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【発酵食品で免疫力をUPさせよう!!】腸内環境も整う食事法とは?

執筆者 望月理恵子 | 更新日:2023.8.23

健康増進を図るため、2000年以降日本では様々な健康づくりが行われ、国民の健康志向も随分と高まりました。
さらに2020年以降はコロナ禍が続き、「免疫力を高める」ということがより注目を浴び、その一つとして発酵食品も改めて大注目されています。

今回は管理栄養士の筆者が、具体的にどんな発酵食品をとることで免疫力をあげられるのか、どのように腸に働きかけるのかを解説いたします。

免疫の6割は腸にある??

腸免疫

体の中で免疫を司っているのは“腸”。
免疫細胞の約6割が腸内に存在し、病原体から身を守る最大の器官として働いています。
この腸の免疫システムを「腸管免疫」と呼んでいます。
腸管免疫が効率よく働くことで、ウイルスや細菌などが身近に存在していても、病原体から体を守り、また必要な栄養分を吸収してくれるおかげで、元気な体を作ってくれています。

免疫力UP=腸内環境が良好に

腸内環境

免疫力が整うと、風邪やその他の病気などにかかりにくく、またかかったとしても早く回復をすることができます。
悪玉菌が優位となった腸内環境が悪い状態では免疫力も低下し、風邪などにかかりやすく、重症化する恐れも高くなります。
そのため、免疫の最大器官である腸内の環境を日頃からよくすることが大切です。

免疫力は腸内環境によって左右されますので、日々のケアすることを意識しましょう。

免疫UPのための腸内環境を整えるコツ

免疫UPのための腸内環境を整えるコツ

腸内環境は毎日の排便によっても確認することができます。
良い腸内環境であればバナナ状の便が滑らかに排便されます。
ゆるかったり、固かったり、残便感があったりする場合は腸内環境が乱れている可能性があります。

腸内環境を整えるためには日々の食事と生活習慣が大きく関わります。
腸が喜ぶ食事、腸を動かすための運動、腸をゆっくり休ませる睡眠が重要となります。

まずは腸が喜ぶ食事として、手軽に始められる「発酵食品を取り入れる」方法で腸内環境を整えてみましょう。

腸内環境を整える食事

腸内環境を整える食事

腸内環境を整え腸管免疫がしっかり働くには、体の免疫機能を高める効果も報告されている善玉菌を腸内で増やし、過剰な悪玉菌を抑えることが大切です。
そのためには発酵食品はもちろん、野菜、海藻、きのこ類などの食物繊維が多い食事を意識することが重要です。
特に発酵食品と食物繊維の多い食品は相性も良いので、きのこのキムチ和え、わかめの味噌汁など上手に組み合わせて食べることで腸内環境を整えることができます。

免疫UPのための腸活

免疫UPのための腸活

免疫UPには腸内環境を整える、いわゆる“腸活”が大切です。
腸活は前述したように食事が要となりますが、継続することが大切です。

特に発酵食品から摂取した有益菌が腸内でしっかりと働くにはおおよそ3ヶ月ほどかかります。
1週間経っても何も変わらないからと言って辞めてしまわず、3ヶ月ほど腸活を続けてみましょう。

もし3ヶ月続けても効果を実感しない場合は他の発酵食品を試してみるのも良いですね。

発酵を促す菌と免疫力の関係

菌との関係

免疫を司る免疫細胞を活性化させる効率のよい食品は“発酵食品”。
私たちの腸壁の粘膜にはたくさんの種類の有益な腸内細菌が100兆個ほど生息していますが、発酵食品にも納豆菌や乳酸菌、麹菌など有益な菌が豊富。
この発酵食品に存在する菌たちが免疫に関わりが深い短鎖脂肪酸を腸内でつくり出します。
短鎖脂肪酸は腸内を弱酸性に保って悪玉菌の繁殖を抑えたり、腸粘膜を丈夫にして腸のバリア機能を高めたりと、腸内に存在する有益な善玉菌のサポートをしますので、発酵食品を摂ることは免疫力UPに繋がります。
もちろん、さまざまな発酵食品で異なる作用が期待できます。いくつか例を挙げて見てみましょう。

