『プレ更年期からの女性ホルモン塾』
著者:対馬ルリ子、吉川千明、小学館、1400円+税
「更年期? まだまだ先のことでしょ」と思っている30代のアナタ、肩こりや不眠、めまいなど、原因不明の体調不良が続いているとしたら、実はそれこそが更年期の症状かもしれませんよ。
更年期とは、閉経の前後10年間のことで、だいたい40代後半から50代前半にかけて。そしてプレ更年期は、その前の30代後半から40代前半の時期のこと。ですが、女性ホルモンの低下はすでに30代から始まっていて、最近は、ストレスや環境的な要因によって、30代前半から、更年期と同じ症状を訴える人が増えています。
女性ホルモンは、肌や髪の美しさはもちろん、心の働きにも関与して、女性の美容と健康に欠かせないもの。いつまでも元気でいるためには、女性ホルモンを正しく理解することがとても大切。そのためにオススメなのがこの本『プレ更年期からの女性ホルモン塾』。著者は、婦人科ドクターの対馬ルリ子さんと、美容家の吉川千明さん。
更年期の症状はさまざまで、人によって程度もまったく違います。症状の重い人は、日常生活に支障が出るくらい辛いこともあるので、そうなる前に、プレ更年期のうちから正しい知識を得て、予防や対策をしておくのがベストです。
この本では、症状によって「粘膜ヨワヨワさん」「心イライラさん」「関節イタイタさん」「むくみプヨプヨさん」「自律神経ドキドキさん」「中枢神経ボーッとさん」という6タイプに分類。それぞれのタイプに合わせて医学的なアドバイスを中心に、食事、サプリメント、漢方薬、エクササイズ、アロマテラピーなど、役立つ情報が紹介されています。
とくに要チェックなのが、ホルモン補充療法(HRT)について。日本ではまだまだ普及が遅れていますが、欧米ではポピュラーな療法です。乳がんのリスクが上がるというのは誤解で、きちんと理解して使えば、何の心配もないことがくわしく説明されています。更年期障害だけでなく、骨粗しょう症、アルツハイマー、脳卒中、心筋梗塞などの予防、そして美容にも効果的だと知れば、ポジティブにホルモン補充療法を取り入れたくなりますね。