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発酵あんこの作り方|お砂糖なし・優しい甘味を自宅で簡単に楽しもう

執筆者 中山直紀 | 更新日:2023.12.1
発酵あんこの作り方|お砂糖なし・優しい甘味を自宅で簡単に楽しもう

体に良いと言われる小豆。
薬膳では、「赤小豆(セキショウズ)」と言って利尿作用や解毒作用を高めるときに使います。
小豆といえば「あんこ」ですが体に良い「発酵あんこ」がおすすめです。

「発酵あんこ」とは、茹でた小豆を米麹で発酵させたものです。
普通のあんことの違いは、砂糖を使わず麹発酵による透過作用で自然な甘味があることです。

今回は、自宅で簡単にできる「発酵あんこ」の作り方やレシピを説明します。
自宅にある炊飯器やヨーグルトメーカーなどの調理器具で簡単に作ることができますよ。

発酵あんこの作り方

発酵あんこの作り方

発酵あんこを自宅で作る際に。失敗しないポイントは、

  1. 小豆の下処理を丁寧にする
  2. 水分量のバランス
  3. 発酵時間と温度を守る

の3点を守ることです。

それでは、小豆の下処理と自宅にある色々な調理器具を使った作り方をご説明します。
発酵あんこは、温度管理が大切なので「100℃の温度計」があると便利です。

小豆の下処理

まず、小豆は下処理が必要です。この工程を適当にしてしまうと発酵がうまくできず、味にも影響が出るので丁寧に行いましょう。
余談ですが、渋切りで水切りした煮汁はポリフェノールが豊富で健康に良いので「小豆茶」として飲んでも良いですよ。

調理時間の目安:約2時間

材料

小豆
200g

作り方

  1. 小豆を水で2〜3回よく洗い、ザルで水を切る。
  2. 洗った小豆を大きめの鍋に移し、たっぷりの水で茹でる。
  3. 沸騰したら、火を止めて蓋をし20〜30分放置し蒸らす。
  4. 蒸らした小豆をザルにあけ、しっかりと水気をきる。【渋切り】
  5. 渋切りした小豆を鍋にもどし、4〜5倍の水で茹でる。
  6. 沸騰したら中火にして50分を目安に茹でる。
  7. 途中、灰汁を取り小豆が自ら出てしまうようならお湯を足す。
  8. 指で簡単に小豆が潰れるようになったら、蓋をして20〜30分蒸らす。

この後ご紹介する調理では、この下処理をした小豆を使用していきます。

炊飯器

炊飯器

調理時間の目安:約8〜10時間

材料

下処理した小豆(茹で汁も)
適量
米麹
200g
1〜2g

作り方

  1. 下処理した小豆をザルにあける(茹で汁は捨てない)。
  2. 小豆を炊飯器の内釜に入れ温度計で60℃になるまで冷ます。
  3. 米麹入れよく混ぜる。
  4. 茹で汁をしっとりするまで足す。
  5. 炊飯器を「保温」に設定して濡れ布巾を被せる(蓋は開けた状態)。
  6. 55〜60℃を保ち、2〜3時間おきにかき混ぜながら8〜10 時間発酵させる。
  7. 甘い香りがしてきたら塩を加えて完成。

ヨーグルトメーカー

ヨーグルトメーカー

調理時間の目安:約10時間

材料

下処理した小豆(茹で汁も)
適量
米麹
200g
1〜2g

作り方

  1. 下処理した小豆を器で60℃になるまで冷ます。
  2. 米麹を足し、よく混ぜる。
  3. 茹で汁をしっとりするまで足す。
  4. ヨーグルトメーカーに③を移し、ヨーグルトモードに設定。
  5. 温度を60℃で8時間発酵させる。
  6. 2〜3時間おきによくかき混ぜる。
  7. 甘い香りがしてきたら塩を足して完成。

電気圧力鍋

電気圧力鍋

調理時間の目安:約9時間

材料

小豆
200g
米麹
200g
2g

作り方

  1. 小豆を水で洗い、電気圧力鍋に入れて600ccの水を加える。
  2. 蓋をして15分加圧する。
  3. 蒸気が落ち着いたら小豆をざるで濾し、茹で汁は取っておく。
  4. 小豆をすり棒などで少し潰す。
  5. 60℃ほどに冷ます。
  6. 米麹を混ぜ、しっとりするまで煮汁を足していく。
  7. 電気圧力鍋を低温調理機能に設定し、蓋は圧力がかからない方に排気する。
  8. 60℃・8時間で調理を開始する。
  9. 2〜3時間したら1度かき混ぜる。
  10. 調理が終了したら塩を足して完成。

