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これだけは押さえておきたい! 酵素の基本情報

執筆者 圓尾和紀(まるお・かずき) | 更新日:2017.6.19
酵素たっぷりの野菜

美醸ラボでは、発酵食品の健康や美容効果をよく取り扱っていますが、発酵食品の良さを理解する上で欠かせないのが”酵素”に関する理解です。酵素と言われると、聞いたことはあるけど、詳しくは知らない……という人も多いのでは。ということで今回は、酵素をわかりやすく解説していきたいと思います。

酵素は何をするもの?

酵素とは、「化学反応を触媒(しょくばい)するもの」です。と言っても、このままだと何のことやらよくわかりません。まず、化学反応とは何かを見て行きましょう。

実はこうしている今の瞬間も、私たちの身体の中ではさまざまな化学反応が連続して起こっています。たとえば今この文章を読んで理解していること、この画面が見えていること、パソコンのマウスやスマホをつかんでいること、呼吸していること、すべてが化学反応の結果なのです。

スマホをする女性

化学反応というのは、ある物質とある物質がくっついて、別の物質になることです。たとえば、木材や釘、のこぎりという材料があると家を作ることができますよね。でも、ただ材料があるだけでは家が建ちません。そう、大工さんがいるんです。この大工さんに当たるのが酵素です。つまり酵素は、体の中でいろいろな化学反応が起きるのを手伝っている陰の立役者というわけなのです。

消化酵素と代謝酵素 2種類の潜在酵素

酵素のイラスト

さて、この酵素ですが、体の中には二種類の酵素があります(これを潜在酵素と言います)。それが消化酵素と代謝酵素です。これらは異なる働きを持っており、まず消化酵素のほうは食べたものを消化して栄養素として吸収できる状態に分解してくれます。

そしてそれを使ってさまざまな代謝を行うのが代謝酵素です。代謝にはいろんなことが含まれます。たとえば、身体を動かすエネルギーを作ることや、肌をはじめ、全身の細胞を生まれ変わらせること(新陳代謝といいます)、身体にとって有害なものを解毒して排泄すること、病原菌などから身体を守る免疫機能などです。

このように、身体の中にある消化酵素と代謝酵素はまったく違う役割をそれぞれに担っています。

酵素全体の量は決まっている

酵素についてぜひ知っておいてほしいことがあります。それは、「酵素には限りがある」ということです。この考え方はわりと最近になって、アメリカのエドワード・ハウエル博士という方が提唱しました。

それによると、私たちが一生のうちに製造できる酵素には限りがあり、無駄遣いを防ぐことが健康長寿にもつながるとされています。

笑うおばあさんとおじいさん

この「酵素の量には限りがある」ということはとても大事で、決まった酵素の量から日々、消化酵素と代謝酵素に振り分けて使われています。たとえるなら、一日に加工できる大豆の量が決まっていて、その決まった量の大豆から豆腐と納豆を作るようなイメージです。

豆腐を作りすぎたからといって、納豆を作るために新たに大豆を仕入れることはできません。なぜなら、一日に仕入れる大豆の量が決まっているからです。これと同じことが体内でも起きています。つまり、消化か代謝、どちらかの酵素を多く使いすぎるともう片方が不足してしまうのです。

生の食べものには食物酵素が含まれている

食物酵素を含む食べ物

現代人は消化酵素を多く使いすぎていると言われています。その理由は食べすぎであることと、加工品を多くとっていることです。なぜ加工品をとりすぎると良くないのでしょうか。それは、食べものの中に入っている酵素が関係しています。

これまで酵素は人間の身体の中にあるとお話してきましたが、実は自然の食べものの中にも酵素が含まれています。生の果物、野菜、魚、肉の中には自分自身を消化する酵素(食物酵素)が含まれています(さらに、発酵食品の中にも微生物が作り出した酵素が含まれます)。

食べものを加工せずに生の状態でとると、食物酵素をとれるので消化が助けられ、体内の消化酵素の節約になるのです。逆に加工品が多くなるととりいれる消化酵素の量が少なくなり、自前の消化酵素を使い込むことにつながってしまいます。

ということで今回は酵素についての基礎知識をお伝えしました。ポイントは身体の中の酵素を節約して無駄遣いせず、食べものに含まれる食物酵素をうまく活用するということです。

次回は代謝酵素の働きをグーン上げる食べ方をご紹介します。お楽しみに!

#酵素 
酵素たっぷりの野菜

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執筆者
圓尾和紀(まるお・かずき)

管理栄養士。静岡県立大学で修士号を取得後、管理栄養士として総合病院に勤務。2013年より独立し、「日本人の身体に合った食を提案する」をテーマに日本の伝統食とファスティングの良さを伝える活動をしている。ファスティングのサポート、講演、コラム執筆、雑誌やTVなどのメディア出演など。自身のブログ「カラダヨロコブログ」でも日々食や健康の情報を発信している。 カラダヨロコブログ http://karada465b.minibird.jp/

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圓尾和紀(まるお・かずき)

管理栄養士。静岡県立大学で修士号を取得後、管理栄養士として総合病院に勤務。現在は独立し、日本の伝統食とファスティングの良さを伝える活動に携わる。メディア出演多数、著書 『一日の終わりに地味だけど「ほっとする」食べ方』(2017年)。

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