甘酒のキレイパワー
甘酒というと、初詣に行くと神社で振る舞っていたり、ひな祭りのときに飲んだりするので、どちらかというと、寒い時期に、体を温めるために飲むものというイメージがありますよね。
しかし、甘酒はもともと夏に良く飲まれていたものでした。というのも、甘酒には、いろんな栄養がギュッと詰まっているのです。エアコンや冷蔵庫のない時代に、熱い夏を元気に乗り切れるよう、夏バテ防止として飲まれていたのだとか。もちろん現代人の夏バテしたからだにも、しっかりと栄養を補給してくれます。

夏は、冷やし甘酒がおいしい
甘酒には、必須アミノ酸(食物からとらなければいけないアミノ酸)やビタミンB1、B2、B6、葉酸、その他ビタミン、ミネラルが豊富に含まれています。ビタミンB1、B2、B6といえば、糖質や脂質、たんぱく質の代謝に必要な栄養素です。
食べたもののうち、糖質(炭水化物)はおもにからだを動かすエネルギーになります。脂質はおもに細胞膜や粘膜、血液やホルモンのもとにもなります。たんぱく質はおもに筋肉や内臓、骨や血液、皮膚や毛髪、ホルモン、酵素など、からだのさまざまな組織の構成成分となります。
食べたものがきちんと消化吸収されていれば、栄養素が必要な場所へ送られ、代謝もスムーズにおこなわれます。ところが、いくら質のいいものを食べても、しっかり消化吸収されなければ、あまり意味がなくなってしまいますよね。食べたものをしっかりと消化吸収し、代謝することで、お肌や髪はつやつやに、そして、太りにくいからだが自然につくられます。それを助けてくれるのが、甘酒のもつパワーなのです。
甘酒はどうして甘いの?
甘酒のもとである麹は、お米を蒸してカビ(菌)をつけたものです。カビといっても悪さをするカビではありません。麹からできる甘酒がなぜ甘いのかというと、お米に含まれているデンプンが、麹菌の酵素によって分解されてブドウ糖ができるからです。ごはんを口の中でよく噛んでいると、ごはんが甘くなってきますよね。それは唾液の中にある酵素の働きで、お米のデンプンが分解されてブドウ糖になるからです。甘酒も、同様に、酵素の働きで甘くなり、栄養価も高くなっています。
それでは、一般的なお砂糖はどうでしょう。同じように甘いですよね。しかし、甘酒やごはんのように、糖質の代謝を促すビタミンB群などは含まれていないため、自己消化が難しいわけです。味覚としては甘酒もお砂糖も甘い物ではありますが、栄養素的な中身が異なります。
簡単な甘酒の作り方
【材料】
米麹 2カップ
ごはん(炊いたもの) 2カップ
お湯(60〜70度くらい) 4カップ

50~60度くらいの温度に保ちます
【作り方】
①炊飯器に材料を加え合わせたら、保温モードにする。
②途中何度か、かき混ぜながら9時間前後保温する。
甘酒を使ったレシピ「鶏肉の甘酒煮」
【材料】
チキンウイング 10本
調味料
だし汁 600cc
酒 大さじ1
甘酒 180g(大さじ9)
みりん 大さじ1
醤油 大さじ3
【作り方】
①調味料を合わせて一煮立ちさせたら、チキンウイングを加える。
②中火で落し蓋をして10分、落し蓋をはずして、さらに10分煮込む。