健康や美容に良いとされている酵素。ぜひ食生活に取り入れたいですよね。
今回は看護師である筆者がどの野菜にどんな効果がある酵素が多いのかをランキング形式でお伝えします。
ぜひ記事を読んで酵素を日々のお食事に取り入れてみてくださいね。
目次
そもそも酵素とは?
酵素とは、「体内で人が生きていく上で必要な化学反応を起こしているタンパク質」のことです。
人の生命維持には多くの化学反応が必要となり、それぞれの反応にはすべて違う種類の酵素が関わっています。
よって多種多様の酵素が人の体内にはあると言われており、その数は5000種類にも上ります。
酵素を多く含む野菜ランキング
今回は酵素を多く含む野菜をランキング形式でご紹介します。
ランキングの評価基準として、下記をあげています。
- その野菜に含まれる代表的な酵素の種類
- お値段・お食事に取り入れるための手間
ぜひ参考にしてくださいね。
第1位 トマト
トマトに含まれる酵素・栄養素:
βカロテン
βカロテンはビタミンAに変換されて作用することから、生体内では皮膚や粘膜の健康を維持したり、光刺激反応に重要な役割をしたり、様々な細胞の増殖や分化に寄与します。
また、ビタミンAとしての機能以外で、βカロテンは抗酸化作用および免疫賦活作用などがあることが報告されています。
(参照:ビタミンA / βカロテン|大塚製薬)
リコピン
リコピンはβカロテンと同じくカロテノイドと呼ばれる物質の一種です。
リコピンには体の中で発生した老廃物の一種である「活性酸素」を除去する働きがあると言われています。
この働きのことを一般的に「抗酸化作用」と言います。抗酸化作用によりお肌のシミやたるみを防ぐことができるのです。
お値段・お食事に取り入れるための手間:🌕 🌕 🌕 🌕 🌕 (5.0)
ランキング堂々の第1位はトマト!ミニトマトであれば洗えばすぐに食べられることも魅力ですよね。
お皿に添えるだけで料理が華やかになるのもポイント。最近はフルーツトマトのように甘味が強いものもあります。
リコピンやβカロテンが豊富に含まれていることが特徴ですが、それ以外にもたくさんの栄養素を含んでいます。
トマト100gあたりに含まれる栄養素
栄養素名 | 含有量 |
---|---|
ビタミンA | 45μg |
ビタミンE | 0.9mg |
ビタミンK | 4μg |
ビタミンB1 | 0.05mg |
ビタミンB2 | 0.02mg |
ビタミンB6 | 0.08mg |
ナイアシン | 0.7mg |
葉酸 | 22μg |
ビタミンC | 15mg |
ビオチン | 2.3μg |
カリウム | 210mg |
ナトリウム | 3mg |
マグネシウム | 9mg |
リン | 26mg |
鉄 | 0.2mg |
亜鉛 | 0.1mg |
セレン | 1μg |
(参照:日本食品標準成分表2020年版(八訂):文部科学省)
第2位 キャベツ
キャベツに含まれる酵素・栄養素:
ビタミンU:350μg
キャベジンとも呼ばれるビタミンUは、胃やその下にある十二指腸に潰瘍ができることを防ぐ「抗潰瘍作用」があると言われています。
ジアスターゼ
ジアスターゼはでんぷんを分解する酵素です。
取り入れることで胃酸の過剰分泌を防ぎ、胸焼けや胃もたれに効果があるとされています。
お値段・お食事に取り入れるための手間:🌕 🌕 🌕 🌕 🌕 (5.0)
第2位はキャベツ!千切りにしたり、サラダに取り入れたりなどお料理に取り入れやすいですよね。
食物繊維もたっぷりでお腹の調子が整うことも高ポイントです。
生で食べやすいのですが、トマトに比べて「切る」作業が必要になることから第2位としています。
代表的な酵素であるキャベジンやジアスターゼ以外にもたくさんの栄養素を含んでいます。
キャベツ100gあたりに含まれる栄養素
栄養素名 | 含有量 |
---|---|
ビタミンA | 2μg |
ビタミンE | 0.1mg |
ビタミンK | 79μg |
ビタミンB1 | 0.04mg |
ビタミンB2 | 0.03mg |
ビタミンB6 | 0.1mg |
葉酸 | 66μg |
ビタミンC | 38mg |
ビオチン | 1.5μg |
カリウム | 190mg |
ナトリウム | 5mg |
マグネシウム | 14mg |
リン | 26mg |
鉄 | 0.3mg |
亜鉛 | 0.1mg |
ナイアシン | 0.2mg |
(参照:日本食品標準成分表2020年版(八訂):文部科学省)
第3位 大根
大根に含まれる酵素・栄養素:
ジアスターゼ・プロテアーゼ
炭水化物などに含まれるデンプンを分解する酵素。
食べ物の消化を良くし、胃もたれや胸焼け、二日酔いなどに効果があります。
セテラーゼ
お肉などに多く含まれるタンパク質を分解する酵素。
リパーゼ
脂身やオイルなどに含まれる脂肪を分解する酵素。
オキシダーゼ
発がん物質を抑制する作用がある酵素。
お値段・お食事に取り入れるための手間:🌕 🌕 🌕 🌕 🌑 (4.0)
第3位は大根!大根おろしにしたり、ぬか漬けや漬け物にしたりなどさまざまなアレンジができますよね。
ほぼ必ず調理が必要になり、お食事に取り入れる際に手間となることから第3位としています。
