雑穀とは主食である米以外の穀類をさします。もち麦など一時ブームになりましたね。もち麦の小粒感の食べやすさから今でも根強い人気があります。沢山の種類の雑穀の中には抗酸化作用のあるものもあるんですよ。
どのような雑穀抗酸化作用があるのかみていきましょう。
色の濃い雑穀には抗酸化作用がある
一般的に雑穀には色がついていますが、色が濃いもの、薄いものがあります。抗酸化作用で注目したいのは、色が濃い雑穀です。

黒米
雑穀の色が濃いと、白米と炊いたとき全体に綺麗な色がついたりします。これは雑穀の水溶性の色素成分が溶け出したもの。この色素成分には抗酸化作用を持っていたりします。黒米の黒色はアントシアニンの色。たかきびの赤紫やいなきびの黄色はポリフェノールが含まれています。

たかきび
雑穀以外にも、色の濃い野菜や果物にも同様のことがいえるんです。例えば茄子やブルーベリーの紫色のアントシアニン、トマト、人参に含まれるβ-カロテンなど濃い色の野菜には、紫外線などで発生した活性酸素を除去する働き、つまり抗酸化作用の働きがあります。活性酸素は体の老化を早めるもとになりますからできる限り除去したいですね。

いなきび
雑穀は現代人が不足している栄養素を補う
厚生労働省が毎年発表している「国民健康・栄養調査」※1というものがあります。平成27年度の結果によると不足している栄養素をみると、食物繊維や体内の酵素の働きかけをするマグネシウムや亜鉛、血液を作る鉄などがあります。
大麦やもち麦、たかきびなどは食物繊維が、あわやたかきび、そばの実にはマグネシウム、あわ、ひえ、キビは亜鉛、あわ、たかきび、いなきびには鉄が豊富に含まれています。これらを摂ることで、不足分を補うことができます。どれも不足してしまっては代謝が鈍ったり、お肌の血色が悪くなったり……美しく元気に過ごすためには栄養素を満たしてあげることが必須になります。
日本人の主食はごはん(米)です。雑穀はごはんに混ぜて炊くだけで、抗酸化物質も一緒に摂ることができます。お米と炊くことで、水に溶けやすい水溶性の栄養素もお米が吸ってくれることもメリットです。雑穀ごはんを毎日1膳食べるだけでも、健康は日々の積み重ねですから、続けることが大切です。
とはいっても、自宅で雑穀ごはんを食べるのは中々大変。という方もいらっしゃるかと思います。
最近は定食屋さんなどでも雑穀を取り扱うお店が増えてきましたね。私のおすすめは定食で有名な大戸屋さん※2。こちらでは大麦と黒米の入った五穀米を食べることができます。
また大戸屋さんはセントラルキッチンを持っていないため、生の野菜を切ったり、揚げ物の衣つけからすべてを店内で調理しています。大根おろしも「おろしたて」が運ばれてきますので、酵素もたっぷりとることができます。美意識の高い美醸ラボ読者の方にはぜひ食べて頂きたいお店です。
発酵食品で雑穀の不足を補う
食物繊維やビタミン、ミネラルが豊富な雑穀ですが、含まれていない栄養素もあります。
β―カロテンとビタミンB12は他の食品からの摂取が必要になります。β―カロテンは緑黄色野菜から摂るのが有効です。ビタミンB12は魚介類や肉類に含まれています。そして発酵食品は発酵の際にビタミンB12を生成するため、微量ですが含まれているものもあります。
また腸内においてもビタミンB12は作られていますので、腸内環境を整えておくためにも発酵食品は有効です。
雑穀に不足している栄養素を補う、お味噌汁をご紹介します。
β-カロテン、ビタミンB12がたっぷり入っています。β-カロテンは抗酸化作用や皮膚を健康に保つ働きをします。美肌づくりにぴったり!
ビタミンB12は血液を作るのに大切なビタミン。貧血のある方にお勧めです。
◆ビタミン味噌汁
【材料(2人分)】
しじみ 80g
人参 50g
パプリカ赤 1/4個
ズッキーニ 1/2本
水 400㏄
昆布 5cm1枚
味噌 大さじ1
【作り方】
下処理
しじみは流水でこすり合わせるように洗い、1%の塩水に2.3時間つけておく。その際新聞紙をかぶせて暗くしておくとよい。
1. 水400㏄に昆布としじみを加え火にかけ沸騰直前で昆布を取り除く。
2. 人参、パプリカは小さめの乱切り、ズッキーニは5cm幅の半月切りにする。
3. 人参を加え柔らかくなるまでに火かける。
4. 人参が柔らかくなったら、パプリカ、ズッキーニを加え4分ほど煮る。
5. 味噌を溶く。
いかがでしたか? これからの旬を迎えるおくらやモロヘイヤ、南瓜などもβ-カロテン豊富ですよ! 雑穀ごはんとぜひお召し上がりくださいね。