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発酵食品を食べたらおならが止まらない?本当の原因と対策とは

執筆者 中山直紀 | 更新日:2023.8.25

腸内環境を整える目的で発酵食品を摂る方が増えています。
しかし、思っていた効果が得られていないということも起こっているようです。

中には、
「おならがたくさん出るようになってしまった。」
「通勤途中で、おならが出そうになって苦しい。」
「おならを職場で我慢している。」
と困っているという方もいます。

おならの回数が増えてしまった原因が発酵食品である可能性があります。
発酵食品を食べたことで腸内環境が変わったということが影響しているのかもしれません。

また、おならと腸内環境の関係について知ることで、対策をすることができそうです。
そこで、おならの仕組みについて説明したいと思います。

おならができる仕組みとは

おならができる仕組み

まずは、おならがどのようにして発生しているのかを確認しておきましょう。

おならとは、腸内に溜まったガスが排出される現象です。

しかし、体調によっておならの回数や状態が変わってしまいます。
ここでは、おならの回数が増えてしまったり、臭くなる原因を説明します。

おならの成分

おならは、食べたものを消化分解する過程で発生するガスが元となっています。
主な成分は、

  • 二酸化炭素
  • 水素
  • メタン
  • 硫黄

となります。
この中で、匂いの元となっている成分は「硫黄」。

そして、硫黄を多く含む食べ物は、

  • キャベツ
  • アスパラ
  • ブロッコリー

に多く含まれています。

これらの食材に含まれる「ラフィノース」という成分が消化を悪くし、
腸内環境を悪化させるので注意してください。

おならの量と匂いの原因

さらに腸内環境が悪くなることで、おならも多くなったり臭くなります。
理由は、腸内で悪玉菌が増えるためです。

特に、脂質の多い肉や揚げ物などをよく食べる人は注意が必要かもしれません。

つまり、おならとは腸内に入り込んだ空気腸を元に腸内細菌の活動によって作られたガスのことです。

そして、食べるものや食べ方によって腸内環境は、影響を受けています。
実は、腸内の善玉菌が多いとおならの匂いは臭くないのです。

しかし、食生活が偏っていたり早食いなどの習慣があることで悪玉菌が増えてしまいます。
そのため、おならがたくさん出るようになり匂いも臭くなってしまいます。

おならをコントロールするためには、腸内環境をよくすることが近道なのかもしれません。

あなたのおならの原因は何?考えられる原因と対策

おならの原因と対策

では、おならの原因と対策についても考えてみましょう。
おならの原因と対策を詳しく説明していきますので参考にしてください。

原因1:早食い・ドカ食い

おならの原因になるものの一つに、食事中に飲み込む空気があげられます。
特に、早食いの習慣のある人はたくさん空気を飲み込んでいる可能性があるでしょう。

そして、早食いの人と並んで多くの空気を飲み込んでしまう食べ方に「ドカ食い」があります。ドカ食いとは、沢山の食事を一度に摂ることを意味している表現です。
また、量だけでなく一口も多くなる傾向があることが特徴かもしれません。

ドカ食いでたくさんの食べ物を飲み込む過程で一緒に空気を飲み混む回数も増えてしまうということにつながります。

さらに、ドカ食いに並んで「がぶ飲み」も注意が必要です。
もしかしたら、がぶ飲みというと一度に大量の飲料を飲むことだけをイメージするかもしれません。実は、がぶ飲みは一回の量だけではないのです。
近年、水分補給が推奨されています。
一度に飲む量は少なくても、飲む回数が増えているのではないでしょうか。
1日の飲む回数が多ければそれだけ空気を飲み込む回数も増えるということになります。

ただ、飲み込んだ空気のほとんどはゲップとして吐き出していると言われています。
それでも、飲み混まれた空気が多ければ腸に入る可能性は増えるでしょう。
つまり、日頃の食事で飲み込んでいる空気の量がおならの原因と関係しているという事です。

