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発酵食品が健康的な食生活に欠かせない理由|メリットとデメリットも

執筆者 山形ゆかり | 更新日:2023.8.25
様々な発酵食品が並んでいる食卓

「発酵食品が健康にいいらしい。おすすめとは聞いたけれど、根拠はあるのかしら」
「健康的な食生活にするためには、キムチや納豆など発酵食品をどう食べたらいいのかな」

そのように不安や疑問を感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

実際に、発酵食品は健康へのメリットが豊富です。近年、健康や美容への意識が高まっており、発酵食品の健康への利点が話題になっています。発酵食品は、私たちの体にとって大切な栄養や健康へのいい影響がたくさんある食品なのです。

この記事では、3人子育て中の薬剤師・薬膳アドバイザーが発酵食品の健康にいい理由や効果、その取り入れ方をご説明します。子育てをするママ目線でみても、ひとりの女性として女性目線でみても、大切なひとや自分自身の健康を守る目線でみても、発酵食品はとても健康に役立つ食品としておすすめです。

発酵食品を日常の食生活に取り入れることは難しいことではありません。古くから親しまれてきた発酵食品は、味噌や醤油など調味料をはじめ、身近な食品にたくさんあります。毎日忙しく過ごす中、発酵食品の力を借りることで、内側から健康と美容をサポートしてもらうことができますよ。

発酵食品とは?

発酵食品の食卓

発酵食品とは、微生物(細菌や酵母、カビなど)の作用によって食材が発酵し変化した食品です。

この発酵の過程で、食品の味や栄養価が良くなります。保存食としても利用されており、古くから風味を改良したり、食品の硬さを柔らかくしたりするために使用されてきました。

日本では、納豆、醤油、味噌、漬物、鰹節などが伝統的な発酵食品として親しまれています。世界的にも、ヨーグルト、紅茶、キムチなどが発酵食品として広く利用されています。

食品を発酵するメリットとは

発酵食品の麹

食品を発酵することによって得られるメリットはたくさんあります。以下に、その一部をご紹介しますね。

食品の保存効果

食品を発酵させることによって、食品中の有害な腐敗菌の繁殖を抑えられます。発酵によって生成される酸やアルコールが、腐敗菌の繁殖を防ぐために役立つからです。その結果、発酵食品は保存期間が長くなります。

また、発酵によって、食品中の水分量が減少することも、保存性を高める理由といえるでしょう。

風味や香りが良くなる

食品が発酵すると、微生物の作用によって食品中の成分が変化し、新しい味わいや香りが生まれ、風味も変化します。

たとえば、ビールの香りは、元の麦芽やホップにはなかったものです。ビールの成分が酵母によって分解され、アルコールやエステル、フェノールなどの香り成分が生成されることによって新しい香りが生まれます。

醤油は、アルコール発酵をしながら、独特の香り成分であるフラノン化合物を生成します。また、果物などの華やかな香りがでるエステル類も。

また、チーズには、発酵によって生成される炭化水素が含まれており、そのために独特の香りを持ちます。さらに、チーズの種類によっては、発酵によってエステルやフェノールなどの香り成分も生成されるので、独特の香りが楽しめますよ。

栄養価が上がる

​​発酵によって、食品の栄養価が増えることもメリットのひとつです。

たとえば、納豆は発酵によってビタミンB2は8倍、葉酸は3倍、ビタミンKはなんと85倍も多く含まれています。

味噌や醤油、ヨーグルト、キムチは発酵によってアミノ酸が増え、旨み成分が生成されて味や香りも良くなります。また発酵によって乳酸菌も増え、腸内環境を整える効果があります。