発酵あんこの消費期間と保存方法

発酵あんこの消費期間と保存方法

発酵は、常温では進んでしまい乳酸菌が増えやすくなってしまいます。
そのため、保存方法は密閉容器や袋を使い冷蔵庫で保存すると良いです。
発酵あんこの消費期間は、5日から1週間くらいで食べ切るようにしましょう。

冷凍保存は可能ですが、解凍時に水分が抜けてしまうので食感にパサツキが増しやすいのでおすすめできません。
冷凍保存する場合は、下処理をした小豆と茹で汁の状態で保存すると良いです。

発酵あんこをちょっとアレンジ

発酵あんこをちょっとアレンジ

発酵あんこを作っては見たけど使い方がわからないという方もいるかもしれません。
そこで、発酵あんこのアレンジアイデアをいくつかご紹介します。

おしゃれスイーツにアレンジ

ミルク系やチョコレート系との相性がよい発酵あんこ!
以前、自分の店でも提供していた発酵あんこスイーツです。

  • 発酵あんこinパンナコッタ
  • チョコレートフォンデュに発酵あんこを添えて
  • 発酵あんことベリーの寒天スイーツ
  • 発酵あんことりんごフィリングのパートブリック焼き

このようなスイーツを提供していました。
ちょっとした工夫で発酵あんこを活かした食べ方ができるでしょう。

パートブリック焼

調理時間の目安:約5〜10分

材料(4人分)

パートブリック
4枚
発酵あんこ
80g
りんごフィリング
60g
蜂蜜
40g
シナモン
溶かしバター

作り方

  1. パートブリック中央手前にりんごフィリング15g、発酵あんこ20g、蜂蜜10g、の順で乗せシナモンを少量ふる。
  2. 春巻きを作るように巻き上げ端に溶かしバターを塗って止める。
  3. 上になる部分に溶かしバターを塗って、トースターで5〜8分程度焼く。
  4. 狐色に焦げ目がついたら取り出し皿に盛り付け完成。

チョコレートやアプリコットジャムなどを添えると相性が良いです。
パリパリともっちり食感の中に、りんごの酸味と発酵あんこの自然な風味をお楽しみください。

料理に活用

発酵あんこは、砂糖の甘味がないので料理に活用することもできます。
サラダや、和物(あえもの)との相性も良いです。
豆料理の一品と考えるとアイデアも浮かびやすいかもしれません。

私のおすすめは、マヨネーズを入れてポテトサラダのような食べ方です。
火を加えないので麹菌の力も失うことなくいただけますね。

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発酵あんこを自宅で楽しもう

発酵あんこを自宅で楽しもう

あんこは、ヘルシーなスイーツとしても人気があります。
今回ご紹介した発酵あんこは、米麹の発酵がもたらす自然の甘みを楽しめます。

発酵あんこは、家庭にある色々な調理器具で作ることができます。
今回ご紹介した方法の中で自分にあった作り方で発酵あんこを楽しんでいただければと思います。

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執筆者
中山直紀

東洋文化の薬膳と心理カウンセリングの知識を結集し、バランスの取れた健康を提案する専門家です。イタリアンレストランのオーナーシェフとしての経験から得た創造力と繊細な味わいを、WEBライティングの世界に活かしています。私の好きなことは、健康で充実した人生を送るための情報をお届けすることにあります。あなたの心身の健康を薬膳や心理学の視点からサポートし、自己成長や幸福感の向上を促します。魅力的で分かりやすい文章で、読者の心に響くコラムをお届けしたいと思っています。一緒に理想のライフスタイルを築きましょう。

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監修

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圓尾和紀(まるお・かずき)

管理栄養士。静岡県立大学で修士号を取得後、管理栄養士として総合病院に勤務。現在は独立し、日本の伝統食とファスティングの良さを伝える活動に携わる。メディア出演多数、著書 『一日の終わりに地味だけど「ほっとする」食べ方』(2017年)。

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