大根の皮の近くにはビタミンが多く含まれるので、毛細血管を強化し、かぜの予防効果が期待できます。
また大根に含まれる酵素は加熱に弱く、70℃以上で形が変わってしまって効果がなくなってしまいます。
大根おろしやサラダのように、生でとるのが効果的です。
また、大根の葉はβ-カロテンやビタミン、ミネラルを豊富に含んでいます。
捨てずにお料理に利用すると良いでしょう。
大根100gあたりに含まれる栄養素
栄養素名 | 含有量 |
---|---|
ビタミンB1 | 0.02mg |
ビタミンB2 | 0.01mg |
ビタミンB6 | 0.05mg |
葉酸 | 33μg |
ビタミンC | 11mg |
ビオチン | 0.3μg |
カリウム | 230mg |
ナトリウム | 17mg |
マグネシウム | 10mg |
リン | 17mg |
鉄 | 0.2mg |
亜鉛 | 0.1mg |
ナイアシン | 0.2mg |
(参照:日本食品標準成分表2020年版(八訂):文部科学省)
第4位 山芋
山芋に含まれる酵素・栄養素:
ジアスターゼ
炭水化物などに含まれるデンプンを分解する酵素。
食べ物の消化を良くし、胃もたれや胸焼け、二日酔いなどに効果があります。
お値段・お食事に取り入れるための手間:🌕 🌕 🌕 🌕 🌑 (4.0)
山芋が第4位!とろろなどにして食べると美味しいですよね。
すりおろす手間がありますが、酵素の力を活かすことができる「生で食べることができる」と言う点で第4位となりました。
繰り返しになってしまいますが、酵素の力を取り入れるためには「生で食べる」ことがポイントになってきます。
山芋は生で食べられると言う点において優れているため4位と言う結果となりました。
山芋100gあたりに含まれる栄養素
栄養素名 | 含有量 |
---|---|
ビタミンE | 4.1mg |
ビタミンB1 | 0.11mg |
ビタミンB2 | 0.04mg |
ビタミンB6 | 0.18mg |
葉酸 | 29μg |
ビタミンC | 15mg |
ビオチン | 2.4μg |
カリウム | 550mg |
ナトリウム | 6mg |
マグネシウム | 21mg |
リン | 31mg |
鉄 | 0.8mg |
亜鉛 | 0.7mg |
ナイアシン | 0.6mg |
(参照:日本食品標準成分表2020年版(八訂):文部科学省)
第5位 にんじん
にんじんに含まれる酵素・栄養素:
- βカロテン
アスコルビナーゼ
ビタミンCを破壊する作用を持つ酵素です。
せっかくビタミンCを取り入れていたとしても、にんじんにはこの酵素が入っていることが弱点です。
しかしアスコルビナーゼも他の酵素と同様に熱に弱いため、加熱して食べると問題はありません。
お値段・お食事に取り入れるための手間:🌕 🌕 🌕 🌑 🌑 (3.0)
第5位はにんじん。お料理のレパートリーは多い食材ですよね。栄養素も豊富に含まれています。
ランキングに含まれる他の野菜と違う点は、「加熱して食べた方がいい場合もある」ということです。
ビタミンCを積極的に取り入れたい方は、必ず加熱して食べてくださいね。
にんじん100gあたりに含まれる栄養素
栄養素名 | 含有量 |
---|---|
ビタミンA | 630μg |
ビタミンE | 0.5mg |
ビタミンK | 4μg |
ビタミンB1 | 0.04mg |
ビタミンB2 | 0.03mg |
ビタミンB6 | 0.09mg |
葉酸 | 23μg |
ビタミンC | 4mg |
ビオチン | 2.5μg |
カリウム | 300mg |
ナトリウム | 24mg |
マグネシウム | 9mg |
リン | 28mg |
鉄 | 0.2mg |
亜鉛 | 0.2mg |
ナイアシン | 0.7mg |
(参照:日本食品標準成分表2020年版(八訂):文部科学省)
第6位 ほうれん草
ほうれん草に含まれる酵素・栄養素:
- 鉄分・βカロテン
ルビスコ
元は光合成に必要な酵素であり、地球上で最も多く存在するタンパク質であると言われています。
不安を和らげる効果があるという研究結果があります。
お値段・お食事に取り入れるための手間:🌕 🌕 🌑 🌑 🌑 (2.0)
第6位はほうれん草。生で食べるための方法としてスムージーなどが挙げられます。
しかし酵素を取り入れるために生で食べる場合、シュウ酸を多く摂取してしまいます。
結果として尿路結石になりやすいと言う観点から、酵素を取り入れづらいと考えられるため第6位となっています。
ほうれん草100gあたりに含まれる栄養素
栄養素名 | 含有量 |
---|---|
ビタミンA | 350μg |
ビタミンE | 2.1mg |
ビタミンK | 270μg |
ビタミンB1 | 0.11mg |
ビタミンB2 | 0.2mg |
ビタミンB6 | 0.14mg |
葉酸 | 210μg |
ビタミンC | 35mg |
ビオチン | 2.9μg |
カリウム | 690mg |
ナトリウム | 16mg |
マグネシウム | 69mg |
リン | 47mg |
鉄 | 2mg |
亜鉛 | 0.7mg |
ナイアシン | 0.6mg |
(参照:日本食品標準成分表2020年版(八訂):文部科学省)
【おまけ】酵素を多く含むフルーツとは?