対策は、飲み込む空気を減らす事がポイント。
しっかりと咀嚼をし、落ち着いて飲み込むことで空気を減らすことができます。
時間をかけて落ち着いて食べることが、大切ということになるでしょう。

もし、早食いの習慣のある人は、誰かと一緒に食事をするなどすれば時間をかけた食事ができるようになります。また、ゲップを我慢しないで出す事もおならの原因を減らす対策になるかもしれません。
場所にもよりますが、ゲップが出そうになったら上手に処理していくことをおすすめします。

原因2:食べ物

食べ方と並んでおならの原因に「食べ物」も大きく影響しています。
食べ物の種類によって、腸内の善玉菌や悪玉菌の増え方が変わります。

まず、消化に負担のかかる食べ物は、悪玉菌の増殖につながるようです。
そして、悪玉菌が増えることでおならの発生が多くなります。
例えば、肉や油物は消化に負担がかかる食べ物の代表です。

消化に負担がかかることで、消化しきれない食べ物が腸に行ってしまうことがあります。

そして、消化されない食べ物が大腸まで行ってしまうことで発酵が起こるのです。

この発酵がおならの原因になるガスを大量発生させてしまうのです。

対策として、消化の負担が少なく腸内環境を整えてくれるような食べ物を積極的に摂るようにすることが効果的でしょう。
例えば、豆腐や野菜類を中心に摂ると腸内環境が整いやすくガスの発生も抑制できます。

また、善玉菌が増えることでおならの匂いも改善されるでしょう。

原因3:ストレス

おならの原因が腸内環境と関係していることは想像できると思います。
食べ方や食べ物が影響を及ぼすということは自然なことでしょう。

しかし、心理的ストレスも腸内環境に関係しているということはご存知でしょうか?
これを「脳腸相関」といいます。

脳の状態と腸内環境に相関性があるということです。

つまり、ストレスなどで精神状態が悪くなると腸内環境も悪くなるということです。
腸内環境の悪化から悪玉菌が増えておならが臭くなったり回数が増えてしまうという事も否定できません。

対策としては、ストレスをためないような生活や思考を持つようにする事です。
簡単ではないかもしれませんが、精神状態を平和で落ち着いた状態に保つこともおなら対策になるということです。

原因4:タバコ・チューインガム

おならの原因になる空気は、食べ物を飲み込む時にだけ入ってくるわけではありません。
タバコを吸っている時にも、空気が胃の中に入ることがあります。
同様に唾液を飲み込むということで、チューインガムをよく噛む方なども必要以上に空気を飲み込んでいるかもしれません。

対策としては、量を減らすというシンプルな方法が効果的でしょう。

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おならが出す要注意サイン!関係する病気とは

おならと関係する病気

おならが多くなったり、匂いが臭くなることは時に病気のサインの場合もあります。
おならの変化が現れた時に関係しそうな病気は次のようなものがあります。

乳糖不耐症

乳製品には「乳糖」と呼ばれるとうが含まれています。
元々、日本人はこの乳糖を分解する力が低いとされています。
牛乳を飲んでお腹を下しやすかったり、おならが出やすくなる症状がでます。
病院で、乳糖分解酵素を処方してもらう方法が一般ですが、摂取量を調整するということでも対応が可能でしょう。

過敏性腸症候群(IBS)

過敏性腸症候群は、腸が過敏になって下痢や便秘から腹痛になるという症状です。
便通の異常をきたすので、おならも出やすくなる傾向があるようです。

精神面も影響しやすく、体質だけでなくストレスや自律神経の乱れも関係しているということです。
腸の働きが正常でなくなることから、腸内環境のバランスも整っていません。

糖尿病

糖尿病は、長く患っていると自律神経の乱れも出てくる病気です。
腸の活動は、自律神経が管理しています。

おならの変化があっただけでなく次のような症状を感じるようであれば糖尿病の可能性も疑った方が良いかもしれません。

糖尿病は、多くの要素が関係している難しい病気です。
もし、気になるようでしたら専門機関や病院でみてもらいましょう。

SIBO(シーボ)

