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納豆を食べるとどんな効果がある?食べ過ぎるとデメリットも!

執筆者 安田あかり | 更新日:2023.10.20

「今は食べていないけれど、健康のために納豆を食べようかな」
「納豆が健康に良いのは分かるけど、具体的にどういいの?」
「納豆を食べるときの注意点って何かある?」
日本の伝統的な発酵食品である納豆は、健康に良いというイメージはなんとなくありますよね。
調理の必要がなく、そのまま食べられるため手軽ですし、含まれている栄養も豊富です。
適量を継続的に食べることで健康や美容に嬉しい効果があります。
今回は、納豆を食べるとどんな効果があるのか、食べる際の注意点などをご紹介します。

発酵食品の納豆に含まれる代表的な栄養

納豆 栄養

納豆にはたくさんの栄養が含まれています。
特に代表的な6つの栄養や成分についてご紹介します。

納豆に含まれる栄養① たんぱく質

たんぱく質は私たちの体を構成する筋肉や臓器など、あらゆる細胞の材料として欠かせない栄養素です。

納豆100gあたりに含まれるたんぱく質は16.5gで、納豆1パック(50g)当たりで約8.3gのたんぱく質が含まれています。(参考1):文部科学省-日本食品標準成分表2020年(八訂)
肉や魚に比べるとたんぱく質量は多くはありませんが、納豆はそのまま食べられるため、手軽にたんぱく質摂取ができます。

納豆に含まれる栄養② ビタミン類

納豆に含まれるビタミン類の中でも、特に多く含まれているのはビタミンB2やナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチン、ビタミンKです。

納豆に多く含まれるビタミン類はたらき
ビタミンB2脂質をエネルギーへ代謝するはたらきを助ける
ナイアシン過剰なコレステロールの回収やホルモンの産生
葉酸赤血球の合成や細胞の産生
胎児の神経管閉鎖障害のリスクを低下
ビオチン皮膚や粘膜、爪、髪の毛の健康に関わる
ビタミンK血液を凝固する
カルシウムを骨に定着させる

ビタミン類はいずれも体の機能を調節するために必要な栄養素です。

納豆に含まれる栄養③ ミネラル類

ミネラル類は体内で起こるさまざまな反応に欠かせない栄養素です。

納豆に多く含まれるミネラル類はたらき
カリウム過剰なナトリウムを排出し、血圧を正常に保つ
筋肉の収縮に関わる
マグネシウム骨の合成など、多数の酵素反応に関わる
亜鉛味覚を正常に保つ
免疫反応の調節やたんぱく質の代謝に関わる
赤血球の産生を助ける
活性酸素の除去、骨の形成を助ける

ミネラルが不足すると、体の不調を起こす場合がありますので、普段の食事でしっかりミネラルも取っておきたいところです。

納豆に含まれる栄養④ 食物繊維

納豆には100gあたり6.7gの食物繊維が含まれています。(参考1):文部科学省-日本食品標準成分表2020年(八訂)
食物繊維はエネルギーとして利用されることなく、消化管を通過する過程で、老廃物や余分な脂質・ナトリウムなどを吸着・排出するはたらきがあります。
そのため、肥満や生活習慣病の予防・改善のためにも積極的に摂取したい栄養素です。

納豆に含まれる栄養⑤ ナットウキナーゼ

ナットウキナーゼは納豆のねばねばとした部分に含まれている、たんぱく質分解酵素の1つです。
ナットウキナーゼには血栓を溶かす作用や高血圧予防、血流をスムーズにする効果などがあります。
血栓が生じた場合、血流が途絶え、各臓器に血液が届かなくなり、脳梗塞や心筋梗塞を発症するため、命に関わります。
血栓予防や高血圧予防のためにも納豆を取り入れるのは有効です。

納豆に含まれる栄養⑥ 大豆イソフラボン

大豆イソフラボンは大豆に含まれるポリフェノールの仲間です。
大豆イソフラボンの化学構造が女性ホルモンと似ており、体内で女性ホルモンと似た作用をします。(参考2)厚生労働省-大豆及び大豆イソフラボンに関するQ&A
女性ホルモンが減少することによる更年期障害の症状改善や骨粗しょう症の予防などに効果があると言われています。

納豆を食べる効果とは?

