梅仕事の一つに梅味噌作りがあります。
梅仕事とは、梅が旬を迎える季節に自家製の梅干しや梅酒などの保存食を作ることです。
「梅雨」の季節にあたる6月頃が梅の旬といわれています。
梅味噌とは、梅干しと味噌を組み合わせた調味料のこと。
梅干しの酸味と、味噌の深いコクと塩味が絶妙に調和し、そのバランスが他にない味わいです。
この記事では、梅味噌の簡単な作り方とアレンジの方法をご紹介します。
梅味噌を使って料理のレパートリーを増やし、昔から伝わる伝統的な味覚を楽しみましょう。
梅味噌の作り方
梅味噌の作り方をご紹介します。
子どもも食べやすい甘みがあるものと、酸味が爽やかな甘くない2パターンです。
お好みに合わせて作ってくださいね。
梅の下処理・容器の消毒
梅味噌作りのための梅の下処理の方法をご紹介します。
【材料】(作りやすい分量)
- 梅
【そのほか必要備品】
- 漬物容器またはタッパー(容量1.8L程度。熱湯消毒ができ、密閉できるもの)
- ふきん
- 竹串またはようじ
- アルコール
【作り方】
- 梅を流水で洗い、水気をきります。
傷が深く付いている梅は取り除きましょう。
表面が茶色くなっている程度ならそのまま使用して構いません。 - 梅に傷を付けないようにして、竹串またはようじでへた(なり口)を取ります。
- 梅の水気をふき取ります。
水分があるとカビの原因になるので、ふきんがぬれてきたら新しいものに替えてください。 - 漬物容器かタッパーはよく洗って熱湯をかけて乾かし、アルコール少々で消毒します。
甘酸っぱい♪ まろやか梅味噌
【材料】(作りやすい分量)
- 梅
- 500g(黄色く熟したものがおすすめです)
- 味噌
- 500g
- 砂糖
- 250~300g(お好みで加減してください)
【そのほか必要備品】
- 漬物容器またはタッパー(容量1.8L程度。熱湯消毒ができ、密閉できるもの)
- ふきん
- 竹串またはようじ
- アルコール
- ラップ
【作り方】
- 梅を下処理します。
- 半量の味噌、半量の砂糖、梅、残りの砂糖、味噌の順で重ね入れます。
- 2の表面が空気に触れないようにラップを張り付けます。
- 冷蔵室で保存し、ときどき混ぜ合わせます。
- 1カ月ほど置き、梅から水気がでて味噌がゆるくなっていたら、清潔なスプーンでかき混ぜて表面にラップを戻します。
- その後はときどき様子を見て、さらにゆるくなっていたら混ぜます。
- 1〜3ヶ月間漬け込んでできあがりです。
砂糖なしの甘くない梅味噌
【材料】(作りやすい分量)
- 梅
- 500g(黄色く熟したもの)
- 味噌
- 750g
【そのほか必要備品】
- 漬物容器またはタッパー(容量1.8L程度。熱湯消毒ができ、密閉できるもの)
- ふきん
- 竹串またはようじ
- アルコール
- ラップ
【作り方】
- 梅を下処理します。
- 半量の味噌、梅、残りの梅、味噌の順で重ね入れます。
- 2の表面が空気に触れないようにラップを張り付けます。
- 冷蔵室で保存し、ときどき混ぜ合わせます。
- 1カ月ほど置き、梅から水気がでて味噌がゆるくなっていたら、清潔なスプーンでかき混ぜて表面にラップを戻します。
- その後はときどき様子を見て、水分が出てゆるくなっていたら混ぜます。
- 1〜3ヶ月間漬け込んでできあがりです。
【簡易版】レンジを使った梅味噌の作り方
レンジを使う短時間でできる梅味噌のレシピです。
電子レンジはお使いの機種によって加熱時間が異なります。
適宜調整してくださいね。
【材料】(作りやすい分量)
- 完熟梅
- 150g
- 砂糖
- 150g
- 味噌
- 150g
【そのほか必要備品】
- 漬物容器またはタッパー(容量1.8L程度。熱湯消毒ができ、密閉できるもの)
- ふきん
- 竹串またはようじ
- ラップ
【作り方】
- 完熟梅を水に1時間ほど浸し、灰汁を抜きます(青梅の場合は半日)。
- 梅に傷を付けないようにして、竹串またはようじでへた(なり口)を取ります。
- 梅の水気をふき取ります。
水分があるとカビの原因になるので、ふきんがぬれてきたら新しいものに替えてください。 - 耐熱容器に味噌と砂糖を混ぜ、3の梅を入れて軽く混ぜ合わせます。
- ラップをかけ500wで約5分加熱します。(梅の固さによって加熱時間を調整してください)
- 電子レンジから取り出し、梅をザックリ潰します。(柔らかくなっているのでスプーンで簡単に潰れます)
- ラップをせずに500wで約5分、とろみがつくまで加熱します。
途中で焦げないようにかき混ぜましょう。 - 漬物容器またはタッパーなどに移し、冷蔵庫で2~3日熟成させてできあがりです。
梅味噌作りのコツ
梅味噌を作る際、梅味噌に適した梅や味噌を選ぶことが重要です。
梅味噌を作る際のポイントについてご紹介します。