おならの異常は、SIBO(シーボ)という症状が原因の可能性もあります。
小腸内細菌異常増殖症という症状のことです。

SIBOは、何らかの原因で小腸内にいるはずのない菌が爆発的に増殖してしまったことで起こります。
お腹の張りや不快感から、過敏性腸症候群と診断される事もあります。
しかし、近年では、調べ直してみるとSIBOだったというケースも増えているようです。

症状がひどい場合は、FODMAP食というオリゴ糖や食物繊維・発酵食品を避ける食事を試すと言うこともされています。
バランスを崩している原因になっている食材を特定していくため、段々と食べる食材を増やして様子を見ていきます。

いずれも、気になる症状が出ているようであれば、自己判断せず専門の機関や病院で見てもらった方が良いでしょう。

結局おならと発酵食品に関係はあるの?

おならと発酵食品の関係

最近は、腸活がブームで発酵食品を積極的に摂る方も増えています。
しかし、発酵食品を食べるようになったらおならが増えたという人もいます。
では、おならの原因が発酵食品なのでしょうか?

おならと発酵食品の関係は?

まず、おならと発酵食品の関係は、100%ないとは言えないでしょう。
発酵食品は、確かに腸内環境を整えてくれる働きがあります。

そして、東京大学の研究によると腸内が整ってくることで体の調子が良くなるということもわかってきています。

東京大学 腸内環境を改善して健康な心身を目指す

体に良いものであると思うとついたくさん食べたくなるという方もいるかもしれません。

しかし、体に良いからといってたくさん摂りすぎることには注意が必要です。
理由は、必要以上の発酵食品の摂取で体調の変化が出ることがあるからです。
場合によっては、自分の体質に合っていない事もあるでしょう。
よくある変化は、お腹が張ったりおならの異常が出たりします。
つまり、おならと発酵食品の関係性はあると言えるのです。

発酵食品のメリット

発酵食品がおならと関係性があるとしても、やはりメリットの方が大きいでしょう。
まず、発酵食品は、腸内の善玉菌を増やしてくれる働きがあります。

そして、善玉菌が増えることで腸内活動は正常に整っていきます。
腸内環境が良くなればおならの回数も減り、匂いもしなくなります。

そのほかにも、発酵食品を摂ることで期待できる健康効果は

  • 自律神経が整う
  • 肌が綺麗になる
  • デトックス効果
  • 抗酸化作用
  • 免疫力アップ

などがあります。
極端な摂取の仕方をしなければ、発酵食品は私たちにとっては有益な食べ物であると言えるでしょう。

発酵食品の上手な組み合わせ

発酵食品の上手な組み合わせ

せっかく体に良い発酵食品を摂るのだからより効果が上がりそうな組み合わせで食べたいと思われるかもしれません。
そこで、発酵食品の食べ合わせはどのようなものがあるのでしょうか?

昔からよく言われている「食べ合わせ」という言葉があります。
食べ合わせは、組み合わせがよくないものを言い表すことが多かったです。

食べられそうなものは、なんでも口にしていた時代がありました。
そのため、食当たりも多かったのでしょう。
健康を守る意味合いが強かったことから、相性の悪い組み合わせを意識したのかもしれません。

しかし、発酵食品に関して言えば、よくない食べ合わせは、ほとんどないので安心してください。

どんな食材とも組み合わせることができるので、色々と試してみるのも面白いでしょう。
せっかくですので発酵食品のおすすめの組み合わせをご紹介します。

  • 味噌(汁)× なんでもOK
  • ヨーグルト × バナナ・蜂蜜
  • 納豆 × キムチ
  • 塩麹 × 肉・魚
  • 甘酒 × ココア

このような組み合わせをすることで、発酵食品と食材の栄養で相乗的に効果アップが期待できます。
また、発酵食品は食事の味を引き出してくれる作用もあるので料理食材としてもとても使い勝手の良いものになります。

