「酒粕をスーパーで見かけるけれど、どう使ったらいいのかわからない!」
「粕汁は毎年作るけれど、材料に使った酒粕がいつも余る……」
そのように、酒粕の使い道に困ったことがある方も多いのでは。
酒粕は日本の伝統食材で、酒粕を使った料理としては粕汁が有名です。実は、酒粕は粕汁以外にもさまざまな料理で使え、独特の風味が料理を一層おいしくしてくれます。
この記事では、3人子育て中の薬剤師・薬膳アドバイザーが酒粕を使った調味料を作る方法をご紹介します。普段はあまり酒粕を使わないという方でも、これらの方法を知っていると、とても便利です。酒粕を使った調味料があることで、料理をするのが楽しみになります。どの調味料も、酒粕を使ったことで風味が豊かで他にはない独特の味わいですよ。
この記事を参考に、酒粕を使った調味料を身近なものにして、気軽に使いこなせるようになりましょう。
目次
酒粕を料理に使うと嬉しいメリットって?
酒粕は、日本酒を作る過程で「もろみ」と呼ばれる液体部分をしぼった後に残る白い固形の物です。酒粕には、もろみの原料から由来するデンプンやタンパク質、食物繊維が含まれています。さらに、発酵過程でタンパク質が分解されてできるアミノ酸、ビタミン、ミネラルなどが豊富。このような栄養素は健康や美肌に良い影響をもたらすとされています。
酒粕の取り扱い注意ポイント
酒粕を上手に使うためには、以下の点に気をつけて取扱いましょう。
賞味期限
- 未開封の場合:
- 未開封の酒粕は3〜6ヶ月程度保存可能です。購入した際の賞味期限を参考にし、なるべく早めに使うことがおすすめです。
- 開封後の場合:
- 開封後は酒粕の風味を保つためにも、2週間以内に食べきるよう心がけましょう。冷凍保存も可能ですが、風味が落ちる可能性があるため、なるべく早めに使うことがおすすめです。
酒粕の冷蔵保存
未開封の場合、酒粕はそのまま冷蔵庫に保管します。開封済みの場合は、密閉容器や袋に入れて冷蔵庫へ。保存袋が膨らんでいる場合は、たまに袋を開封して空気を抜きましょう。
酒粕の冷凍保存
酒粕を冷凍する場合、冷凍用保存袋に入れ、できるだけ空気を抜いて冷凍庫で保存します。酒粕は冷凍しても柔らかく、使いやすい状態で保たれるのが利点です。使う際は少量ずつ加熱調理するか、冷蔵庫で解凍してから使用しましょう。また、酒粕を生のまま使う際には、少量の日本酒を加えると風味が増します。
酒粕がカビてしまった場合
酒粕がカビてしまった可能性がある場合、以下の対処法がおすすめです。
白いふわふわが付いていた場合
白いふわふわが付いている場合、カビの可能性があります。この場合は、残念ですが酒粕を廃棄しましょう。
黄色やピンクの変色がある場合
酒粕に黄色やピンクの変色がある場合、カビではなく、酒粕の成分が変化した可能性もあります。
見た目や匂い、味を確認してから使いましょう。
酒粕醤油の作り方
酒粕醤油は、風味豊かな調味料であり、さまざまな料理に活用できます。以下はその作り方です。
材料(作りやすい分量)
- 酒粕
- 大さじ3
- 醤油
- 大さじ3
- 砂糖
- 小さじ1(お好みで)
- みりん
- 小さじ1(お好みで)
手順
- 酒粕を滑らかなペースト状にするため、スプーンやフォークを使ってよく練ります。すり鉢で擦るのもおすすめです。
- 練った酒粕に醤油、お好みで砂糖、みりんを順番に加えてよく混ぜます。なるべくなめらかになるようによく混ぜましょう。
- 全ての材料が均一に混ざったら、煮沸消毒などで清潔にした容器に移し替えます。
蓋をして密閉し、冷蔵庫で1〜2日間寝かせることで風味がより一層引き立ちますよ。
- 保存期間
- 醤油の賞味期限と同様に、開封後は1年程度が目安とされていますが、早めに使い切りましょう。
- 保存方法
- 冷蔵庫で保存
酒粕味噌の作り方
酒粕味噌は、深い風味と豊かな旨みが特徴です。和食をはじめいろいろな料理に絶妙なアクセントを加えられますよ。
材料
- 味噌(2種類以上混ぜるのがおすすめ)
- 200g
- 酒粕
- 200g
- みりん
- 50g
手順