納豆を食べる効果

納豆を食べると期待できる効果としては以下5つが挙げられます。

  • 腸内環境を整える
  • 免疫力アップ
  • 血栓予防&血圧の正常化
  • 骨粗しょう症の予防
  • 更年期障害の改善

1つずつ解説をします。

納豆を食べる効果① 腸内環境を整える

発酵食品は「腸活」に良いとされている食品です。
発酵食品の中でも、納豆は「納豆菌」を含みます。
この納豆菌は腸内の悪玉菌を減らし、体に悪影響を及ぼす細菌の増殖を抑えます。
そして納豆菌は善玉菌としてはたらき、ほかの善玉菌の増殖を助け、腸内環境を整えます。
納豆に含まれる食物繊維も、腸内環境を整えるのに役に立つ栄養素です。
食物繊維には、便を軟らかくする水溶性食物繊維と、便のかさを増やして腸の運動を促す不溶性食物繊維の2種類がありますが、納豆にはそれぞれの食物繊維がバランスよく含まれています。
そのため、便通が良くなり老廃物や不要な物質が排出されますので、肌荒れが改善するなどの美容面でも嬉しい効果が期待できます。

納豆を食べる効果② 免疫力アップ

外部からのウイルスや病原菌などから私たちを守ってくれる免疫機能の約70%は腸に存在していると言われています。
つまり、腸内環境を整えることが、免疫機能を向上させ、免疫力アップにつながります。
また、納豆に含まれるたんぱく質は、免疫細胞や抗体を構成するためにも欠かせませんし、ビタミン類も免疫機能が働く上では重要な栄養素です。
納豆は、免疫機能に必要なものがぎゅっと詰まった食品だと言っても過言ではなさそうです。

納豆を食べる効果③ 血栓予防&血圧正常化

納豆に含まれるナットウキナーゼは、血栓を溶かし、血液をサラサラにします。
血栓は血液が固まったものであり、血液がどろどろとした状態だと生じやすいです。
血栓は脳梗塞や心筋梗塞の原因になりますし、血栓により血管が狭くなることで血圧が高くなってしまいます。
血栓を予防して、血圧を正常に保つように働きかけます。

納豆を食べる効果④ 骨粗しょう症の予防

納豆に含まれているビタミンKはカルシウムが骨に沈着するのを助け、高齢者に多い骨粗しょう症を予防するのに役立ちます。
骨粗しょう症は骨の強度が弱くなり、骨折しやすくなる病気のことです。
閉経後は女性ホルモンの分泌が激減し、骨を作る細胞がはたらかなくなってしまい、骨粗しょう症のリスクが高まります。
しかし、納豆に含まれるビタミンKが骨の形成をうながすようはたらき、骨の強度が強くなります。
また、納豆に含まれる大豆イソフラボンは、女性ホルモンと似たはたらきをするため、骨粗しょう症の予防に効果があると言われています。

納豆を食べる効果⑤ 更年期障害の改善

納豆を食べることによって、更年期特有のトラブルが改善するかもしれません。
納豆に含まれる「大豆イソフラボン」は女性ホルモン「エストロゲン」と似たはたらきをし、女性の美しさや若々しさを保ちます。
年を重ねると、エストロゲンの分泌量は減少し、閉経前後に「更年期障害」と呼ばれる体や精神面でのトラブルが見られる場合があります。
更年期障害で見られるトラブルとして、ほてりやのぼせ(ホットフラッシュ)、動悸、息切れなどです。
大豆イソフラボンはエストロゲンの不足を補うようにはたらき、トラブルを軽減してくれます。

納豆を食べるときの注意点

注意点 サプリ

納豆は健康や美容への効果が期待できる食品ではありますが、注意点があります。
今回は注意点3つをご紹介します。

納豆菌過剰摂取による腹痛や下痢

納豆を食べることによって、さまざまな嬉しい効果がありますが、食べる量が多いほど良いというわけではありません。
納豆の食べ過ぎにより納豆菌が過剰になってしまうと、腹痛や下痢などを起こす場合があります。
納豆菌は生命力が強く、熱や胃酸にも負けずに生きたまま腸内へ届きます。
そのため腸内で納豆菌が増えすぎてしまい、腸内細菌のバランスが崩れて、お腹の調子が悪くなることがあります。
納豆は1日1パックを目安に食べることが望ましいです。

