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和食の基本「さしすせそ」って本当に意味があるの?順番を逆にして料理してみた

執筆者 圓尾和紀(まるお・かずき) | 更新日:2017.7.7
3つの味のかぼちゃの煮物

ちょっと料理をする人なら、誰でも一度は和食の格言である、調味料の「さしすせそ」を聞いたことがあるのではないでしょうか。美味しい料理を作るための調味料を入れる順番を表したものですが、これって本当に守らないといけないの? と疑問に思ったことはありませんか。

今回はその真偽を確かめるべく、「さしすせそ」の順番を変えてかぼちゃの煮物を作り、その出来栄えを比べてみました。

なぜ「さしすせそ」の順番が言われるようになったの?

そもそも「さしすせそ」とは、

「さ」・・・砂糖
「し」・・・塩
「す」・・・酢
「せ」・・・醤油(旧仮名遣いで「せうゆ」)
「そ」・・・味噌

のことを指します。まずは砂糖と塩ですが、砂糖は塩に比べて分子量が大きいため、先に入れないと後からでは素材に味が入っていかないというのがこの順番の理由です。

たとえるなら、大きな袋に先に砂を詰めてしまうと、後から石が入らなくなります。しかし、先に石を入れると、後からちゃんと砂も隙間から入り込んでいく、というのと同じ理屈です。

そして酢、醤油、味噌は香りを楽しむものなので、煮物などで最初から入れてしまうと加熱によって味が飛んでしまうからと言われています(味噌煮など、しっかり調味料の味を含ませる料理は別)。

3つのやり方でかぼちゃの煮物を作ってみる

理屈ではわかっていても、同時並行で進んでいく調理作業中にわざわざ手を止めて、その都度調味料を入れていくのは面倒でもありますよね。どうせだったらその面倒は避けたい。ということで、実際本当にこの順序に意味はあるのか、煮物の定番であり、これから旬を迎えるかぼちゃで試してみました。

かぼちゃ

まず、材料はこちらです。

【材料】

・かぼちゃ 100g
・水 1カップ
・醤油 大さじ1
・砂糖 大さじ1
・塩 小さじ1/4

これを次の3つのやり方で作ってみます。

(1)「さしすせそ」通りに作る

砂糖から煮ているかぼちゃ

鍋に湯を沸かして、最初に砂糖を入れてかぼちゃを10分ほど煮込み、そこから塩、そして醤油を加えて5分煮る。


(2)全部同時に入れる

全ての調味料を同時に入れかぼちゃを煮る

最初から砂糖、塩、醤油を入れてかぼちゃを煮る。


(3)「さしすせそ」を逆に入れる

まず醤油を入れてかぼちゃを煮込み、その後で塩、そして砂糖を加えて煮る。

醤油から調味料をいれ、かぼちゃを煮る


さあ、こうして出来上がった煮物がこちらです。

3つの味のかぼちゃの煮物

では、ひとつずつ試食していきます。

調味料を逆から入れた、かぼちゃの煮物

やわらかくて、ちゃんと火が通っていますが、まず塩味が感じられます。その後も塩辛さが終始強く感じられました。醤油の香りも弱めです。

調味料を同時に入れたかぼちゃの煮物

さきほどのかぼちゃに比べて、最初から甘味が同時に感じられて美味しいです。その差は歴然。やはり先に塩を入れてしまうと甘味がうまく入っていかないのですね。

和食の基本の調味料の入れ方で煮たかぼちゃの煮物

……美味しい! 明らかに一番強く甘味を感じます。そして醤油の香りも豊かで全体の風味がうまく調和しています。特に醤油から入れたかぼちゃとも全然違いますが、同時に入れたかぼちゃとも結構大きな違いが感じられました。

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やはり「さしすせそ」の順番は大切だった

ということで、やはり昔から伝えられている格言の正しさを痛感した実証結果となりました。実際にやってみるとその意味がよくわかりますね。やはり一手間でも、きちんと順番を守って調味料を入れたほうが美味しい料理が出来上がるということが納得できました。

毎回きっちりこの順番を守って何回かに分けて調味料を入れるのは大変かもしれませんが、ちょっと余裕のある時に試してみると、美味しさがグーンとレベルアップしますよ。ぜひ、普段のお料理の際にご活用ください。

3つの味のかぼちゃの煮物

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執筆者
圓尾和紀(まるお・かずき)

管理栄養士。静岡県立大学で修士号を取得後、管理栄養士として総合病院に勤務。2013年より独立し、「日本人の身体に合った食を提案する」をテーマに日本の伝統食とファスティングの良さを伝える活動をしている。ファスティングのサポート、講演、コラム執筆、雑誌やTVなどのメディア出演など。自身のブログ「カラダヨロコブログ」でも日々食や健康の情報を発信している。 カラダヨロコブログ http://karada465b.minibird.jp/

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