炭水化物と聞くと「太りそう」「摂りすぎはよくないよね」なんて思いがちではないですか? 実は、炭水化物は人間が生きていくためのエネルギー源になる、体にとってとても必要な栄養素なんです。
生きるにはカロリーを持つ3つの栄養素、炭水化物、たんぱく質、脂質が必要不可欠です。摂り過ぎはもちろん太りますが、炭水化物は選び方や食べ方を意識することで、やせ体質がつくれる嬉しい栄養素でもあるのです。
炭水化物には、「ごはん」のように甘くない炭水化物と「砂糖」のように甘い炭水化物の2種類があります。さて、どちらを選べばやせ体質が作れるのでしょうか?
甘くない炭水化物はやせ食材
ごはんと砂糖の100g中栄養素の内訳を比べてみましょう。
砂糖
エネルギー量384kcal
炭水化物99.2g
たんぱく質0g
脂質0g
ビタミン0g
ミネラル0g
ごはん(炊飯前)
エネルギー量 358kcal
炭水化物74.5g
たんぱく質6.1g
脂質0.9g
ビタミン1.434mg
ミネラル216.301mg
砂糖の方が炭水化物の量が多いとわかります(炭水化物には甘い成分である糖質が含まれています)。
注目していただきたいのが、含まれるビタミンとミネラルの量。精白米にはビタミンやミネラルが含まれます。どんなビタミンやミネラルが含まれているのかというと、ごはんが含む糖質の代謝に必要なビタミンB群や、その働きをサポートするミネラルです。つまり「ごはん」は自分の持っている糖質を自己消化できるということ。摂ったカロリー源がスムーズにエネルギーに変換されれば太りませんよね。
ダイエットに有効な食べ方
ダイエットのために「ごはん」を控えていませんか? 1日に必要な糖質の量は決まっているため、ごはんからの糖質の摂取を控えると糖質がみょうに欲しくなり、甘い菓子類を食べたくなる衝動に駆られます。これは体の中の糖質が不足しているため、欲している生理的な現象です。糖質補給はビタミン、ミネラルの入っている「ごはん」で摂ることの方がいいのはもうお分かりですよね。
もう一つ、ごはんを食べるメリットとしては、甘くない炭水化物よりも腹持ちがよいということがあげられます。甘い炭水化物はすぐにお腹が空いてしまうため、ちょこちょこ甘いお菓子や飲み物をつまみたくなります。食事の時にしっかり「ごはん」を食べれば、間食がなくなりますよ。
甘くない炭水化物の選び方も大切
甘くない炭水化物の中にも太りやすいものと太りにくいものがあります。炭水化物といえば、ごはんやパン、うどん、そば、パスタなどですね。その中でごはんが一番のやせ食材としてお勧めする理由があります。
唾液は糖質の消化酵素が含まれています。食べる際は咀嚼が必要ですが、この咀嚼がたくさんできるものほど、唾液の分泌が良くなる=胃と腸の働きが良くなり消化酵素の分泌が良くなり消化がスムーズになります。
ちなみに、パンや麺類はたくさん噛みたいけど、噛めないですよね。パンは柔らかいので、口の中で溶けてしまいますし、麺は「ツルツル」っと、のど越しを楽しむものでもありますから、噛まないで食べていることがほとんど。それに引き換え「ごはん」はしっかり噛めますね。ダイエットへの貢献度が高い食材なのです。
甘酒には糖質を代謝させるビタミンB群がたっぷり含まれている
甘酒はごはんと米麹を60℃前後で発酵させて作ります。発酵によってビタミンやミネラル、旨味成分などが作られます。中でも糖質の代謝に必要なビタミンB群が豊富なのが特徴です。
甘い炭水化物がほしくなったら、甘いお菓子ではなく自己代謝のできる甘酒を飲むことで、ダイエット効果も期待できます。
また料理に使用する際にも砂糖の代わりに甘酒を使えばビタミン、ミネラルも栄養満点のおかずに変身します。
栄養満点の代謝UPメニューをご紹介
ごはんとの愛称抜群の甘酒味噌ダレの作り方と、このタレを使った2種類の料理をご紹介します。
◆万能甘酒味噌ダレ
これさえ作っておけば、お料理がおいしくラクになります。またごはんの上にのせても美味しいですよ。
【材料(2人分)】
甘酒 大さじ5
味噌 大さじ2
醤油 小さじ1/4
【作り方】
1. 材料を良くかき混ぜ合わせる。
※冷蔵庫で保存し3、4日以内に食べきってください。
◆鶏肉の味噌焼き
【材料(2人分)】
鶏もも肉 1枚
甘酒味噌ダレ 大さじ2
菜種油 小さじ1
【作り方】
1. 鶏もも肉を6~8等分に切る。
2. ジッパー付きの袋に鶏もも肉と甘酒味噌ダレを入れ合わせよく揉みこむ。30分冷蔵庫で保管する。
3. 中火で熱したフライパンに油をひき、皮目から焼いていく。焼き色がついたら裏返し、蓋をする。火をやや弱め4分蒸し焼きにする。
4. 器に盛り付ける。
◆里芋の味噌ダレ
【材料(2人分)】
里芋 2個
甘酒味噌ダレ 適量
【作り方】
1. 里芋を洗いラップに包んで、500wレンジで1分半加熱したら裏返し更に1分半加熱する。
2. 粗熱が取れたら皮をむき1/4に切る。
3. 甘酒味噌ダレをかける。
いかがでしたか? 「ごはん」がやせ食材ということがわかりましたね。またご紹介したように、砂糖を使わず甘酒で調理すれば、代謝があがりやせ体質に近づけます。炭水化物をとるにしても、代謝を促す栄養の入った甘くない炭水化物を摂るようにしたり、腹持ちのいい炭水化物を選んでやせ体質を目指してくださいね。