栄養価が発酵で上がる納豆

出典元:健康に役立つ!「発酵食品のチカラ」を効率よく活かす方法とは | ファミリーバランスサポーター

上記の表をご参考にしていただき、表を作成していただけますと助かります。
栄養価の数字の細かな表も検討しましたが、少し見にくくわかりにくいかと思い、こちらのような表をご提案させていただきます。数値が下記調べたものと異なりますので、文章に合わせていただけますでしょうか。(納豆は発酵によってビタミンB2は8倍、葉酸は3倍、ビタミンKはなんと85倍も多く含まれています)

下記、ご参考までに、日本食品標準成分表2020年版を検索した結果を添付させていただきます。

一般成分-無機質-ビタミン類
可食部100g
アミノ酸可食部100g 基準窒素1g たんぱく質1g
脂肪酸可食部100g 脂肪酸総量100g 脂質1g
炭水化物(利用可能
炭水化物、糖アルコール)
可食部100g
有機酸可食部100g

出典:日本食品標準成分表2020年版(八訂)


  • 表示される値は、可食部100g当たりに含まれる成分を表す。

食品成分廃棄率エネルギー水分たんぱく質脂質炭水化物灰分食塩相当量カリウムビタミンKビタミンB2葉酸重量削除
単位%kcalggggggmgmgμgmgμgg
豆類/だいず/[全粒・全粒製品]
/全粒/黄大豆/国産/ゆで
016365.414.89.88.41.605302.270.0841
豆類/だいず/[納豆類]/糸引き納豆019059.516.510.012.11.906603.36000.56120
TOTAL53.3124.931.319.820.53.5012005.56100.64160200

出典:日本食品標準成分表2020年版(八訂)


  • μgは、百万分の一グラムを表す


発酵食品にデメリットがある?

発酵食品による大きなデメリットはとくにありませんが、食べ過ぎには注意が必要です。

発酵食品には塩分が多く含まれているものがあるため、一度に多く食べすぎると高血圧やむくみの原因になる可能性があります。味噌や漬物はとくに塩分含有量が多いので、成分表を確認して調整しましょう。厚生労働省の「日本人の食事摂取基準2020年版」によると、男性は1日に7.5g未満、女性は6.5g未満が基準とされています。

また、チーズやヨーグルトなど乳製品は、糖質や脂質が多い場合があるので、食べる量に気をつけましょう。

発酵食品の健康効果を作っているものって?

発酵食品の健康効果を作っているものって?

健康効果をもたらす食品の発酵は、微生物による変化によるものです。以下、主な微生物や菌をご紹介します。

善玉菌(有用菌)

  • 腸内で大腸菌など悪玉菌の繁殖を抑え、腸内フローラのバランスを保つ役割を果たす。
  • 乳酸菌やビフィズス菌などが善玉菌に含まれる。

酢酸菌

  • 酢や酢漬けなどの発酵食品を作る微生物。
  • アルコールを酢酸に変える働きを持ち、酸味や香りを生み出す。

納豆菌

  • 大豆を発酵させて納豆を作る微生物。
  • 大豆のたんぱく質を分解し、アミノ酸やナットウキナーゼ、ビタミンKを生成する。

乳酸菌

  • 乳製品や漬物、酸っぱい飲み物などの発酵食品を作る微生物。
  • 炭水化物や糖を分解して乳酸を作り出し、食品の酸味や風味を生み出す。

酵母

  • パンやビール、ワインなどの発酵食品を作る微生物。
  • 糖をアルコールと炭酸ガスに分解し、食品の発酵や発泡を促す。

麹菌

  • 味噌や醤油、日本酒などの発酵食品を作る微生物。
  • 糖質を分解してアミノ酸や糖化物質を生成し、食品の風味や色味を生み出す。

これらの微生物や菌が発酵食品の健康効果を作っています。

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健康効果抜群の発酵食品一覧

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健康効果が期待できる発酵食品はたくさんあります。以下に、代表的なものをご紹介します。

チーズ

チーズは、乳製品を発酵させて作られたものです。フレッシュタイプやハードタイプなどさまざまな種類があります。豊富に含まれる成分はカルシウムやたんぱく質です。これらの成分は骨や歯の健康に役立ちます。さらに、ビタミンB群や亜鉛、鉄分なども含まれており、疲労回復や免疫力向上の効果も期待できます。

