年をとると、寝たきりになりやすいとはいいますが、日本人の女性は一生のうちどのくらいの期間を寝たきりで過ごしているかご存知ですか?
日本は、世界から見ても長寿の国です。特に女性は、世界で2番目に長生きし、平均寿命は87.05歳(※)。一方で、日本人の女性は世界一介護が必要な期間が長いのです。その期間は平均して12年。これは人生の約7分の1にもなります。意外にも長いですよね。そして要介護状態になっている理由の3割は、筋力の低下が原因という現状があります。
今後はもっと寿命が伸び、人生90年と言われるのも夢ではありません。せっかく長生きするなら、心も身体も元気に過ごしていきたいですよね。
そこで今回は、今もこれから先も元気で快適に過ごすための筋力やバランス力がどれくらいあるのかをチェックする方法をご紹介します。
※参考:厚生労働省 簡易生命表(2015年分)
チャレンジ!筋力・バランスチェック
※膝や腰が痛い方、めまいの症状がある方など、無理をしないようにしましょう。
<筋力・バランスチェックの手順>
1:まずイスに座ってください。この時に足裏全体が床につく状態を作ります。
2:右脚を浮かせます。
3:そのまま、左脚を軸にして反動をつけずに自分の筋力で立ち上がり3秒間バランスをとります。
4:反対の足でも同じことを行います。
いかがでしょうか。とても簡単なチェック方法ですが、片足で立ち上がれない場合やバランスがとれない場合は、筋力やバランス力が低下してきているので要注意です。
ロコモティブシンドロームという言葉を聞いたことがあるでしょうか。筋肉、骨、関節、軟骨、椎間板といった運動器のいずれか、あるいは複数に障害が起こり、「立つ」「歩く」といった機能が低下している状態をいいます。進行すると日常生活にも支障が生じ、要介護や寝たきりになるリスクが高くなります。
参考:ロコモ チャレンジ!推進協議会より
「快適な身体は自分で作る」40歳からがチャンスです。
実は、平均寿命がここまで伸びたのは、ここ数十年の話です。明治時代は、日本人の平均寿命は40代前半でした。1950年でも女性の平均寿命は60歳。しかし衛生面や栄養や、医療の発達など環境が良くなり、寿命は短期間で飛躍的に延びました。閉経以降もこんなに長生きするのは、陸で生活する哺乳類の中ではゾウと人間だけとも言われています。
急激に長生きするようになった私たちですが、骨や筋肉はここまで長生きするようには設計されていないようです。長生きする人生を快適に過ごすためには、それなりの工夫が必要になるのです。そして、その工夫を始めるのは、身体の大きな節目である「更年期」が大チャンスなのです。
小さなことの積み重ねが大きな差を生む!
骨や筋肉は20歳頃ピークを迎え、35歳頃から徐々に衰え始めます。そして、女性ホルモンが低下する45歳頃からは急激に低下します。しかし、運動器は自分の意志で動かすことができます。筋力やバランス力は、どんなに年齢を重ねても鍛えることや、回復させることができるのです。
これから長く続く人生を健康に快適に過ごすためにも、筋力をつける工夫や対策を始めませんか? 通勤時に電車を使う場合、エスカレーターを使わずに階段を選択する、食事をするときに骨盤を起こして食事をする、歯磨きをするときにこのコラムでも紹介している骨盤を整えるエクササイズを試してみる、そんな小さなことの積み重ねで大きく差が出るのが更年期以降の生活です。
更年期は「the change of life」。身体の変化をきっかけに、正しく知って、対策ケア方法に取り組んだり、心と身体と向き合う期間にしてしまいましょう。更年期をチャンスにする。人生90年。自分の人生も快適なカラダも主体体にデザインしていけたらステキですよね。