ランキングは野菜のみのご紹介でしたが、今回は酵素を多く含むフルーツも紹介します。
おやつやデザートに取り入れてみてくださいね。
バナナ
調理いらずですぐに食べられるバナナが1位!お値段もお手頃なものが多いのも魅力ですよね。
そのまま食べても美味しいですし、スムージーにしたり、ヨーグルトに添えるなど料理のアレンジとしても取り入れやすいです。
バナナにはでんぷんを分解するアミラーゼが豊富です。
完熟したバナナにはより多くの酵素が含まれると言われています。
グレープフルーツ
グレープフルーツなどの柑橘類には脂肪を分解する酵素であるリパーゼが多く含まれています。
これらの食品は食前や食間などにデザートやおやつとして食べることで酵素の働きを最大限に活かすことができます。
キウイフルーツ
キウイフルーツにはタンパク質分解酵素であるプロテアーゼが含まれており、消化を助ける作用があります。
酵素を効果的に取り入れるには?注意点をまとめてみました。
今回は酵素を多く含んだ食べ物を食べるときの注意点をお伝えします。
ランキングを元にしてせっかく選んだ野菜も、調理によっては酵素が働かなくなってしまうこともあるので、効果的な食べ方を意識してくださいね。
熱を加えない
食べ物に含まれている食物酵素は、70℃以上になると失活(タンパク質の形が変わって、酵素として働かなくなってしまうこと)してしまいます。
そのため酵素を摂取するには加熱調理はせず、「生」の状態で食べるのがベストです。
野菜は茹でたり焼いたりせず、生のままで食べるのをおすすめします。
よく噛んで食べる
食事をする際は、よく噛んで食べましょう。
よく噛むと唾液に含まれるアミラーゼという酵素が働き、消化を助けてくれます。
アミラーゼはでんぷんをブドウ糖に変化させる酵素ですので、特に炭水化物を摂取する際などはよく噛んで食べると消化をより助けてくれます。
腹八分目を意識する
酵素を取り入れる場合には生で食べることが推奨されます。
しかしお野菜などを生で食べる場合には、加熱した時よりも胃腸に負担をかけてしまいます。
胃腸などの消化器官に負担をかけないよう、腹八分目にするのも大切です。
酵素が多い野菜を使ったレシピ
先ほどのランキングで紹介した、酵素を多く含む野菜を使った簡単レシピを紹介します。ぜひ試してみてくださいね。
簡単!酵素たっぷり野菜スムージー
調理時間の目安:約3分
材料(2人分)
- 小松菜またはほうれん草
- 1/2束
- りんご
- 1/2個
- バナナ
- 1本
- 水または豆乳
- 100cc
- お好み:ハチミツ適量またはきなこ大さじ1杯
作り方
- 材料をミキサーもしくはジューサーに入れやすい大きさにカットする
- カットした材料をミキサーもしくはジューサーにかける
- 水または豆乳を入れて回す
- 完成です
より甘みが欲しいときは、お好みでハチミツを入れても美味しいです。
タンパク質を取り入れたい方は、きな粉を大さじ1杯一緒にミキサーにかけても美味しいです。
さっぱり!大根おろしドレッシングを使った冷しゃぶサラダ
材料(2人分)
- しゃぶしゃぶ用豚肉
- 150g
- サラダほうれん草
- 2束
- サラダ菜
- 100g
- かいわれ大根
- 1パック
大根おろしドレッシング
- 大根
- 5cm分
- ☆酢
- 大さじ1
- ☆醤油
- 大さじ2
- ☆砂糖
- 小さじ1
作り方
- 鍋に湯を沸かし、豚肉をゆでる
- ゆで終わったら、豚肉を冷ます
- 野菜を洗い、水切りをしておく
- 野菜をひと口大に切り、かいわれ大根と合わせてお皿に盛り付ける
- 冷めた豚肉を野菜の上に盛り付ける
- 大根をすりおろし、☆と混ぜる
- 5にドレッシングをかけて完成
彩りを添えるためにミニトマトやレモンなどを添えるとより爽やかにさっぱりと食べられます。
さっぱりとした冷しゃぶと合わせると、野菜もたくさん食べられます。
酵素の補酵素としてはたらき、エネルギー代謝のサポートになるビタミンB群が豚肉から摂取できます。
まさに酵素を食べ物から取り入れるには一石二鳥のメニューです。
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