梅の選び方
梅は大きめの梅でも小さめの梅でも構いませんが、漬け込む場合は小さい梅の方がおすすめです。
早くしわしわになり、梅のエキスが出やすくなります。
梅の完熟度はお好みのものを使って作れます。
青梅は酸味が豊富でさわやかな風味の梅味噌になり、一方で黄色くなった、完熟の香りが出た梅を使用することで、よりまろやかな梅味噌ができますよ。
電子レンジで加熱する場合は、潰しやすい完熟梅や冷凍梅が使いやすいでしょう。
味噌の選び方
梅味噌に使う味噌は、原材料がシンプルな無添加の味噌がおすすめです。
ダシ入り味噌や調整味噌などの加工味噌は不向きです。
減塩味噌や西京味噌などの塩分が低いものも避けた方がいいでしょう。
その他のポイント
漬物容器の素材は、ガラスやホーローがおすすめです。
そのまま熱湯消毒することができます。
煮沸消毒またはアルコール消毒を行い、水分をしっかり拭き取った状態で、梅味噌を入れるようにしてください。
出来上がりは、味見をしながら好みのタイミングで梅を引き上げるか、梅の種を取って果肉をフードプロセッサーやミキサーなどにかけて混ぜてもおいしく召し上がれます。
容器の開閉の頻度を少なめにし、密閉させて空気に触れさせないようにしておくと、カビや雑菌の発生を押さえることができます。
発酵が進むと泡が出てきますが、発酵が進む過程で起こることなので問題ありません。
発酵が進むと泡の量が減っていきますよ。
梅味噌を使ったアレンジレシピ
梅味噌は、梅の爽やかな香りと酸味、味噌のコクを生かしてさまざまなアレンジ料理を楽しめます。
おすすめのレシピをご紹介します。
梅味噌ぶっかけうどん
梅味噌がすっきりとしながらもコクのある風味を醸し出すうどんのレシピです。
合わせる具合はお好みでアレンジして乗せてくださいね。
【材料】(2人前)
- 冷凍うどん
- 2人分
- 梅味噌
- 50g
- めんつゆ
- 大さじ1
- ゆで卵
- 1個
- トマト
- 1/2個
- おくら
- 2本(茹でる)
- 大葉
- 4枚
- ちりめんじゃこ
- 大さじ1
- いりごま
- (適宜)
【作り方】
- トマトはくし型に切り、おくら、大葉は千切りにする。
- 冷凍うどんは茹でて、冷水で冷やし、器へ盛る。
- 梅味噌とめんつゆをよく混ぜ合わせ、2にかける。
- 3に1を盛り付け、半分に切ったゆで卵、ちりめんじゃこ・ごまを振り、よくかき混ぜてできあがりです。
さっぱり梅味噌ヒレカツ
豚のヒレカツに梅味噌を使ったソースをたっぷりかけて。
キャベツの千切りと合わせて、熱々のご飯の上に乗せてどんぶりにしてもおいしいですよ。
【材料】(2人分)
- 豚ヒレカツ用の豚肉
- 2枚
- 梅味噌
- 大さじ2
- ソース
- 大さじ1
- パン粉
- 適量
- 卵
- 1個
- 小麦粉
- 適量
- 揚げ油
- 適量
【作り方】
- 豚ヒレカツ用の豚肉を適切な大きさに切ります。
- 梅味噌とソースを混ぜ合わせます。
- 小麦粉、溶き卵、パン粉の順につけて揚げます。
- 中温の油でカリッと揚げます。
- 揚げた豚ヒレカツの上に2のソースをかけてできあがりです。
梅味噌の納豆アボカドキムチ丼
いつも食べている納豆ご飯が、梅味噌を入れることでワンランク上の味に。
アボカドやキムチとの相性もいいので、ぜひ作ってみてください。
【材料】(1人前)
- ごはん
- 150g
- 梅味噌
- お好みで
- 納豆
- 1パック
- アボカド
- 1/2個
- キムチ
- 大さじ1
- 納豆付属のタレ
- 1袋
- 白いりごま
- 適量
【作り方】
- ボウルに梅味噌と納豆付属のタレを入れて混ぜ合わせます。
- 納豆を粘り気が出るまで混ぜます。
- アボカドは種をとり、食べやすい大きさに切ります。
- キムチを食べやすい大きさにカットします。
- 丼にごはんを盛って、2、3、4をのせたら、白いりごまを振ってできあがりです。
梅味噌のQ&A
梅味噌のよくあるご質問にお答えします。
保存期間と保存方法
梅味噌の保存期間は、冷蔵保存で約1年間、常温保存では2〜3ヶ月程度です。
常温の場合、直射日光の当たらない涼しい場所に置きましょう。
一ヶ月後からは冷蔵庫で保存するほうがいいでしょう。
保存する保存袋や容器は煮沸消毒またはアルコール消毒を行い、水分をしっかり拭き取った状態で梅味噌を入れましょう。
梅味噌は何年くらい持つ?
状態が良い場合、3年以上保存可能とされています。
梅味噌の爽やかな酸味と味噌のコクを楽しもう!
爽やかな酸味と味噌のコクが特徴的な梅味噌。
そのまま食べるのも良し、料理に深みと風味を与える万能調味料として、さまざまなアレンジ料理が楽しめます。
必要な材料を準備さえすれば、自宅で簡単に作れますよ。
手作りの梅味噌にチャレンジして、料理の幅を広げてみましょう!