キムチ

キムチは主に白菜や大根、きゅうりなどの野菜を発酵させて作られる食品です。野菜以外にも、魚介類でも作られます。乳酸菌が豊富に含まれており、腸内環境を整える効果がありますよ。さらに、辛味成分のカプサイシンは代謝を促進し、ダイエットや新陳代謝をサポートします。

ヨーグルト

ヨーグルトは乳製品を発酵させて作られる食品です。乳酸菌が豊富に含まれているので、腸内環境を整える効果が期待できるでしょう。また、カルシウムやたんぱく質の他にも、ビタミンB群やビタミンD、鉄分などの栄養素も豊富に含まれています。これらの栄養素は、骨や歯の健康に良い影響を与え、疲労回復や免疫力アップにも役立ちます。

味噌

味噌は、大豆と米麹、塩を原料とし発酵させて作られたものです。たんぱく質や食物繊維、ビタミンB群などが豊富。また、味噌に含まれるイソフラボンは、女性ホルモンに似た働きをし、更年期障害の緩和や骨密度の維持などに効果が期待されます。

納豆

納豆は、大豆を発酵させて作られる発酵食品です。ビタミンK2が豊富に含まれ、骨の健康を促進し骨粗鬆症の予防に役立ちます。また、ナットウキナーゼが血液の流れを改善し、心臓や血管の健康をサポートします。さらに、味噌同様大豆イソフラボンを含むので、更年期障害の緩和や骨密度の維持に役立ちます。また、納豆に含まれる乳酸菌は腸内環境を整え、消化や免疫機能の向上に貢献します。

発酵食品の健康・美容効果とは?

発酵食品の健康・美容効果とは?

発酵食品の、健康と美容にメリットがたっぷり。その嬉しい効果をご紹介します。

腸内環境の改善

発酵食品に含まれる乳酸菌は、腸内環境を整え、便秘や下痢といった腸の不調を改善する効果があります。腸の調子が整うことで、体全体の調子を整えられます。

免疫力の向上

発酵食品に豊富に含まれる乳酸菌は免疫力を高め、風邪などの感染症にかかりにくくなる効果があります。腸内環境の改善も免疫力の向上の鍵。体内の免疫システムを強化し、健康な毎日を送ることができます。

美肌効果

発酵食品に含まれるビタミンB群やビタミンCは、肌のターンオーバーを促進し、美肌効果が期待できます。また、発酵食品に含まれる乳酸菌が腸内環境を整えることも、肌荒れを改善する理由です。

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発酵食品をより健康的に取り入れる方法

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健康と美容にいい発酵食品を日常に取り入れるために、以下のような方法はいかがでしょうか。実践しやすいものをぜひ試してくださいね。

毎日少しずつ食べる

発酵食品を毎日少しずつ食べましょう。少量でも続けることで、腸内環境を整え、免疫力向上や美肌効果など、健康効果を得ることができます。できれば、味噌やチーズ、納豆、ヨーグルトなど発酵食品の種類をさまざまなものを食べるのがおすすめです。毎日摂取することで、乳酸菌などの有用菌を腸内に増やし、腸内環境をいい状態で保つことができます。

食物繊維と一緒に摂る

発酵食品と一緒に、野菜や果物などの食物繊維を摂ることで、腸内環境を整える効果がより効果的になります。食物繊維は善玉菌のエサとなり、腸内のバランスを整える助けになるからです。

特定の時間に食べる習慣

発酵食品を特定の時間に食べる習慣も有用です。例えば、朝食に納豆、昼食には甘酒を、晩御飯には味噌汁、おやつにはヨーグルト……など可能なものを習慣化してみましょう。
習慣にすることで、自然と発酵食品を日々食べ続けることができますよ。