乳酸菌

乳酸菌

ヨーグルト、漬物、チーズなどたくさんの発酵食品に含まれている乳酸菌。
乳酸菌は糖から乳酸をつくる微生物の総称で、300〜400種ほどあります。
乳酸菌は腸内環境を悪くする悪玉菌の増殖を抑え、善玉菌とのバランスを調整し腸内環境を良くして免疫力を高めてくれます。
乳酸菌は体内で蓄積しておくことができないので、毎日こまめに摂取するのが良いでしょう。

納豆菌

納豆菌

納豆を作るのに欠かせない枯草菌(こうそきん)という細菌の1つ。納豆菌の種類によって納豆特有のネバネバや風味が変わります。
熱や酸・アルカリなどにも強いため生きたまま腸に届き、腸内に存在するビフィズス菌や乳酸菌などの有用菌のエサとなり、これらの菌の増殖をサポートし、腸内環境を整え、免疫力UPに働きかけます。

酢酸菌

酢酸菌

酢、カスピ海ヨーグルトなどの発酵食品に含まれている酢酸菌。
お酢を作るのに欠かせない、アルコールを酢酸に分解する際に必要な細菌の総称です。
ウイルスや細菌などの侵入を防ぐ抗体を増やす働きがあります。
また酢酸菌は、乳酸菌・納豆菌にはできない、免疫細胞に備わっている免疫を活性化することができ、免疫の誤った作動や過剰な反応を防ぎ、免疫バランスを整えることができます。

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おすすめの発酵食品はこれ!!

私たちの周りには糠漬け、みそ汁、ヨーグルト、納豆……。
私たちの身近なところに発酵食品はたくさん存在しています。
それぞれメリットがありますが、特におすすめの発酵食品とおすすめの食べ方をご紹介します。

ヨーグルト

ヨーグルト

乳酸菌、ビフィズス菌などの有益菌が入ったヨーグルト。
現在はたくさんの種類のヨーグルトが市販されています。
忙しい朝でもさっと手軽に食べれるヨーグルト。食物繊維の多いカットフルーツを入れたり、善玉菌の働きを活性化するオリゴ糖を入れたりすると、乳酸菌とともに、より腸内環境を良くして免疫力UPに働きかけます。

ヨーグルトによって入っている有益菌が異なりますので、体調に合わせたヨーグルト選びをしてみるのもいいですね。

ぬか漬け

ぬか漬け

植物性乳酸菌や食物繊維が豊富なぬか漬けは、腸内環境を整え免疫力UPに働きかける優秀な食品。
乳酸菌以外にも酵母や酪酸菌などたくさんの有益菌が存在しています。

さらにぬか漬けにすることで野菜の栄養価もUP。
日本の伝統的な食品でもあるぬか漬け、夏はきゅうり、秋はなす、冬はかぶ、春はアスパラガスなど旬の食材のぬか漬けを食べると、さらに効率よく栄養成分を摂取できます。

納豆

納豆

納豆菌を多く含み、スーパーフードでもある納豆は、ナットウキナーゼという酵素が多く含まれ、体内の異物を攻撃する免疫細胞の一つNK細胞を増加させることがわかっています。
また、納豆菌以外にも納豆には、免疫細胞の元となるたんぱく質や皮膚や粘膜を丈夫にするビタミンB2なども豊富に含まれているため、免疫力UPに欠かせない食品ともいえます。
納豆に乳酸菌たっぷりのキムチを混ぜて食べると、Wの発酵パワーを取り入れることができます。

みそ

みそ

大豆や米を麹菌によって発酵させたみそ。
抗酸化作用の高いポリフェノールも含まれており、体内のサビを取り除き、細胞を守ってくれます。
免疫細胞の元となるたんぱく質、免疫細胞を調整するイソフラボン、免疫細胞を活性化させる食物繊維なども豊富です。

味噌汁は豆腐、玉ねぎ、わかめなどいろいろな具材でアレンジがたくさんでき、合わせる食材で免疫力がさらにUPします。
1日1杯、味噌汁を飲む習慣をつけるのも良いですね。