つまり、発酵食品は組み合わせの相手を選ばないけれど味や栄養を引き出してくれるとても優れた食材であるということになります。

ぜひ、発酵食品をうまく活用して健康的な食事をとってください。

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腸内環境を整えよう!おすすめ発酵食品レシピ

では、ここで2つほど発酵食品を使ったおすすめレシピをご紹介します。
とっても簡単にできるレシピで発酵食品を食べることができます。薬膳アドバイスも添えましたので、ぜひ参考にしてください。

味噌とヨーグルトのディップ

味噌とヨーグルトのディップ

 

材料

味噌
20g
無糖ヨーグルト
20g

作り方

  1. 味噌とヨーグルトをよく混ぜます。
  2. 火を通す野菜に火を通します。
  3. 盛り付け

塩分が、気になる方はヨーグルトを多くすることで調整ができます。
また、オリーブオイルや塩麹などもお好みでアレンジすると美味しくなるでしょう。

薬膳アドバイス

味噌は、消化器官を温めてくれる作用があります。のぼせやゲップの抑制にも働きかけてくれます。その他にも解毒作用があるのでデトックスの助けにもなります。
また、ヨーグルトも消化器官の働きを助けてくれます。そのほかにも肺に作用して呼吸の助けになります。
野菜も一緒にとることで、食物繊維が腸内細菌の活動を助けてくれるでしょう。

キムチタルタルソース

キムチタルタルソース

 

材料

ゆで卵
2個
キムチ
20g
ピクルス
10〜30g
ケッパー
5〜10粒
玉ねぎ(生)
10g
マヨネーズ
20g
牛乳
適量
少々
胡椒
少々

作り方

  1. 卵を茹でて茹で卵を作ります。
  2. マヨネーズ・牛乳以外の材料をみじん切りにします。
  3. 全ての材料を混ぜます。

微塵切りの大きさを変えることで用途を変える事もできます。
大きめに切ることでサラダのように食べる事も可能です。
牛乳は硬さの調整のために使用しますので必要なければ抜いても構いません。

薬膳アドバイス

キムチは、体の体温調整をしてくれる作用があります。冷え性には体を温めてくれ、余分な熱がある場合は熱を逃してくれます。精神的な助けもあり、イラつきや不安を抑えてくれます。

おならの悩みは発酵食品で解決◎

おならの悩みは発酵食品で解決

おならが増えてしまったり、臭いと悩まれている方もいるかと思います。

おならの異常は、腸内の状態が原因であることが多いです。
原因を辿ると色々と出てくるかもしれません。
場合によっては、病気が関係している事もあります。

しかし、結論を言えば腸内環境を整えることでかなり改善されます。

そして、腸内環境の整え方として発酵食品を活用するということは簡単で効果も期待できる方法でしょう。

確かに発酵食品も体質や摂り方によっては、おならを増やしてしまったり臭くなってしまう原因となります。

ただ、発酵食品は腸内の善玉菌を増やしてくれる効果も確認されています。
善玉菌が増えることでおならは正常化して匂いもなくなっていくでしょう。

正しく発酵食品を摂ることは、おならを改善する方法としてもおすすめです。
また、食材としても発酵食品は使い勝手が良く栄養も高いです。

色々な食材と組み合わせることで効果もあげることができます。
ぜひ、あなたなりの上手な発酵食品の使い方を見つけて腸活を楽しんでみてはいかがでしょうか。

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執筆者
中山直紀

東洋文化の薬膳と心理カウンセリングの知識を結集し、バランスの取れた健康を提案する専門家です。イタリアンレストランのオーナーシェフとしての経験から得た創造力と繊細な味わいを、WEBライティングの世界に活かしています。私の好きなことは、健康で充実した人生を送るための情報をお届けすることにあります。あなたの心身の健康を薬膳や心理学の視点からサポートし、自己成長や幸福感の向上を促します。魅力的で分かりやすい文章で、読者の心に響くコラムをお届けしたいと思っています。一緒に理想のライフスタイルを築きましょう。

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