発酵食品と聞くと、味噌・納豆・ヨーグルトなどを思い浮かべるかと思います。
しかし、チョコレートも発酵食品なんです!
私たちを虜にしているチョコレートの風味や苦味は発酵なくしては語れません。
また、チョコレートは発酵食品として健康効果も期待できる優れものです。
今回は、製造工程を確認しながら、チョコレートがどのように発酵しているかご紹介します。また、発酵食品のチョコレートを、より効果的に食べる方法も合わせて解説しますので参考にしてください。
目次
チョコレートの発酵
チョコレートの製造工程で、どのように発酵が起こっているかを解説します。
チョコレートが発酵食品である理由は、原産地から出荷されるカカオに発酵の工程があるからです。
そこで、カカオの製造工程と発酵手順を詳しく説明しましょう。
チョコレートはどこで発酵しているか
カカオ発酵は、カカオの原産国の収穫時に起こっています。
カカオの収穫から発酵を経て出荷までは次の工程で進みます。
Step 01:収穫
カカオポットと呼ばれるカカオのみを収穫する
Step 02:カカオの実からカカオパルプと種を取り出す
パルプと呼ばれる白い果肉と種を一緒に取り出す。
Step 03:発酵
3〜5日ほどかけてカカオパルプと一緒に発酵させる。
チョコレートの差が出る大切な工程。
(工程説明の後に詳しく説明します。)
Step 04:乾燥
腐敗やカビの防止として発酵させたカカオを水分が7%程度になるまで乾燥させる。
Step 05:出荷
麻袋などで梱包して輸出できるようになる。
ここまでが、原産国で行われる工程となります。
生産地で今もなお手作業で丁寧に行われているそうです。
ここから、日本に出荷されたカカオがさらに加工されてチョコレートになっていきます。
チョコレートは、発酵が済んだ原材料であるカカオを使用するから、発酵食品であるということになります。
カカオ発酵過程と起こっている変化
それでは、カカオ発酵の方法と、どのような変化が起こっているかを説明します。
カカオ発酵の種類
最初に収穫されたカカオは、カカオポッドと呼ばれるカカオの実を割ることから始まります。
次に、白い果肉(パルプ)とカカオの種を取り出します。
そして、バナナの葉で包んだり(ヒープ法)木箱に入れて(ボックス法)発酵させていきます。
その他にも、バスケット法や棚式発酵法などがあり、現地によって発酵のさせ方はいろいろ。
それぞれ発酵方法に共通する点は
- カカオとパルプは一緒
- 直射日光に当てない
- 時折かき混ぜて空気を入れる
が挙げられます。
原産地によって発酵の方法は違いますが、目的は同じ変化を起こすために行います。
カカオ発酵で起こっていること
カカオ発酵ではどのような変化が起こっているかを説明しましょう。
まず、カカオ発酵の目的は次の4つになります。
- 香りの元を作る
- 渋みを減らす
- 酸味を作る
- 発芽を防ぐ
カカオ発酵は、次の3段階に分けることができます。
- 初期発酵:酵母が嫌気性発酵(無酸素)が糖質をアルコールに変える。
- 中期発酵:酢酸菌の働きで好気性発酵(有酸素)が起こり酢酸が生成される。発熱(50℃くらい)がある。
- 後期発酵:タンパク質や多糖類が分解され、ペプチド・アミノ酸・単糖類になる。香りの元になる成分が生成され、渋みが柔らかくなる。
果肉の大半は溶けてしまい、残った部分は茶褐色になる。
このような発酵段階を経て乾燥させた後、カカオは輸出できるようになります。
次は、チョコレートのもつ健康効果も確認しておきましょう。
チョコレートの健康効果
チョコレートは、美味しいだけでなく発酵食品としても健康効果が期待できます。
特に注目したい点は、カカオポリフェノールがもたらす健康効果です。
チョコレートに含まれるカカオポリフェノールから得られる健康効果は次のようなものがあります。
- 抗酸化作用(老化防止)
- 免疫力向上
- 動脈硬化防止
- 高血圧軽減
- 脳の活性化
- 美肌効果
- アレルギー改善
このような効果が報告されています。
どのようなチョコレートを選べば良いか
チョコレートは、種類が多くてどのようなものを選べば良いかも迷うところ。
できれば、健康効果をしっかり引き出してくれる美味しいものが良いですよね。
そこで、どのようなチョコレートを選べば良いかという注目ポイントをご提案します。
体に良いチョコレートの見分け方
健康を意識してチョコレートを選ぶときに注目するポイントはカカオの量。
そこで、選んで頂きたいチョコレートはハイカカオチョコレートと呼ばれるものです。
カカオ含有量が70%以上のチョコレートがハイカカオの基準と言われています。
最近ではパッケージに、カカオ◯%のような表示を見かけるようになりました。
チョコレートを選ぶ際の目安にすると良いかもしれません。
もし、パッケージに表示がなくても裏面などに記載のある原材料枠を確認してください。
注目していただきたい点は、原材料名の最初にカカオがきているかどうか。
ハイカカオであるとは言い切れませんが、材料の中でカカオが最も多い材料ということがわかります。
チョコレートの健康効果を引き出す食材
一緒に食べることで、チョコレートの効果を引き出してくれる食材もあります。
ご紹介したい食材は、アーモンドと日本茶。
まずは、アーモンドの効果からご紹介します。
ナッツ類は元々チョコレートと味の相性が良いことは知られていました。
それが、お通じやお肌にも効果を発揮してくれるということです。
2017年に慶應大学と製菓会社の共同研究により、チョコレートとアーモンドの健康効果についての論文が発表されています。
論文によると、カカオ70%のチョコレートとアーモンド1日8粒を8週間摂取した結果、次の2点が改善されたとのことです。
- 排便回数、便量が増加した
- 肌の水分量が増加
また、日本茶もチョコレートと一緒に取った実験報告があります。2015年にアリゾナ大学心理学部でチョコレートと脳の活性化の実験が行われました。
この実験では、チョコレートとL-テアニンという成分を一緒にとると血圧が上がらないという結果が出ました。
L-テアニンとは、アミノ酸の一種で緑茶に多く含まれる成分。
特に抹茶や玉露に多く含まれています。
日本茶は相性だけでなく健康効果もあげてくれることになります。
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チョコレートで健康になれるって最高!
今回は、チョコレートが発酵食品であるということをお伝えしました。
発酵食品であるチョコレートは、健康にも影響を与えてくれます。
チョコレートが欠かせないという方もいるかと思います。
しかし、カロリーや糖分も多い食品ですので食べ方に注意が必要かもしれません。
ポイントは、原材料名で最初にカカオが表示されているチョコレートを選ぶようにしましょう。
おすすめはカカオ70%以上のハイカカオチョコレート!
食べ方も、少量を複数回に分けて食べると健康効果が出やすくなるでしょう。
ペアリングでは、緑茶や抹茶と合わせることで血圧も高くなりにくいようです。
上手に選ぶことで、健康になりながら大好きなチョコタイムを楽しんでいただければ嬉しく思います。