これらの方法を取り入れることで、発酵食品の健康効果を最大限に活用し、健康にいい食生活を築くことができるでしょう。

発酵食品を使ったおすすめ健康レシピ

身近な発酵食品を使った、簡単にできるレシピをご紹介します。

梅肉と大根おろしの納豆蕎麦

梅肉と大根おろしの納豆蕎麦

納豆をたっぷりのせた冷たいぶっかけ蕎麦です。梅肉と大根おろしをのせてさっぱりと。納豆の乳酸菌と大根の食物繊維との相乗効果で腸内環境を整えます。梅干しの酸味がいいアクセントになっていますよ。気軽に作れるので思い立ったときにぜひ試してください。

調理時間の目安:約15分

材料(2人分)

納豆
1パック
蕎麦
200g
大根
1/2本
大根
1/2本
梅干し
2個
めんつゆ
適量
大葉(千切り)
適量

作り方

  1. 蕎麦を表示通りに茹で、ざるにあげて冷水で洗い、水気を切る。
  2. 大根の皮をむき、おろす。
  3. 梅干しは種を取り除いて潰し、納豆は混ぜておく。
  4. 1を器に盛り、その上に2と3をのせる。
  5. 4にめんつゆをかけ、大葉をのせてできあがり。

甘酒チーズフォンデュ

甘酒チーズフォンデュ

甘酒の甘みとチーズのコクが絶妙に合わさったチーズフォンデュ。簡単なレシピで、普段の食卓でも贅沢な味わいを楽しめるメニューです。甘酒もチーズも乳酸菌が豊富なうえ、野菜もたっぷり食べられて栄養も満点。腸内環境の改善にも役立ちます。チーズの種類を変えると、違った風味になりますよ。自分好みの配合をみつけてくださいね。

調理時間の目安:約15分

材料(2人分)

甘酒
200ml
チーズ(お好みの種類)
150g
牛乳
100ml
にんじん
1本
ミニトマト
適量
ゆでえび
適量
フランスパンやクラッカーなど
適量
塩・こしょう
適量

作り方

  1. にんじん、ブロッコリー、カリフラワーはあらかじめゆでるか電子レンジで加熱し、食べやすい大きさに切る。
  2. フランスパンは食べやすい大きさに切る。
  3. フォンデュ鍋など耐熱容器に甘酒を入れて火にかけ、温める。
  4. 甘酒が温まったら、少しずつチーズを加えながら溶かし、牛乳を加えてなめらかにする
  5. 4を塩・こしょうで味を調える。
  6. 1、2、ミニトマト、ゆでえび、クラッカーを5につけ、チーズソースを絡めてできあがり。

発酵食品を上手に取り入れて健康的な生活を目指そう

発酵食品の食卓

発酵食品は、健康的な食生活に欠かせないすばらしい選択肢のひとつです。

発酵食品の健康効果を作っているのは、微生物や菌たちの力。自然の力は、驚くほどすごいですね。発酵させた食品は、食品の栄養価が高まり、腸内環境を整える善玉菌が豊富です。これにより、免疫力が向上し、美肌効果や健康増進にもつながります。

自分自身や子ども、大切な人の健康的な食生活を目指すなら、発酵食品の素晴らしい効果をぜひ、取り入れてみてください。身近な食材にたくさんの発酵食品があります。意識してみてみるだけで、簡単に発酵食品生活を送れるでしょう。

発酵食品の力を活かして、より健康的な食生活を手に入れましょう!

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執筆者
山形ゆかり

薬剤師・薬膳アドバイザー・フードコーディネーター。発酵あんことキムチが大好き、三児の母です。 薬剤師として総合病院で勤務する際に、糖尿病病棟を担当。食の大切さ・楽しさを深く感じ、食に関する資格を取得しました。現在は健康・美容に関するレシピ提案や撮影・執筆活動など、フリーランスにて活動しております。子供たちと気軽にできる発酵料理を日々研究中!

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