プリン体過剰摂取による高尿酸血症の恐れ

納豆にはプリン体が含まれており、プリン体を過剰摂取すると高尿酸血症になる場合があります。
プリン体は細胞の構成成分であり、主に含まれている食品は、動物性の食品(特にレバーや魚卵)やビールなどです。
プリン体を摂取すると尿酸という成分に代謝・排泄されますが、肥満や過食、ストレスによって血液中の尿酸濃度が高まり、「高尿酸血症」を発症してしまいます。
その結果、足の小指といった関節部分に尿酸が溜まり、激しい痛みをともなう「痛風」を発症してしまうのです。
日本痛風・尿酸核酸学会の「高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン」ではプリン体摂取量を1日400mg以下にすることが推奨されています。(参考3)日本痛風・尿酸核酸学会-高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン
1日400mgとは納豆約7パック分に相当しますが、プリン体を多く含む食品を一緒に食べるときには、納豆を食べる量を調整する必要があるかもしれません。

ワルファリンを服用している方は納豆を食べてはいけない

「ワルファリン」と呼ばれる薬を服用中の方は納豆を食べてはいけません。
ワルファリンは血液を固まりにくくし、心筋梗塞や脳梗塞の発症を防ぐ薬です。
一方で納豆に多く含まれているビタミンKは、血液を固める作用があり、出血時の止血に関与するビタミンです。
このビタミンKの作用はワルファリンに影響し、薬の効果を減弱させます。
納豆を食べて、ワルファリンの効果が弱くなると、血栓ができやすくなり、心筋梗塞や脳梗塞を発症する可能性もあります。
ワルファリンを処方された際には、納豆を食べてはいけない旨の指導があるかと思いますので、注意しましょう。
(参考4)慶應義塾大学病院-納豆・クロレラ食品

納豆をより効果的に食べる方法

納豆 食べ方

納豆はいつ食べるか、どのように食べるかなどは自由ですが、実は納豆の効果を引き出すための食べ方があります。
納豆の効果をより引き出すための食べ方を3つ紹介します。

そのまま加熱せずに食べる

納豆に含まれるナットウキナーゼの効果を無くさないために、納豆は加熱せずに食べるのがおすすめです。
ナットウキナーゼは、血栓を予防するはたらきがありますが、たんぱく質でできている酵素なので加熱すると失活し、効果が得られません。
ナットウキナーゼの効果を得るためにも、加熱せずそのまま食べましょう。

他の食材と組み合わせて食べる

納豆を単体で食べても美味しいですが、他の食品と組み合わせて食べることもおすすめです。
例えば「納豆+キムチ」の組み合わせはとても相性が良いです。
納豆には納豆菌、キムチには乳酸菌といった腸内環境を整える善玉菌が含まれています。
さらに、納豆に含まれるオリゴ糖がキムチの乳酸菌のエサになり、整腸効果がより期待できます。

夕食時に食べる

納豆は基本的にいつ食べてもかまいませんが、「ナットウキナーゼによる血栓予防」というポイントで見ると、納豆は夕食時に食べると効果的です。
ナットウキナーゼは、血液をサラサラにして血栓を予防するはたらきがあります。
血液は夜中から朝にかけてが固まりやすく、血栓ができやすいとされていますが、夕食時に納豆を食べることで、寝ている間にナットウキナーゼがはたらき、血栓予防に良いと言われています。

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納豆は健康と美容に嬉しい効果がある!

納豆

納豆を食べることによる効果や注意点、含まれる栄養について解説をしました。
納豆には、健康と美容を維持するために必要な栄養が豊富に含まれていることが分かったかと思います。
ぜひ、日常生活に少しずつ納豆を取り入れて、健やかな毎日を過ごしましょう。

【参考文献】

参考1:文部科学省-日本食品標準成分表2020年(八訂)
参考2:厚生労働省-大豆及び大豆イソフラボンに関するQ&A
参考3:日本痛風・尿酸核酸学会-高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン
参考4:慶應義塾大学病院-納豆・クロレラ食品

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執筆者
安田あかり

管理栄養士資格を取得後、有料老人ホームや大学に勤務。 有料老人ホームでは、献立作成や食材発注業務を経験。 その後、管理栄養士学科のある大学の助手として、管理栄養士を目指す学生へのサポートに尽力しておりました。 また、スキルアップのため、フードコーディネーター2級の資格も取得。 現在はWebライターとして「根拠のある内容を分かりやすく伝える」を意識し、ためになる情報をお伝えします。

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監修

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圓尾和紀(まるお・かずき)

管理栄養士。静岡県立大学で修士号を取得後、管理栄養士として総合病院に勤務。現在は独立し、日本の伝統食とファスティングの良さを伝える活動に携わる。メディア出演多数、著書 『一日の終わりに地味だけど「ほっとする」食べ方』(2017年)。

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