チーズ

チーズ

牛やヤギなどの乳を乳酸菌によって発酵させたチーズ。
免疫細胞の元となるたんぱく質に加え、粘膜などを正常にして免疫を整える働きをするビタミンAや粘膜の生成を促すビタミンB2も入っています。
さらに豊富に含まれるカルシウムも免疫機能にも深く関わっています。
発酵によって、これらの栄養分が吸収されやすい形になっているのも嬉しいですね。

低糖質、高たんぱくのチーズは血糖値を上げにくく、ダイエット中のおやつにも最適。
そのままでも美味しく食べれますが、料理のトッピングやサラダに振りかけたり、様々な料理に活用できます。

免疫力が爆上がりするレシピをご紹介

発酵食品はたくさんありますが、アレンジ次第で爆上がりが期待できます。
簡単にできる発酵食品レシピをご紹介いたします。

〜免疫力UP〜【キムチ納豆玄米丼】

キムチ丼

 

材料(1人分)

キムチ
50g
納豆
1パック
1個
玄米
1膳

作り方

  1. 玄米の上にキムチ、納豆を乗せ、卵を割り入れて出来上がり。

発酵食品であるキムチと納豆、さらに食物繊維が豊富な玄米は腸内環境にトリプルの効果が期待できます。
さらに生卵を落とすことで、良質なたんぱく質に加え、ウイルスの侵入口でもある皮膚や粘膜のバリア機能を高めるビタミンAも取れます。

疲れた時や忙しい時にもさっと作れる1品、是非試してみてください。
玄米は発芽玄米に変えると、ストレスを軽減するGABAが多く摂取できます。
ストレスは免疫低下を招くので、ストレスが多いときは発芽玄米に変えるのもいいですね。

オクラや山芋などネバネバ食品をプラスすると、食物繊維量が増え、より腸内環境を整え、免疫UPにつながります。

〜免疫力UP〜【季節のフルーツヨーグルト】

季節のフルーツヨーグルト

 

材料(1人分)

ヨーグルト
50g
季節の果物
50g

作り方

  1. 季節の果物をざくぎりにし、ヨーグルトの上に乗せて出来上がり。

善玉菌のエサとなる果物などに含まれる食物繊維に加え、バナナやりんごなどに含まれるオリゴ糖と一緒に食べると、菌との相乗効果で腸内環境がより良い状態になり、免疫UPが期待できます。
皮や種ごと食べられるりんごやブドウ、ブルーベリー、キウイなどは、抗酸化作用の高いポリフェノールも多く、おすすめです。

発酵食品でもあり、オリゴ糖を含むはちみつを数滴垂らすのもいいですね。

まとめ

和食

いかがでしたか。今回は発酵食品が免疫に大きく関わることについてご紹介いたしました。
日本は四季があり、季節の変わり目は体調を崩す方も多くいます。
発酵食品は1回食べてすぐに免疫に関わるわけではないので、継続して食べることが大切です。
また、1種類の発酵食品だけでなく色々な発酵食品から、種類の違う有益菌を摂ることが、より免疫力をUPさせるコツです。

1日1食は和食にすると、味噌汁、漬物をはじめ、醤油、酢、みりん、酒などの調味料などから自然と発酵食品を摂ることができます。
ご自身のやりやすい方法で、無理なく発酵食品を取り入れて、免疫UPを目指してくださいね。

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執筆者
望月理恵子

管理栄養士。健康検定協会理事長。山野美容芸術短期大学講師、服部栄養専門学校特別講師、小田原銀座クリニック栄養顧問、日本臨床栄養協会評議員。 アンチエイジング、美容、ダイエット、食育の分野で根拠ある栄養情報発信を行なっている。

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監修

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圓尾和紀(まるお・かずき)

管理栄養士。静岡県立大学で修士号を取得後、管理栄養士として総合病院に勤務。現在は独立し、日本の伝統食とファスティングの良さを伝える活動に携わる。メディア出演多数、著書 『一日の終わりに地味だけど「ほっとする」食べ方』(2017年)。

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