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減糖にもお役立ち! 糀甘酒の作り方

執筆者 izumi | 2017.6.14
甘酒

2016年の年末頃から空前の甘酒ブームが巻き起こっています。美容をはじめ体によい効果が知られるようになった甘酒ですが、甘酒には2種類あるのをご存じでしょうか。

(1) 酒粕から作られた甘酒
(2)米麹から作られた甘酒

甘酒は体によいということを耳にするけれど、子どもの頃に飲んだ記憶から苦手なんだよね……そんな声をよく耳にします。

そんな方は是非、(2) の米麹から作られた甘酒を試してみてください。実はこの2つ、同じ甘酒という名前でも、原料も作り方も全く異なるものなんです。

(1) はお酒の絞り粕である、酒粕を水で溶いて砂糖を加えた「甘酒」。お酒の絞り粕から出来ていますので独特な風味を持ち、アルコールを含んでいます。
(2) は米麹の麹菌がもつ酵素により糖化発酵させ、分解させた「甘酒」。アルコールを含まず、お砂糖も含んでいないのにも関わらず、驚く程甘いのが特徴です。

どちらも甘酒ですが、味やのど越し、栄養成分など全く異なります。(1)の酒粕から作られた甘酒が苦手な方は、(2)の甘酒なら美味しく飲むことが出来るという方が殆どです。また、昨今耳にする、「飲む点滴」や「飲む美容液」などと言われ栄養価が注目されているのはこの(2)の「米麹による甘酒」の効果なのです。

今回はこの「米麹による甘酒」を甘酒とし、スポットをあてて、その特徴やメリット、使い方などをご紹介したいと思います。

甘酒は江戸時代の栄養ドリンク

実は甘酒は、紀元前1000年頃既に存在したといわれています。本来、「お酒」とは、神様にお供える神聖なものでした。アルコールが含んでいないものを神様にお供えし、人間はアルコールを含むものを飲んでいたといわれています。その最初のお酒が「甘酒」でした。その後、逆転し、アルコール発酵させたものを神様にお供えするようになりました。

神にささげる酒

江戸時代になると、酒蔵は甘酒を作るようになります。仕込みのシーズンオフである夏に甘酒を街中で売り歩き、当時の栄養ドリンクとして大ブームを巻き起こします。当時の江戸では、熱中症のようなもので亡くなる人が大勢いました。夏に食べる滋養のあるものの代表はうなぎですが、庶民には当時も高級であったため、なかなか口にすることはできませんでした。そのかわりとして甘酒は大変好まれ、あまりの人気に価格統制までされていたとも言われています。

甘酒の主な栄養素

甘酒に含まれる主な栄養素を3つ紹介します

●アミノ酸
細胞内のタンパク質やホルモンなどを形成する。アミノ酸は全部で20種類ありますが、そのうち、ヒトが体内で作り出すことができないアミノ酸は9種類あり、それらを必須アミノ酸と呼びます。甘酒にはその必須アミノ酸9種類全て含んでいます。

●ビタミンB群
免疫力をアップさせ、体内酵素の働きを補います。また糖質の代謝を促す働きも持っています。ビタミンB1、B2、B6をはじめ、ビオチン、妊婦さんに重要な栄養素である葉酸も豊富に含んでいます。

●ブドウ糖
脳のエネルギーであるといわれるブドウ糖が含まれます。満腹中枢を刺激し、少量で満足感を得ることができるので、甘酒は砂糖の代用甘味料としても注目を浴びています。

そのほかに乳酸菌、食物繊維、オリゴ糖なども豊富に含みます。これらは腸内細菌のエサとなりますので、腸内環境を整え、便通の改善にも役立ちます。

甘酒の作り方

ここでご紹介する甘酒は、固作りといって、おかゆ状の甘酒です。この状態であれば、ドリンクはもちろん、料理やデザートなどの甘味料としてもお好みの量に応じて応用することができます。

保存は冷蔵庫で。およそ10日程はタッパーなどに入れて冷蔵庫で保存できます。

また、冷凍保存が可能で、その場合完全に固まることがなく、冷凍用の保存袋などに空気を抜いた状態で平らに入れておくことで、必要な量を手で簡単に割って使うことができます。

【材料】

・炊いたご飯 3合
・米麹 300g
・水 400ml

1. 炊いたご飯が熱いうちに水400mlを加える。

炊いたご飯が熱いうちに水を加える


2. ご飯の温度が60度になるまでかき混ぜながら冷ます(炊飯器を一度取り出せるタイプのものであれば、取り出してから冷ますと早く温度が下がります)。

温度を冷ます


3. 米麹を加え、よく混ぜる。

米麹を加え、よく混ぜる


4. 炊飯器の保温モードにし、蓋をあけたまま、上から布巾をかぶせ、13時間保温する。

蓋をあけたまま、上から布巾をかぶせ保温


5. 2~3時間たった頃に一度かき混ぜる。

かき混ぜる


6. その後、2~3回に分けてかき混ぜる。


7. 出来上がったらスイッチを切り、粗熱が取れるまでそのままにしておく。完全に冷めたら冷凍保存用の袋に使いやすい分量ごとに入れ、空気を抜いて平らにし、冷凍庫などで保存する。


★注意★
1.から2.の間、水を入れてしばらく放置したまま温度が下がりすぎてしまうと、米が水分を吸いすぎてしまい、そのまま温度が下がるとうまく発酵しませんので、時間を置きすぎないのがコツです。

応用方法の例

やはり、一番はそのまま甘味料として使用するのをおススメします。というのも、砂糖はカロリーはありますが、栄養価は殆どありません。同じ甘みをつけるのであれば、甘酒を砂糖の代わりに使えば、栄養価がプラスされます。

ヨーグルトの甘み、パンケーキのシロップ代わり、フルーツとそのまま和えてなど豆乳や牛乳で割ったり、ドリンクとしてももちろん! そのまま凍らせて食べるとシャーベットのようでアイスクリームのかわりになります。凍らせても栄養価はかわりませんので、カロリーが気になる方や、アレルギーのある方にも安心して召しあがっていただけます。


いかがでしたか?
次回はその甘酒の応用方法、効果的な組み合わせなどを具体的にご紹介、ご提案したいと思います。

甘酒

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izumi

執筆者
izumi

発酵食料理研究家。 マーケット調査やMD、企画の経験を活かし、ウェブライターや食育インストラクターとしても活動。 金沢を拠点とする「発酵食大学」の東京校、NHK学園オープンスクールの講師も務め、東京都内や近郊で発酵食品の活用や食育にまつわる講座を開催。 発酵食品を、日常の食事へ取り入れるための活用法や、調味料として使用するためのアイディアを、個人主催、企業主催問わず料理教室や座学講座などを通して伝えている。 ブログ・http://cyuramoon.minibird.jp/

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