紹介しましょう。定番の卯の花の煮物はもちろん美味しいですが、今回はその他の活用法をご覧いただきたいと思います。
1. おからサラダ
【材料】
おから 150g
玉ねぎ 1/2玉
にんじん 1/2本
<豆乳マヨネーズ>
・米油 大さじ4 ※他の植物油でも
・豆乳 大さじ2
・酢 大さじ1
・白味噌 大さじ2
・粉辛子 小さじ1
・砂糖 小さじ2
・塩 適量
【作り方】
1. 玉ねぎは薄く切って塩を振り、5分ほど置いてから水気を絞る。にんじんは半月切りかいちょう切りにして軽く茹でる。
2. フライパンでおからをから炒りする。ボウルで豆乳マヨネーズの材料を泡立器で混ぜる(油は最後に半量ずつ入れる)。別のボウルにおからと玉ねぎ、にんじんを入れ、味を見ながら豆乳マヨネーズを足して混ぜていき、最後に塩で味を調整したら出来上がり。
一言コメント
ポテトサラダのじゃがいもをおからに、マヨネーズを豆乳マヨネーズに替えた植物性原材料100%のサラダです。あっさりしているかと思いきや、その満足感は想像以上。ポテトサラダとは違った美味しさが味わえてお弁当に入れる作り置きとしても重宝しますよ。
2. おからハンバーグ
【材料】
おから 40g
鶏挽き肉 80g
玉ねぎ 1/8コ
溶き卵 大さじ2
豆乳 大さじ1/2
塩麹 小さじ1
こしょう 少々
大根おろし お好みで
【作り方】
1. 玉ねぎはみじん切りにする。ボウルにすべての材料を入れてよくこねる。
2. フライパンに油を熱し、形を整えた1を並べて片面ずつ焼いていく。お皿に盛り、大根おろしを乗せて醤油をかけたら出来上がり。
一言コメント
おからと鶏挽き肉を使ったハンバーグです。鶏肉を使っているので油っぽくなくあっさりと仕上がります。やさしいながらも美味しさのある味わいで、味の濃いタレがなくても満足できる一品です。
3. おからもち
【材料】
おから 50g
玄米粉(米粉) 25g
豆乳 50cc
醤油 大さじ1
みりん 大さじ1
砂糖 大さじ1
【作り方】
1. ボウルにおからと玄米粉と豆乳を入れて混ぜ合わせる。
2. フライパンに油を熱し、形を整えた1を入れて片面ずつ焼いていく。最後に調味料を混ぜたものを流し入れてからめたら出来上がり。
一言コメント
簡単に作れるお菓子です。さっくりふわふわで、大人だけでなく子どもも喜ぶ健康おやつになりますよ。
ということで今回はおからについてご紹介しました。おからって独特の豆由来の香ばしい香りがあって、その味わいが大好きです。ぜひ皆さんもおからをご活用くださいね。