- 味噌をボウルに入れ、スプーンなどでよく練ります。2種類以上の味噌を組み合わせると、深い味わいが生まれますよ。
- 練った味噌に酒粕を加えて混ぜます。酒粕は滑らかなペースト状になるように練り込みましょう。均一に混ざっているか、確認します。
- みりんを加えてさらに混ぜます。
- すべての材料がしっかりと混ざったら、煮沸消毒などで清潔にした容器やチャック付き保存袋に移し替えます。
蓋をして密閉し、冷蔵庫で1〜2日間寝かせるのがおすすめです。風味がより一層引き立ちますよ。
- 保存期間
- 酒粕の保存期間と同様に、長くても半年程度とされています。
- 保存方法
- 冷蔵庫で保存
塩酒粕の作り方
塩酒粕は、酒粕と塩を組み合わせた調味料で、旨味と塩気が絶妙に調和します。以下はその作り方です。
材料
- 酒粕
- 500g
- 塩
- 250g
- 水
- 250g
作り方
- 酒粕をボウルに入れ、スプーンやフォークでほぐします。滑らかなペースト状になるよう、よく練りましょう。
- 塩を加えて混ぜ、均一になるよう混ぜます。
- 水を少しずつ加えながら、滑らかなペースト状になるように混ぜていきます。
- すべての材料がしっかりと混ざったら、煮沸消毒などで清潔にした容器やチャック付き保存袋に移し替えます。
- 保存期間
- 酒粕の保存期間と同様に、長くても半年程度とされています。
- 保存方法
- 冷蔵庫で保存
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酒粕の調味料を使ったおすすめレシピ
酒粕味噌や酒粕醤油など、酒粕の調味料を料理に入れると、それだけでワンランク上の味を楽しめますよ。以下で簡単にできるおすすめレシピを2つご紹介します。どちらも手軽にできるので、ぜひ作ってみてくださいね。
鶏もも肉と玉ねぎのクリーミー酒粕味噌のグラタン
酒粕味噌の深い味わいが、クリーミーなグラタンの絶妙なアクセントになります。普段のグラタンに酒粕味噌を追加するだけでも味の印象が大きく変わりますよ。具材もお好みでかまいません。自由にアレンジして楽しんでくださいね。
材料
- 鶏もも肉
- 200g
- 玉ねぎ
- 1/2個
- マカロニ
- 適量
- ホワイトソース
- 200ml
- 酒粕味噌
- 大さじ2
- とろけるチーズ
- 適量
- パン粉
- 適量
- オリーブオイル
- 適量
- 塩
- 適量
- コショウ
- 適量
作り方
- 鶏もも肉を一口大に切り、塩・コショウをふります。
- フライパンにオリーブオイルを入れ、1を焼きます。
- 玉ねぎを薄切りにし、2のフライパンに入れ、さらに炒めます。
- マカロニを表示通りに茹で、水気を切ります。
- ホワイトソースに酒粕味噌を加え、よく混ぜます。
- グラタン皿に、3と4を入れ、5をかけます。
- 6にとろけるチーズをのせ、パン粉をかけ、オリーブオイルを回しかけて、200℃のオーブンで15分程度焼きます。
※トースターでも調理可能です。チーズがとろりと溶けるまで加熱してください。
パリポリきゅうりの酒粕醤油漬け
材料(2〜3人分)
- キュウリ
- 2本程度
- 酒粕醤油
- 適量
作り方
- キュウリの両端を切り落とし、半分に切ります。
- ポリ袋に酒粕醤油と1を入れます。
- 冷蔵庫で2〜3日程度漬け、お好みの漬け具合まで保存します。
- 軽く酒粕醤油を落として、できあがりです。
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酒粕の魅力を余すことなく味わいましょう!
日本の伝統的な食材、酒粕を使った調味料はとても風味豊かで、料理のアクセントにぴったり。ご紹介した酒粕醤油、酒粕味噌、塩酒粕などは簡単に作れるのでぜひ作ってみてくださいね。
発酵食品なので、食物繊維が豊富に含まれています。腸内環境を整えて、健康に良い影響を期待できます。さらに、酒粕にはビタミンやミネラル、たんぱく質も含まれているので、栄養価も高いですよ。
ぜひ酒粕で料理のバリエーションを広げてくださいね。